ミュージシャン、1944年生まれ。AORの代表格。
「ボズ」は愛称で、本名はWilliam Royce Scaggsという。
1960年代にスウェーデンでソロ・アルバムをリリースしているが、本国でのデビューは1967年、スティーヴ・ミラー・バンドの一員としてである。
その後1969年に「Boz Scaggs」をリリースしソロに。初期の作品「Moments」(1971年)、「My Time」(1972年)あたりでは洗練されたR&Bアーティストとして評判を上げていき、続く1974年の「Slow Dancer」では、のちのソフト&メロウのムーヴメントへの先鞭をつける。そして1976年に名盤「Silk Degrees」リリース。ここからシングルカットされた「Lowdown」が全米でヒット。既にLAシーンでは人気者だった彼の作品には、ジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチら、名うてのプレイヤーが名を連ね、そのメンバーがのちにTOTOを結成することになる。その後「Down To Then Left」「Middle Man」と立て続けに大ヒットアルバムを世に送り出すも、スターとしての所在に居たたまれなくなった彼は、1980年のベスト盤「Hits!」を置き土産に引退。
依然としてAORシーンはシカゴ、TOTO、クリストファー・クロス等が盛り上げるも、 ソフト&メロウの体現ともいうべき彼のヴォーカルを待望する声は止むことがなかった。
レストラン経営の傍らディナーのステージに立つ程度の生活を送っていた彼だが、AORムーブメントがようやく落ち着いた1988年に「Other Roads」で復帰。以後は最新作「But Beautiful」(2003年)に至るまで、マイペースの活動を続けている。
本国では「Lowdown」「Lido Shuffle」「Hard Times」などがヒットしているが、日本では「We Are All Alone (邦題:二人だけ)」が不世出のバラードナンバーとして支持を集め、CMソングとして度々使われている。そのためバラード・シンガーとしての印象が強く、バラード集「Boz The Ballade」が日本向企画盤としてリリースされている他、1996年には松竹映画「大統領のクリスマスツリー」の主題歌に「Fade Into Light」を書き下ろしているなど、日本における支持は、むしろ本国よりも根強い。
2000年『アリー My Love』のアリー・マクビールが事務所で彼の歌「ジョージア」を聴いているところをジョージアに見られて「レイ・チャールズの次に好きな歌手なの」という台詞を言ったことがきっかけで、俄然注目度が上がり、その後も彼の歌が使われるようになり、2001年最終シーズンの一回目には本人として特別出演したて「Payday」を演奏。
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