山本 俊輔,佐藤 洋笑 共著・集英社新書
「傷だらけの天使」本放送は74-75年の22時。私は9-10歳の頃ですので、当時の子供が起きていていい時間ではありませんでした。その後16時台に再放送を何度もしており、そこで知ったクチです。他のドラマと違ってアウトローな感じ、しかもいつも失敗して煮え湯を飲まされる修と亨は、綾部探偵事務所で探偵の下請けみたいなことをしている。
代々木の山手線沿線にあった代々木会館(通称:エンジェルビル)はドラマでは最終回、解体される話でしたが、ロケ地の代々木会館は2019年8月から解体が始まり、2020年1月に完全解体されました。
私も何度も前を通っていたけど全然気づかなくて、解体されるのを知ってから慌てて写真を撮りに行きました。新海誠監督作品「天気の子」でも冒頭とクライマックスに出てきます。
最終回、亨は風邪をこじらせて肺炎になり死んでしまい、修はドラム缶風呂に入れ身体にヌード写真を一杯貼り付け、そのドラム缶をリヤカーに乗せて”夢の島”に捨てる修。ある意味トラウマなのですが、再放送される度に観てしまう名作。本書では全話あらすじ解説もあり「傷だらけの天使」入門には最適です。
「傷だらけの天使」が終わって始まったのは「テレビ三面記事 ウィークエンダー」というゴシップ事件を泉ピン子や桂朝丸(現:ざこば)がフィリップを使って説明する番組。途中、事件の”再現フィルム”のコーナーがあって、低予算のピンク映画のようなドラマ。親が観てたので一緒に観てましたねぇ。大体再現フィルムが始まる前に「もう寝ろ」とか言われたけど、寝たふりしてみてました(笑)。
恐らくかなり早い時期にしかも繰り返し再放送をされていて、初めて観たのは小5とか小6の頃。その頃も面白いと思って観ていましたが、50年経っても色褪せない名作です。
あの頃は意識していなかったけど、映画が斜陽産業になってにっちもさっちもいかなくなり、電気紙芝居と行って一段下に観ていたTV映画の監督をするようになった初期の作品。深作欣二、恩地日出夫、神代辰巳に工藤栄一。脚本も市川森一がメインライターで、鎌田敏夫も1話書いてます。
この頃のドラマは16mmで多く撮られています。これが功を奏し、いまだに観ることが出来ます。お金持ちだったNHKはビデオ撮影が始まっており、上書きして繰り返し使うことが最大のメリットだったビデオ撮影のドラマは今見られるものはほんの一部。目先の利益、利便性をもとめ、先読みができない組織は崩壊します。もっとも民放のドラマでフィルム取りが多かったのは単にビデオよりフィルムの方が安かったから。
今はほとんどがDVD/blu-ray、配信などの2次利用を考えてちゃんと保管されています。
blu-rayBOXそろそろ買おうか悩み中。
ドラマの続きの小説。老いた修が出てくる。