近未来小説。両親の死の真相を探るため、引きこもり生活を脱し警察官を志した19歳の沖野修也。警察学校在学中、ある能力を使って二件の未解決事件を解決に導いたが、推理遊び扱いされ組織からは嫌悪の目を向けられること。沖野の持つ特質「敵意や殺意を、悪寒や相手の目の色を通し感じ取る能力」(P325)そうした人々の目は皆、暗がりの中で身構える猫のように赤く光って見えるのだった。ある日、単独行動の挙句、公安の捜査を邪魔したことで、沖野は副所長室に呼び出され聞きなれない部署への異動を命じられる。「内閣府国際平和協力本部事務局分室 国際交流課二係」。そこは人知れず、諜報、防諜を行う、スパイ組織だった。日本を守る暗…