11日の母の日に『談話室(250511)』はチェロ奏者パブロ・カザルスと平和を思う▼内戦を経て確立した独裁体制が1975年まで続いたフランコ総統下のスペイン▼内戦さなかの頃、カザルスとオーケストラ団員がリハーサル中に空襲。団員が逃げる中、カザルスは舞台に残り音楽を奏でる。すると、団員は一人また一人戻ってきた。演奏会は国境を越えてラジオ中継された▼大成を支えたのは母親ピラール。パリで仕事を始めた青年カザルスが病に臥せった時は、自慢の長い黒髪をばっさり切って援助した▼晩年までカザルスが愛奏したのが故郷の民謡「鳥の歌」。「飛ぶ鳥はピース、ピースと口ずさむのです」。今も人々を力づける希有な人物を育んだ…