2012-01-25
■[不動産]「どのようにして大家さんの情報を得る事ができるのかを教えて」というid:Cichlaのご質問について
昨日の記事で、id:Cichlaさんからこのようなご質問をいただきました。
同じ不動産業者から斡旋された住宅でも,誠実な大家さんの持ち家ならトラブルは最小限で抑えられたという事? であるならば,住居者はどのようにして大家さんの情報を得る事ができるのかを教えて頂きたいな
はてなブックマーク - goldheadさんの原状回復の件を読んで思ったこと。 - 不動産屋のラノベ読み
一度は「それは無理」とお答えしたのですが、無理という答えではネタにならないな素っ気なさすぎるなと思い、一応の方法を考えてみました。
なお、これは私的な考えですので自己責任でお願いしますね。
不動産屋は取引について重要なことは答えなくてはいけない
ちょっと法律の話が続きますが我慢して読んでください。
宅建業法によると、
(業務に関する禁止事項)
第47条 宅地建物取引業者は、(略)次に掲げる行為をしてはならない。
1.(略)次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
宅地建物取引業法,(略)宅建業法
とあります。つまりウソはもちろんですが、知ってて黙ってるのもNGということです。では、どんな事項が当てはまるのでしょうか。
(略)
ニ イからハまでに掲げるもののほか、(略)取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの
「大家がこんな信用の置けない人だと知ってたら借りなかったよ!」というのは、明らかにこれに当てはまると思います。
ただし、個別のケースはともかく、一般に「過去に大家が原状回復でもめたことが契約の判断に重要な影響を及ぼす」ということが常に言えるかどうか、については疑義のあるところでしょう。
そこで。
不動産屋に「自分にとっては重要な事項である」ことを告げてしまいましょう。
「私は、原状回復で入居者からクリーニング代を全部取ろうとしたりしてもめたりする大家とは契約したくないのですが、過去、この部屋の大家さんはそのようなトラブルがありましたでしょうか?」
消費者契約法はチート
実は、入居者をサポートする強力な法律が他にもあります。
消費者契約法です。
(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
(略)
2 消費者は、(略)当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。(略)
(略)
4 第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう。
一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件
消費者契約法
まじチートっすよねえ。
もっとも、「過去に大家が原状回復でもめたこと」が「契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの」であるかどうかは、それなりに疑義のあるところではありますね。
一応文例も
そういうわけで、以下のような文書を差し入れてみてはいかがでしょうか。
私儀 はてな太郎 は、下記に示す物件の賃貸借契約について、宅地建物取引業法47条1項における「判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」および消費者契約法4条における「重要事項」として、以下の項目について調査を依頼いたします。この内容は重要ですから十分に調査されますようお願い申し上げます。
1. 賃貸人がこれまでに締結した賃貸借契約において、国土交通省が示す「原状回復ガイドライン」を遵守しないことを原因とする諍いあるいは敷金返還遅延があった否か、およびその概要について。
うん、まあ、マジ自己責任でお願いします。
2012-01-24
■[不動産]goldheadさんの原状回復の件を読んで思ったこと。
表題のとおりなんですが。↓この記事を読んで思ったことをそのまま書きます。
不動産屋がアパートの退居費用で俺を騙して敷金以上の金を巻き上げようとする - ○内○外日記ブログ
不動産屋がなりふり構わず敷金を返そうとしない件について - ○内○外日記ブログ
不動産屋がようやく折れてきたが俺も折れそうな件について - ○内○外日記ブログ
不動産屋と大家は違うんだよなあ。
まず思ったのはこれです。賃貸トラブルがあると、しばしば不動産屋=大家と思われるんです。*1
はてなブックマーク - 不動産屋がなりふり構わず敷金を返そうとしない件について - ○内○外日記ブログ
↑ブクマを見ても分かるとおり、大家を批判するのと同じぐらい不動産屋が批判されています。中には、敷金返還をケチると不動産屋が儲かる、というようなカン違いをしてるのではというコメントもあります。
不動産屋もガイドラインを遵守したいんだよなあ。
原状回復で入居者とモメても不動産屋は一銭にもならないです。敷金は大家のお金ですし、当然返還するのも大家。敷金返還の話を持ちかけても不動産屋の動きが鈍いのは、「お金を返したくない」のではなくて「ゼニにならないのに大変な仕事をするのがダルいから」なんですね。
不動産屋としては、原状回復の基準についてはまず大家の意向に従います。これは契約の当事者が大家なのですから当然です。もちろんガイドラインに従うようにアドバイスはしますが、「入居者負担で、と突っぱねろ」と言われれば突っぱねないわけにはいかない。
そのように入居者に伝えると「悪徳不動産屋」だの「訴えてやる」だの「不動産屋は現代の非人」だの言われるわけなんですよ。で、それを持ち帰って大家に「訴訟になると厳しいですよ」と伝えると、「お前の話し方が悪い」だの「お前の給料はどこから出てるんだ?物件の管理料だろ?だったら大家の味方をしろ」*2とか叱責を受けるわけなんです。
テンションがあがらない仕事であること、お分かりいただけましたでしょうか?
現在の契約書はまともなんじゃないかなあ。
上記のように、原状回復でモメるのは不動産屋として全く美味しくない話なんです。できれば大家さんにガイドラインどおりに敷金を返還してもらいたいのが不動産屋の気持ちです。
ですから、契約書や重説をモメないように修正する動機がありますので、現状の契約書はまともなんじゃないかなあと思います。私が勤務している会社の契約書にはガイドラインの説明と入居者負担の修繕箇所とおおまかな修繕費用の提示をしていますが、平成16年当時はもっと雑な契約書でした。
特約は十分なご理解の上、受け入れてくれないかなあ。
ガイドラインが修正される以前は、クリーニング代や畳クロスふすま交換は入居者持ちというのが慣行でした。ただ、それは業界の慣行ということで、入居者の認識とギャップがありトラブルになることが多かったわけです。それを修正するためにガイドラインができて「原状回復基準について不明瞭な部分がある場合、これこれのように解決せよ」ということになったわけです。
逆に言えば「原状回復基準について不明瞭な部分がない場合、特約のとおりにせよ」ということでもあります。原状回復について入居者負担がある場合、家賃設定には原状回復費用を織り込んでいません。ですから、ガイドラインのような原状回復基準にするためには家賃を上げる必要があります。しかし、不景気の中家賃を上げるのは厳しい。そうしないのであれば「原状回復基準について不明瞭な部分がない契約書」を作成するしかありません。
そういうわけで、ガイドラインがありながらなお特約をつけてくる不動産屋が多いんですね。ある程度、同地域の他社の様子を伺いながら決めていくのでそれほど損になることは少ないと思うのですけれど、この辺はダイレクトに住居費トータルに響きますから、部屋探しの間に知りたい情報ではありますよね。
クロスは6年で1円が正解かな、たぶん。
先ほど述べたとおり、「原状回復基準について不明瞭な部分がある場合、これこれのように解決せよ」というのがガイドラインの主旨ですから、契約当時のガイドラインに従う必要はないというのが私の考えです。そうでないと、ガイドライン以前のトラブルについて解決できないですからね。
契約書はちゃんと読んでもらうようにしないとなあ。
まあ、この辺は事前に契約書のドラフトを渡さない不動産屋に原因があるとは思いますが。大手法人契約なんかですと、契約前に「ひな形を総務部で審査します」なんてこともあるんですけどね。
良い対応をした不動産屋がいたらリピーターになって欲しいなあ。
同じ不動産営業に賃貸住宅を2回以上仲介してもらった人って少ないと思うんですね。もし、転居する時にリピーターになってくれるなら退去時のトラブル解決にも気合が入ると思うんですよね。
普通は、大家は常連客だけど入居者は一見さんですからね。
こんな記事を書くとまた悪徳不動産屋って叩かれるかなあ。
慣れっこですけどね。
2012-01-11
■[WEB作成]MyScriptsというiPhoneアプリが面白そうだったので、早速不動産屋向けスクリプトを書いてみた。
タイトルどおりでございます。
種を明かすと、MyScriptsはプログラミング環境です。あーあ、言っちゃった。
でも、怖がらないでください。プログラミングに興味のない人にも、ぜひ関心を持ってもらいたいのです。
[iOS]神ツールを作るための神アプリ、MyScriptsがかなり便利 | ひとりぶろぐ
ひとことで言うとJavaScript実行環境アプリなんですね。なかなか面白い。
早速コードを書いてみたものの、非同期コールバックの実行ができないようでした。それって、不動産屋向けのコードを書くには致命的な欠陥です。だって、位置情報を取得できないってことですから。
で、まあ仕方ないので、外部に測位用のコードを書いてSafariで位置情報を取得するようにフックするモジュールを作って……、といろいろやってみました。その結果こんな感じです。インストールの仕方などは、上記の記事を参照してください。
1つ目のスクリプトは、GPSなどから位置情報を取得し現在地の路線価図を表示するものです。不動産屋向けに作りましたが、一般の人でも「ここの土地っていくらなんだろう」と思った時に便利です*1。路線価図は例によって↓こちらを開くようになってます。
2つ目は、位置情報を取得するためのモジュールです。land_valueを使う時には必須となりますので一緒にインストールしてください。
誰か他に位置情報欲しい人もいるかなー、と思ったのでモジュール化してみました。IMPORTした後に、lochook関数を呼び出してください。こんな感じで。
- lochook(title, successCallBack, errorCallback)
- title (string) 実行するスクリプト名
- successCallBack (object) コールバック
- errorCallback (object) エラー時のコールバック
*1:ネタです
