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バレエレッスンの伴奏は19世紀にバイオリンからピアノに変わりました。レッスンでは、フランス語のバレエ用語が使われ、ピアニストは即興で演奏します。(舞台芸術の魅力第5回)#放送大学講義録

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また、伴奏にはピアノが使われますが、実は19世紀の間はバレエのレッスンの伴奏はバイオリンでした。それから、19世紀の終わり頃からピアノに変わりました。

また、これも決まった演奏曲があるわけではありません。このレッスンのピアニストは、先生の指示を聞いて、どの曲を演奏しなければいけないかを瞬時に決めます。どういうテンポで演奏するかを瞬時に頭の中で考え、自分が知っているさまざまなバレエ曲、場合によってはバレエ曲でないものもあります。例えば、オペラの曲や一般的なクラシック曲が使われることもあります。しかし、自分が知っているメロディーの中から、それに合うものを瞬時に自分の頭の中から思い出して、合わせて演奏するわけです。 ですから、決められた楽譜を見て演奏しているわけではありません。

また、先生が話している言葉の多くはフランス語です。バレエ用語はほとんどがフランス語で、これは日本だけでなく、ロシアやアメリカでも同じで、どこでもバレエ用語はフランス語です。 そのため、先生はこれからやることをすべて実演するわけではありません。すでに学ぶダンサーたちはこの部分をどうすればいいのかを理解しているので、先生は詳しく動く必要がなく、口頭で指示を出せば、みんなどのような動きをするかを頭の中で理解できます。

ここで行われているのはクラスレッスンで、これは単なる体操やエクササイズではありません。バレエ団の最終目的は舞台で公演を行うことです。 ここでみんなが練習していること、これらの組み合わせでバレエ作品が作られます。ここで身につけたすべてを舞台で生かすことが、最終的な目標です。

また、バレエの動きはかつて非常に不自然で体に負担をかけるものとされていましたが、最近ではそれが体に良い、健康に良いと言われています。

 

 

 

 
 
 
 

牧阿佐美バレエ団のレッスン風景を紹介。小嶋直也先生が指導。バーレッスンとセンターレッスンの重要性、ガリーナ・ウラノワの言葉を引用し、日々の練習の必要性を強調。(舞台芸術の魅力第5回)#放送大学講義録

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ここまで話してきたバレエというダンスの本質的な特徴を覚えていただいた上で、これから実際のレッスン風景をご覧いただきます。

ご覧いただくのは、牧阿佐美バレエ団の稽古風景です。レッスンを受けているのは、このバレエ団のライン、すなわち正規のメンバーの皆さんです。今回のレッスンの先生は小嶋直也さんです。彼はかつて日本を代表する素晴らしい男性ダンサーの一人として活躍され、現在は教える側に回っています。

バレエダンサーは、毎日このようなレッスンを受けます。かつてのソビエト時代のロシアの有名なバレリーナ、ガリーナ・ウラノワの有名な言葉があります。「1日休むと自分でわかる、2日休むとパートナーにわかる、3日休むと観客にもわかる」という言葉ですが、とにかく毎日レッスンがあります。

舞台では作品を上演しますが、その期間中でもリハーサルが行われます。作品を稽古する前に、必ずこのレッスンがあり、その後でリハーサルが行われます。

バレエのレッスンは基本的に前半のバーレッスンと後半のセンターレッスンに分かれます。ダンサーたちはストレッチなどでウォーミングアップをした後、このバーに片手を置き、体を右半分、左半分に分けて、左手をバーの上に置いて右半分を動かします。その後、右手と右足を動かします。次に、右手をバーの上に置き、左手と左足を動かします。このような訓練方法を行います。

このバーレッスンとセンターレッスンの時間配分は先生によって異なります。このレッスン全体が何かの教則本に基づいているわけではありません。まず、先生がダンサーたちに指示を出します。これはある組み合わせになっています。これをアンシェヌマンと言いますが、例えば、私たちが単語を並べて文を作るようなものです。その単語を入れ替えて別の文を作るような感じで、先生はみんなに課題を与えます。

ダンサーは言われた通りにその順番を覚えて、最後まで一つの文を作ります。どのように組み合わせるかは、先生がその場で即興的に思いつくものですが、この組み合わせ方が非常に上手い人が優れた教師だと言われています。

 

 

 

バレエの基本原理「アン・ドゥオール」と「エレヴェーション」を解説。(舞台芸術の魅力第5回)#放送大学講義録

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バレエの本質的な特徴をごく簡単にまとめますと、2つの原理に分かれます。アン・ドゥオールとエレヴェーションです。

エレヴェーションから先に説明しますと、これは「上へ持ち上げる」という意味のフランス語です。バレエは常に「上へ上へ」と向かう、あるいは体が上から引っ張られているようだというのが基本姿勢になります。バレエを習っている子供たちが姿勢が良くて背中がピンとなっているのはそのためです。

これは、関西でバレエダンサーやバレエを習っている子供たちの問題を数多く扱ってきた蘆田ひろみ先生からお借りした、一般女性の背骨とバレエダンサーの背骨のレントゲン写真ですが、一般の女性よりもバレエダンサーの方が背筋がずっとまっすぐに伸びていることがわかります。

もう1つのアン・ドゥオールというのは、「外向き」、「外へ」という意味のフランス語です。日本では伝統的にバレエの先生方はアン・ドゥオールという風に発音していますが、これを具体的には、足を通常よりもずっと広く外へ開くことです。

この図をご覧ください。これはバレエの基本ポジション5つを表しています。 この5つのポジションが文献に初めて登場するのは17世紀のことです。それ以来、現在に至るまで使われている基本ポジションです。これをご覧になればわかるように、普通よりもずっとつま先が外側に向いています。 これが現在もバレエの基本ポジションとして採用されています。

では、どうして足を外側に開かなければならないのか。普通の人は、足を前方にはかなり高く持ち上げることができますが、横向きや後ろにはほとんど持ち上げられないのが普通です。 それに対して、子供の時から足を開く訓練をしていると、横にも後ろにも高く足が上がるようになります。 そして、なぜ足を高く上げなければならないのかと言えば、それは表現力が格段に広がるためです。そして、股関節は成長とともにだんだん硬くなっていくので、本格的なバレエダンサーになるためには、やはり子供のうち、つまり股関節が柔らかいうちに始めなければならないとされています。

 

 

 
 
 
 
 

牧阿佐美バレエ団の稽古場からの特別放送で、バレエの本質とその歴史を探究。牧阿佐美先生のインサイトとバレエレッスン風景を紹介。(舞台芸術の魅力第5回)#放送大学講義録

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今回の放送は、牧阿佐美バレエ団の稽古場からお送りし、視聴者にバレエの魅力を深く伝えます。特別ゲストである牧阿佐美先生による貴重なお話や、バレエレッスンの風景も披露される予定です。バレエの古典をテーマに、この芸術形式が持つ数百年にわたる歴史と進化を探求してきたシリーズの今回は、バレエというダンスの本質に焦点を当てています。

バレエは、内発的な動き、つまり感情や衝動を表現する足を使ったダンスとして認識されており、主にヨーロッパで発展しました。これに対して、模倣的なダンスは主に手を使用し、アジアを中心に発展しています。ただし、実際のところ、ほとんどのダンス形式にはこれら二つの要素が融合しており、どちらかが優勢である場合が多いです。

日本の舞踊では「踊り手」という言葉が使われ、手の動きに重点を置いた伝統があります。これは、足を主に使うバレエとは対照的であり、バレエでは高くジャンプしたり、女性がつま先で立つなど、上向きの動きが特徴です。また、バレエではダンスの技術に加えて、マイム(演技的な部分)も重要な要素となりますが、ダンスが主要な表現手段です。

この番組を通じて、バレエの技術的側面だけでなく、文化的背景やそれがどのように人間の感情や物語を表現するかについても深く掘り下げます。そして、日本の伝統的な舞踊や他の文化との比較を通じて、バレエがいかに独自の美学と技術を発展させてきたかを探ることになるでしょう。

 

 

 

 
 
 

東横惠愛病院の児童思春期病棟で開催される夏フェスは、多職種協働とチームビルディングを促進し、スタッフが患者にパフォーマンスを披露します。(保健医療心理学特論第3回)♯放送大学講義録

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東横惠愛病院の児童思春期病棟で行われる夏フェスは、精神科病院の一般的な夏祭りと異なり、患者さんが観客となりスタッフが出し物をするイベントです。このフェスティバルでは、スタッフが日頃の業務から一息ついて、患者さんに楽しんでもらうために様々なパフォーマンスを行います。例えば、ラジオ体操をアレンジした演目や、伝統舞踊、個人の趣味を活かしたパフォーマンスなどが披露されます。

特に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、イベントは縮小されて半日のみの開催となり、参加スタッフと患者さんにはマスクの着用や適切な距離の保持が求められました。このイベントはスタッフにとっても重要で、忙しい日々の中で創造的な活動に参加することで、患者さんだけでなく自分自身にもポジティブな影響を与える機会となっています。

夏フェスは、スタッフが自ら楽器を演奏したり、ダンスを披露したりすることで、患者さんに新たな一面を見せ、楽しんでもらうことを目的としています。また、このイベントを通じてスタッフ間の協力やチームワークが育まれ、職場全体の雰囲気が向上していると感じられます。このように、夏フェスは患者さんを元気づけるだけでなく、スタッフ自身のチームビルディングにも寄与しており、多職種間の協働とチームアプローチの良い例となっています。

 

 

 

 

 
 
 
 

東横惠愛病院のケースカンファレンスでは、多職種協働で患者の生育歴を深掘りし、心理検査結果を活用して治療改善を図ります。(保健医療心理学特論第3回)♯放送大学講義録

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このテキストでは、東横惠愛病院で行われるケースカンファレンスの役割と、異なる専門職がどのようにこれに貢献しているかに焦点を当てています。

月に1回のケースカンファレンスは、通常の仕事が終わった後に1時間半から2時間かけて実施され、特定の患者について深く議論します。この時間は、その患者が直面している現在の問題だけでなく、その患者の一生や、その両親の結婚前の生活や両親自身の生育歴を含む、広範な背景についても議論されます。これにより、患者一人一人の背景を全体的に理解する努力がなされます。

このプロセスでは、スタッフは患者の人生全般を一緒に考える時間を持ち、これが治療の方向性に大きく影響します。例えば、行動や性格が問題とされがちな子どもであっても、その生育歴を紐解いていくことで、「この子はよくここまで生き抜いてきた」「この子の生きていること自体が奇跡に近い」といった新たな理解が得られ、スタッフの見方が変わることがあります。この新たな理解は、子ども自身にも伝わり、治療の転機となることがあります。

ケースカンファレンスで議論されるのは通常、特に困難を感じている患者ですが、カンファレンスを経ることで多くの患者が改善する傾向にあります。これは、スタッフ一人一人が患者に対する見方を変えることが多いからです。患者一人ひとりについて、約10人のスタッフが集まってじっくり考える時間は、精神科医療において非常に重要です。

カンファレンスでの議論には、通常、主治医が患者の生育歴や入院経過をまとめた情報を提供し、担当看護師が入院から現在に至るまでの看護の経過を報告します。また、心理検査が行われている場合はその結果についても議論され、場合によっては院内の訪問学級の教師なども参加します。これにより、多角的な視点から患者の状態が評価され、治療方針の調整が行われます。

ケースカンファレンスは、単に問題を解決する場ではなく、スタッフが患者やその家族の状況を新たな視点から捉え直す機会を提供し、治療に関わる全員が新たな気づきを得る場としても機能しています。これにより、より効果的な治療が可能となり、患者の長期的な福祉に貢献しています。

 

 

 

東横惠愛病院のケースカンファレンスは多職種協働で実施され、患者の生育歴を深掘りし、治療改善につながる洞察を提供します。(保健医療心理学特論第3回)♯放送大学講義録

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このテキストは、東横惠愛病院で行われるケースカンファレンスについて詳述しています。看護師課長からの情報に基づき、ケースカンファレンスの実施方法とその治療に対する影響に焦点を当てています。

ケースカンファレンスは月に1回開催され、1.5から2時間かけて特定の患者について深く議論します。この会議では、患者の生育歴や生活背景から現在の状態に至るまでの詳細な情報が共有され、患者一人一人の背景を理解する時間として大切にされています。

議論は、単に現在の問題を解決するだけでなく、患者の一生を通じて直面してきた課題に思いを馳せ、より深い理解を目指します。これにより、スタッフの患者に対する見方が変わることがあり、それが患者の治療にポジティブな影響を与えることがあるとされています。特に困難を感じている患者がケースカンファレンスを通じて改善する例が多いと述べられています。

ケースカンファレンスには、主治医、看護師、心理士、教育担当者などが参加し、多角的な視点から患者の状態を評価し、治療計画の調整を行います。このプロセスは、患者にとって最適な治療法を模索し、病院内のさまざまなリソースを効果的に活用するために重要です。

月例のケースカンファレンスは、病棟スタッフにとっても重要な時間であり、患者一人ひとりに対する包括的なアプローチを考える機会を提供しています。この取り組みにより、治療チームは患者の長期的な福祉と回復を支援するための統一された戦略を練ることができます。