産労総合研究所が発行している判例集。略称は『労判』。 1967年創刊で、月二回刊行。 主として労働事件を収載。公的判例集たる『労働関係民事裁判例集』(略称:労民集)は平成9年を最後に編纂が止まっているため、判例の出典として良く用いられている。
『労働判例』(2023年12月1日号/No.1295)にプレカリアートユニオンほか事件の判例解説(要請書送付、街宣活動に対する損害賠償請求が棄却されたプレカリアートユニオン勝訴の判例)が、掲載されました。 この判例については、旬報法律事務所の鈴木悠太弁護士が、Blog「弁護士が教える分かりやすい労働法!」で解説しています。 suzukiyuta.jp
『労働判例』2023年1月1・15日号/1275号にテイケイ事件(東京都労委4.6.21命令)のダイジェストが掲載されました。 警備会社のテイケイ(株)による、プレカリアートユニオン役員、組合員、組合員の自宅などへの誹謗中傷文書送付、団体交渉拒否などの不当労働行為について、東京都労働委員会が救済命令を交付しています。 www.toroui.metro.tokyo.lg.jp 【労働相談は】誰でも1人から加入できる労働組合プレカリアートユニオン〒160-0004東京都新宿区四谷4-28-14パレ・ウルー5Fユニオン運動センター内TEL03-6273-0699 FAX03-4335-0971メール…
確かめよう労働条件! 働いている方と会社向けのコンテンツがアップされています。労働に係るルールやQ&A、相談機関の案内や裁判例など労働条件に関するコンテンツがまとめられている。 ◆確かめよう、労働条件!(厚生労働省HP)【別ウィンドウが開きます】https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/ #労働条件,#労働相談,#労働判例,#厚生労働省,https://sr-smaht.com/news-topics/
テイケイ退職強要事件(原告の組合員勝訴)の判例解説が『労働判例』(2022年10月1日号)に掲載されました。 大手警備会社のテイケイ(株)を相手取った退職強要問題の裁判で、今年3月25日、東京地方裁判所で、警備員として働いていた組合員、有賀政敏さんの完全勝利判決が出されました。5時間にわたりホテルに呼び出され退職届を書かされてしまいましたが、雇用関係にあることを前提に判決確定の日までの賃金支払いを命じる画期的な判決です。 www.youtube.com precariatunion.hateblo.jp 【労働相談は】誰でも1人から加入できる労働組合プレカリアートユニオン〒160-0004東京…
拠出金等返還請求訴訟事件(プレカリアートユニオン勝訴)が『労働判例』(2022年9月15日号)に掲載されました。 個人加盟のユニオンが、組合員のために使用者と交渉し、解決にあたって拠出金を受領することは非弁行為にはあたらない、などと判断した判決です。 プレカリアートユニオンのウェブサイトでも説明しています。https://www.precariat-union.or.jp/ 判決文です。https://www.precariat-union.or.jp/file/top_news_03.pdf 【労働相談は】誰でも1人から加入できる労働組合プレカリアートユニオン〒160-0004東京都新宿区四…
ここでは、社会保険労務士試験の選択式対策について、私の見解を書こうと思います。 社労士の試験は選択式と択一式があり、それぞれの全科目に最低基準点が設けられています。 選択式は大問1つに5個の空欄があり、3問正解が最低基準点となります。 択一式は大問1つに10問あり、4問正解が最低基準点となります。 択一式の4点は、ほとんどの方はクリアできると思います。 選択式の3点もほとんどの大問でクリアできますが、毎年、大問の1~2は難問で構成されるので、ここが解けずに不合格になることが多いのではないでしょうか。 令和2年度は統計調査の名称が五問全問を占める奇問が出題され 令和3年度は労働一般常識がかなりの…
本当にふと思ったことを書くだけで、決して受験生の皆様を恐怖のどん底に落とすつもりはありません。先に言っておきますが、ここから話すことは可能性は限りなく低いです。 昨年の選択労働一般常識の出題法を見ていて、知らない人がいるかもしれないので少し解説しますが、全問が「統計の名称」を選択するという恐怖の問題でした。つまりこれこれこういう統計の名前は何ぞや、が5問全問出るという、しかも4択にならず20択のまま出てしまう。例年なら出ても数問レベルで終わってたのが全問で出たわけです。 受験生の中には泡吹いた人もいるでしょう。「統計は数字だけではなくそういう問われ方もする」と意識できていた人にとってはボーナス…
コロナ禍の影響もあるのか、雇い止めに関する判例が多く聞こえてきます。 今回ご紹介する「高知県公立大学事件」も5年を超えたところから申し出ることができる、いわゆる”無期雇用”とプロジェクトの期間が問題になった事例です。
ゴールデンウイーク突入ですね。皆が遊んでいるときに、いかに勉強できるかが、合格への分かれ道だと思っています ストレス発散のため、少しぐらいなら学習休憩しても良いかなと思うと、勉強継続のペースが乱れてあとで苦労したことがあります すべてを忘れ、気持ちを切り替えて戦略的休憩ができる人はすごいなと思います 私の場合は、休んでいるようで、頭から試験のことが気になったままで、休むのも中途半端だったのも敗因でした GW前半の学習計画 カレンダー通りに休める場合 ❶時間配分 4月27日:仕事疲れもあるので、通常の土曜日と同じ程度の勉強量 4月28日:2日目は、ちょっと無理して学習時間をのばす(8時間) 4月…
はじめに 前回,最高裁の「開廷期日情報」に掲載されている事件について定期的に調査しようというスレを立てました。 keisaisaita.hatenablog.jp 約1ヶ月が経過して「開廷期日情報」にも変化がありましたので,2スレ目を立てました。 なお,以下の点を少し変えました。 ・弁論期日か判決期日を明示した。 ・新着のものには(NEW!)を付した。 ・事案の概要は消えてしまうので,事案の概要の要約を付した。 R6.4.25 令和6年4月26日 判決 午後3時00分 令和5年(受) 第604号 損害賠償等 事案の概要参照。 技術職として就労させるとの職種限定合意があったところ,技術職以外への…
ジュリスト 2024年 04 月号 [雑誌] 有斐閣 Amazon 例によって目を通した範囲で、呟いたことを基に感想をメモ。
1.自殺の予見可能性 不法行為であれ債務不履行であれ、損害賠償を請求するためには、故意や過失、因果関係といった要素が必要になります。 ここでいう「過失」とは結果予見義務を前提としたうえでの結果回避義務違反をいいます。また、相当因果関係とは、当該行為から当該結果が生じることが社会通念上相当だといえる関係にあることをいいます。社会通念上の相当性の有無を判断するにあたっては、当該行為から当該結果が生じることを予見できたのかどうかが問われることになります。 このように、予見可能性は、損害賠償責任の有無を判断するにあたり、重要な意味を持っています。 それでは、被害者が自殺してしまった場合、その責任を加害…
1.専門職大学院の実務家教員の整理解雇と解雇回避努力 専門職大学院で行われている教育内容は、学部教育の延長線上にあることも少なくありません。例えば、法科大学院での教育内容は、法学部での教育内容をより高度に発展させた形になっています。 そうであるとするならば、実務家教員を整理解雇するにあたっては、解雇回避努力として、学部での受け入れの可否が模索されるべきだとはいえないのでしょうか? 昨日ご紹介した、福岡地判令6.1.19労働判例ジャーナル145-1 学校法人西南学院事件は、この問題を考えるうえでも参考になる判断を示しています。 2.学校法人西南学院事件 本件で被告になったのは、西南学院大学を設置…
1.専門職大学院の実務家教員 学校教育法99条は、次のとおり規定しています。 「第九十九条 大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。 ② 大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするものは、専門職大学院とする。 ③ 専門職大学院は、文部科学大臣の定めるところにより、その高度の専門性が求められる職業に就いている者、当該職業に関連する事業を行う者その他の関係者の協力を得て、教育課…
今週の新着雑誌です。 新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。 労政時報 4075号 2024.4.12 (201459153) 賃金事情 No2890 2024.4.20 (201459120) 労務事情 No1490 2024.4.15 (201459096) 賃金と社会保障 1847号 2024.4.10 (201459187) 詳細な目次はこちら
1.配転命令と損害賠償 違法な配転命令に対しては、 「〇〇(配転先)において勤務する労働契約上の義務を負わないことを確認する」 といったように義務不存在の確認を求めることのほか、 損害賠償(慰謝料)を請求すること が考えられます。 損害賠償請求の可否は、必ずしも最二小判昭61.7.14労働判例477-6 東亜ペイント事件の判断枠組みに従って違法性を判断しているわけではなく、比較的柔軟に請求が認められることがあります(第二東京弁護士会 労働問題検討委員会『労働事件ハンドブック』〔労働開発研究会、2023年改訂版、令5〕250頁参照)。 この損害賠償請求との関係で、近時公刊された判例集に興味深い裁…
1.職場におけるパワーハラスメント 職場におけるパワーハラスメントとは、 職場において行われる ① 優越的な関係を背景とした言動であって、 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、 ③ 労働者の就業環境が害されるものであり、 ①から③までの要素を全て満たすものをいう とされています(令和2年厚生労働省告示第5号「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」参照)。 パワーハラスメントには、 イ.身体的な攻撃、 ロ.精神的な攻撃、 ハ.人間関係からの切り離し、 ニ.過大な要求 ホ.過小な要求 へ.個の侵害 といった類型があ…
1.求人票の記載、雇用契約書の記載 求人票の記載と、使用者から示された雇用契約書の労働条件が異なっていることがあります。 こうした場合、雇用契約書にサインしてしまった労働者は、求人票に書かれていた労働条件を主張することができるのでしょうか? この問題に関しては、基本的にはできないものと理解されています。なぜなら、求人や募集は、労働契約の申込みそのものではなく、申込みの誘因にすぎないと理解されているからです。佐々木宗啓ほか編著『労働関係訴訟の実務Ⅰ』〔青林書院、改訂版、令3〕30頁にも 「求人ないし募集は申込みの誘因にすぎず、契約申込みではないから、労働契約締結の際に示された賃金額が、求人ないし…
1.雇止めの二段階審査 労働契約法19条2号は、 「当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められる」 場合(いわゆる「合理的期待」が認められる場合)、 有期労働契約の更新拒絶を行うためには、客観的合理的理由、社会通念上の相当性が必要になると規定しています。 合理的期待がない場合、有期労働契約は、期間の満了によって終了するのが原則です。使用者がどのような理由で契約を更新しなかったのかは問題になりません。つまり、雇止め法理は、 合理的期待が認められて初めて(第一段階審査がクリアされて初めて)、 更…
今週の新着雑誌です。 新着雑誌のうち最新のものは貸出できません。閲覧のみです。 月刊人事マネジメント 2024.4.5 (201458866) 労働法学研究会報 No2810 2024.4.1 (201458833) 労働経済判例速報 2536号 2024.2.10 (201459112) 労働経済判例速報 2538号 2024.2.29 (201459088) 労働基準広報 No2164 2024.4.1 (201458924) 労働基準広報 No2165 2024.4.11 (201458981) 賃金と社会保障 1845号 2024.3.10 (201459013) 賃金と社会保障 18…
1.「仕事をやらなくていい」「仕事を引き継いでくれ」 使用者から労働契約の終了が告げられる時、はっきりと「解雇する」とは言われないことがあります。このブログでも以前取り上げましたが、「明日から来なくてもいい」といったような言動がその典型です。 「明日から来なくていい」の法的な意味-曖昧な言葉を事後的に都合よく解釈する手法への警鐘 - 弁護士 師子角允彬のブログ 「明日から来なくていい」の法的な意味-続報 - 弁護士 師子角允彬のブログ 話の脈絡や事後の事実経過にもよるものの、こうした言動が裁判所で解雇の意思表示に該当すると認定されることは十分に考えられます。 しかし、近時公刊された判例集に、「…
1.解雇撤回をめぐる攻防 使用者から解雇された労働者が、解雇の無効を主張して地位確認を求めると、使用者の側から解雇を撤回するから、働くようにと指示されることがあります。 このような局面で、 解雇が撤回されるまでの間の賃金が支払われない限り働くことはできない、 ということに加え、 働かないのは賃金を支払わない使用者の責任であるから、未払賃金全額が支払われるまでの間は、働かなくても賃金は発生し続ける、 と主張することはできないのでしょうか。 この問題を考えるにあたり参考になる裁判例が、近時公刊された判例集に掲載されていました。東京地判令5.7.19労働判例ジャーナル144-44 未払賃金等支払事件…
1.人材紹介会社(職業紹介事業者)が流す不正確な求人情報 人材紹介会社(職業紹介事業者)が出している求人情報を見て応募したところ、それとは異なる労働条件を使用者から提案されたとして、トラブルになる例は少なくありません。 ただ、法も、こうした不正確な求人情報を野放しにしているわけではありません。 職業紹介法5条の3は、次のとおり規定しています。 第五条の三 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者は、それぞれ、職業紹介、労働者の募集又は労働者供給に当たり、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者に対し、その…