正徳3年1月6日。新五左衛門から水右衛門へ結納まで済ませたけれど、孕み、かつ逐電したので離別した。出雲守様今井水右衛門は実子がなく、妻の甥である市村六郎左衛門の二男を養い、今井次郎大夫とし、嫡女を嫁がせて家督を譲ろうとした。しかし、次郎大夫は嫡女を嫌い、その妹(妹ではなく姪であった)と密通した。この女は但馬様衆(御聞番)の沢田新五左衛門に嫁ぐはずであったが、この日次郎大夫が女を連れて逐電する。水右衛門嫡女と次郎大夫を結婚させようとしたが、水右衛門の孫女と次郎大夫は密通し、孕んでしまった。水右衛門は愛しい孫であったのでかけ硯(懸け硯)の鍵を渡してあったが、金を盗んで下女1人を連れて6日の明け方長…