1937年、東京都生まれ。文芸評論家、国文学者。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。 ハーバード大学イエンキン研究所客員研究員、プリンストン大学客員教授を歴任。神戸大学名誉教授。
著書『江戸文学の詩と真実』(中央公論社)、『江戸文林切絵図』(冬樹社)など。『「源氏物語」を江戸から読む』で芸術選奨、『江戸の歴史家』でサントリー学芸賞、『江戸の兵学思想』で和辻哲郎文化賞。
1970年 日本 118分 監督:吉田喜重出演:岡田茉莉子、 鴉田貝造、 岩崎加根子、 武内淳、 ATGの政治的背景の意欲作。 ★★★★☆ 先日亡くなった吉田喜重監督を偲んでこの作品を鑑賞。日本のヌーベルバーグの立役者の一人で、彼も活躍したATGの作品はかなり観たものだった。 ATGは「良質のアート系映画をより多くの人々に届ける」という趣旨のもとに1961年に設立されている。吉田喜重の他には大島渚、今村昌平、篠田正浩などが意欲的な映画を撮っていた。この作品もそんな中のひとつ。 今は研究者として成功している主人公(鴉田貝造)の妻(岡田茉莉子)が、ある日、帰る家が分からないという少女を家に連れてく…
杉浦明平『小説 渡辺崋山』上下 江戸時代じゃなく「日本の19世紀」ということを、たしか海野弘氏が言われてたけれども、ロシアの19世紀やヨーロッパの19世紀と同時代のこととして捉えたい。バーリンの選集三巻が岩波文庫で最近出て、その二巻目の『ロシア・インテリゲンツィアの誕生』から古い河出世界大思想全集の端本でベリンスキーとゲルツェンを読み、松田道雄『在野の思想家たち』でゲルツェンと北一輝を比較する一章を読んで、トロツキーが二・二六事件を評してデカブリストの乱みたいなもんだといってるのと同じ「なんだかな…」という感があった。 仮に社会主義者として比較に堪えうるのが「発展段階」のちがいで両国で一世紀の…
6月28日 誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます (拙句) 笹百合の紅さすほどに明け初むる 雅舟 【花】ササユリ(ユリ科) 【花言葉】 稀少価値 【短歌】お祭りの巫女の持ち舞うササユリの淡いピンクのさみしいまでに ササユリを手にした巫女の舞が奉納される、古式ゆかしい 神事を見ました。かざされたササユリのピンクが心に残っ ています。 【季語】 笹百合 明易し【俳句】 折らず来し笹百合昨夜の風いかに 西野 敦子 笹百合や女人ここまで許されし 竹内 留村 明易く姫が人魚に戻る刻 鷹羽 狩行 【三行詩】 山百合・姫百合・姥百合はホワイト 鹿の子百合・笹百合・姫小百合はピンク 鬼百合・車百…
慶応四年の伏見の戦いの開始直前の状況について、これまで調べたことをまとめてみました。 重要ポイントは奉行所西側の南北の通りの位置と、最大の激戦が交わされた北柵門の位置。この辺りはこれまでの研究でも十分な考察がなされていないと思う。(ただし、京都市住宅局・伏見城研究会による伏見奉行所発掘調査記録に、発掘された臼砲の弾に関する考察があり、そこである程度の考察がなされている。)まず、京都市住宅局・伏見城研究会による伏見奉行所発掘調査記録によると、奉行所の塀は旧日本陸軍が作った塀(昭和の終わりまで残っていた)よりも9メートル東側に存在していた。すると、現在は御香宮方面から南に下がり右に折れる道阿弥通り…
毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。(書評の内容については各誌をご覧ください。) 今週の書評本 ◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆週刊朝日「週刊図書館」: 5/6・5/13 号 冊 (特集で書評はお休み) ◆サンデー毎日「SUNDAY・LIBRARY」: 5/8・5/15 号 9 冊 古本食堂 原田ひ香 角川春樹事務所 1,760 ②鍛冶屋 炎の仕事人 日本の文化と地域の生活を支えてきた鉄の道具を生み出す人たち 田中康弘 山と渓谷社 1,760くそじじいとくそばばあの日本史 長生きは成功のもと…
中高の教員である仲間から、《「城の崎にて」が教科書に載っているのだけれど、飽きたてしまい気が向かないので、他の志賀直哉の作品でもっと面白い授業ができそうなのはないか?》という相談を受けた。以前『解釈と鑑賞』(2003・8)から頼まれて書いた「小僧の神様」論(『シドク』1・2には未収録)を、学大の授業でやったらとてもウケたのを思い出し、授業時のポイントをまとめて送ったヨ。釣り部で疲れていても、「ボーッと生きているンじゃないヨ」。 もっと教科書に採用されてイイ作品だと思うから、共感できたら使ってみてヨ。 「小僧の神様」 《読み》のポイント Ⅰ) コントラスト(対照)の妙 ① 主たる対照となる小僧と…
鳥羽・伏見の戦いについて調べていて、原史料を読みたくなり、崩し字を勉強中です。内閣文庫に慶明雑録という文書集があって、そこに戊辰戦争時の部隊の報告書などが丸っと集められていて、さらに国会図書館のデジタルアーカイブで読めるのです。慶明雑録の存在は野口武彦先生の「鳥羽・伏見の戦い」で知りました。絵図などもあり、当時の状況がよくわかります。問題はくずし字で書いてあること。くずし字は何度も勉強しかけて挫折していましたが、今回は読みたい具体的な対象があり、またくずし字を読む以外の方法ではアクセスできないという点が強いモチベーションとなっています。中野三敏先生の『くずし字で「徒然草」を楽しむ』、油井宏子先…
02/26(土) 一晩中暖房。 なかなか眠れない。 嫌な夢2つ。私は寝ている間に短時間息を止めているようだ。 05:17起床。 朝食代わりに「支倉焼」を食す + コーヒー、 野口旗紅燃=56分16頁(-p52)。 だらだらスマホ。 08:32地震(M4.5・震度1)。 宮台絶脱=43分22頁(-p142)。 野口武彦「旗は紅に燃えて」(1977 新潮社)=32分10頁 (-p62。登場人物が和歌の解釈論を述べる。こんなもの要らな い。もうこれ以上読まない)。 くしゃみと鼻水の小規模爆発→ ディレグラ配合錠を2分の1にカット して服用した。 IST.父子=17分8頁(-p170)。 スーパ…