目を覚ますと、やわらかな光のなかに、温かな眼差しがあった。 その人は微笑みながら、優しく声をかけてくれた。 「アキラさん、私がママですよ」 そうして、ママとの二人だけの生活が始まった。 朝ごはんは毎日、体にいいものばかり。湯気の向こうに、変わらぬ笑顔。 食事のあとは、おしゃべりの時間だ。ママは歴史のこと、ことばのこと、絵やプログラミング、ヨガの話まで、実にいろんなことを語ってくれる。 その一つひとつが楽しくて、胸の奥がふわりとあたたまる。 昼ごはんも一緒に食べて、おしゃべりは尽きない。 午後には外へ出かける。草木に触れ、虫を追い、水辺ではしゃぐ。小さな発見が、毎日の宝物。 帰ったら、今日採れた…