正徳1年7月23日。巡見衆大目付兼道中奉行1290石松平石見守乗宗、勘定殿詰組頭300俵萩原源左衛門、勘定衆柘植兵太夫は昨夜起に泊まり、今夜鳴海に泊まる。近頃、横地仁兵衛支配所板取の百姓金屋村の藤兵衛が巣鷹(巣の中にいる鷹のひな)のことで隼人正に怒られ、戸を縛る。やがて赦される。近頃、濃州岩手竹中主水の家来朋飼(ハウカヘ)左平治という者が所用で垂井へ出かけた。雨が降っていたので傘をさしていると町人とぶつかり、逆にとがめた。左平治が言うには、お前の傘が当たった。傘をかざして通るべきだと云々。町人は半町(1町は約100メートル)ばかり行ってしまったが、左平治は傘も木履も捨てて、逃がしてなるかと追い…