宝永6年9月29日。評定所東揚り屋へ御目見高橋勝蔵・小普請三宅又十郎が入る。先手永田三左衛門がこの番をする。2人は悪事を重ね、盗みに追剝と世間で言われる通りであった。勝蔵は初め静石(シズカ)右衛門と名乗り、これは異称(別名)だとも。三宅の異名は蛙(カエル)と言う。又十郎の町屋へ小普請仲間野田善十郎・小池忠助・里見以上5人(ママ)が出かけた。初めは病気と言って又十郎は会わなかった。さらに仕事のことだと言うと会うことになった。大小刀を渡せと言うと、断りそうな様子だったので左右から取り押さえた。母が別れのあいさつに出てきて、教訓(イサメ)があると泣き出した。駕籠を持って行っていたのですぐに乗せ、評定…