個人的無意識とは、個々の人間に固有の無意識であり、集合的無意識の対語である。個人の人生の過程と関連した不快な記憶や情動、感情を混乱させる幼児期の外傷体験や原始的な本能を抑圧する領域であると同時に、幸福な記憶、芸術的な体験、創造活動の材料の宝庫ともなる、人間の心的活動の大部分を支配する、広大な活動領域である。 C.G. ユングによって提唱された概念であり、フロイトの無意識概念を拡張したものである。フロイトは、無意識は幼児期の性的欲求や衝動が抑圧されて形成されたものであると主張したが、ユングは、無意識は個人の人生経験だけでなく、人類共通の遺伝的記憶によっても形成されると考えた。 個人的無意識に含ま…