鳥は目がいいと言うのだが、我が家の文鳥はそうではない。米は大好物なのだが、たまにやるとクチバシからこぼれた米粒を見つけられないでいる。―アンタの後ろだ指で示そうとすると、指の上ばかりを期待して指先5センチの場所にある肝心の米はスルーする。視野が広く視力も良く、木の上からあるいは飛びながら餌を見つけるという本来の特技を忘れ果て、高齢者になり最近とみに目が悪くなってきた飼い主に捜し物をさせ拾わせて、ご馳走だけを味わっている。 その癖、夜盲症の「鳥目」ではない。夜、鳥カゴに布をかけ暗くするタイミングで餌を食べ始めたりする。―いい加減にしろ飼い主は腹を立ててそのまま電気を消すのだが、文鳥どもは慌てた様…