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2017-01-20 オリンピック憲章の精神を「一顧の価値もない」と切り捨てる韓国

[]オリンピック憲章の精神を「一顧の価値もない」と切り捨てる韓国〜いっそ、平昌冬季五輪、東京五輪、相互不参加を提案したい 15:50



 オリンピック憲章は、国際オリンピック委員会(IOC)によって採択されたオリンピズムの根本原則、規則、付属細則を成文化したものであります。

 すなわち、オリンピック憲章はオリンピック・ムーブメントの組織、活動、運用の基準であり、かつオリンピック競技大会の開催の条件を定めるものであります。

 最新のオリンピック憲章はオリンピック委員会によって、ネットでPDFファイルで公開されています。

Olympic Charter In force as from 2 August 2015

f:id:kibashiri:20170120145654p:image

http://www.joc.or.jp/olympism/charter/pdf/olympiccharter2015.pdf

 その憲章の尊い精神のひとつは、有名な「第五十条 広告、デモンストレーション、プロパガンダ」の禁止に明文化されています。

50 Advertising, demonstrations, propaganda*

2. No kind of demonstration or political, religious or racial propaganda is permitted in any Olympic sites, venues or other areas.

50 広告、デモンストレーション、プロパガンダ*

2. オリンピック区域、競技会場、またはその他の区域では、いかなる種類のデモンストレーションも、あるいは政治的、宗教的、人種的プロパガンダも許可されない。

 すなわち、オリンピックに関わる場所では、「いかなる種類のデモンストレーションも、あるいは政治的、宗教的、人種的プロパガンダも許可されない」と明文化されているわけです。

 いかなる「政治的プロパガンダもいっさいオリンピックには持ち込んではならない」という単純明快な禁止事項であります。

 過去愚かにもこの憲章の精神に触れてしまった行為がいくつかありました。

 2012年のロンドン夏季五輪において、韓国選手がサッカー男子3位決定戦で日本に勝った後、竹島の領有を主張するメッセージを掲げ場内でデモンストレーションをしたことも、そのひとつでした。

 これに対し国際オリンピック委員会(IOC)は、同選手のみならず韓国オリンピック委員会に対しても「オリンピックを政治的プロパガンダに利用するな」と強い警告を与えました。

 このIOCの判断に韓国は国を挙げて大騒ぎしていました、当時の当ブログのエントリーを参考までにご紹介。

(参考エントリー)

2012-08-14 IOC審査に国を挙げて火病る韓国

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20120814

 さて、平昌五輪HPにおいて、韓国が派手に「独島」を「宣伝」しています。

f:id:kibashiri:20170120134729p:image

https://www.pyeongchang2018.com/horizon/eng/culture/korea_view.asp?hb_Mode=readArticle&hb_BoardItem_ID=61181&hb_BoardManager_ID=BDENAA17&hb_PageNum=1&sb_SearchItem=&tb_SearchWord=&hb_category=

 さらに、マップでは日本海を「東海」と表記しています。

f:id:kibashiri:20170120135553p:image

https://www.pyeongchang2018.com/horizon/eng/Olympic_Games/Alpensia_Biathlon_Centre.asp?pgdiv=A#Alpensia_Biathlon_Centre

 HP内の「韓国の観光名所」のページで竹島を取り上げ、「独島は韓国人にとって特別な場所」であると「宣伝」、さらに「韓国最東端の領土」などと「東海」とともに政治的主張を高らかに記述しているのであります。

 当然ながら、日本外務省は韓国外交省に「竹島は国際法上も歴史的にもわが国固有の領土だ」との立場を改めて伝達いたします。

 岸田文雄外相は20日午前の記者会見で、「スポーツの政治利用に反対し、相互理解を求める五輪憲章の精神にも反している」と批判します。

 また、HPでは、日本海の韓国呼称「EAST SEA(東海)」と記載しており、「竹島の領有権、あるいは日本海の呼称に関するわが国の立場に照らして受け入れられない」とも述べます。

 「オリンピックに関わる場所では、いかなる政治的主張、政治的宣伝も持ち込んではいけない」とするオリンピック憲章の精神からすれば、日本政府の抗議は正論であり当然の主張であります。

(参考記事)

読売新聞

平昌五輪HP、竹島を「独島」…政府が懸念伝達

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170120-OYT1T50008.html

産経新聞

岸田文雄外相、平昌HPを批判 竹島領有権主張に「スポーツの政治利用」

http://www.sankei.com/politics/news/170120/plt1701200015-n1.html

 さて、このような日本政府の当然の抗議に対して、平昌冬季五輪組織委員会の李熙範(イ・ヒボム)委員長は、「対応する価値もない」と切り捨てました。

 「独島は韓国の領土だ。(日本の)そうした主張は一顧の価値もなく、対応する考えもない」と日本のクレームを切って捨てています。

(参考記事)

韓国聯合ニュース

平昌五輪組織委 HP独島記載への日本反発に「対応価値なし」

http://www.wowkorea.jp/news/korea/2017/0120/10182165.html

 ・・・

 ふう。

 例えばです。

 ありえないことですが、

 2012年ロンドン五輪において、HPにてロンドン五輪組織委員会が、堂々と、

「フォークランドは我が最南端の領土」と全面に主張していたとしたらどうでしょうか?

 あるいは、2020年東京五輪において、HPにて東京五輪組織委員会が、堂々と、

「北方領土は我が最北東端の領土」と主張していたら?

 ありえない仮定の話ですがまずそれぞれの国内から大ブーイングの嵐が巻き起こるでしょうね。

 何をオリンピックを利用して国際的な大恥さらしているんだ、と。

 普通の国では、政治的宣伝、ましてや国際的に揉めている領土紛争に絡めて自国の主張を展開するようなきなくさい宣伝に、オリンピックを利用するなどの子供じみたあからさまな政治的プロパガンダ活動は、国際的批判の前に、国民の良識・常識が許さないことでしょう。

 普通の国ならば・・・

 ・・・

 はあ。

 読者の皆さん。

 いっそ、平昌冬季五輪、東京五輪、相互不参加を提案したいのですが、過激すぎますでしょうか。

 なんか、もうあまりお隣の国とは関わりたくないなあと思ってしまうのは私だけでしょうか。

 ふう。



(木走まさみず) 

2017-01-14 潘基文・元「世界大統領」に光あれ!!

[]潘基文・元「世界大統領」に光あれ!!〜エコノミストに歴代最悪の事務総長と酷評された男が韓国外交に止めをさす 14:15


 今回は小ネタです。

 さて潘基文(パン・ギムン)元国連事務総長が凱旋帰国されました。

 潘氏と言えば、外交官出身で盧武鉉政権(2003〜08年)下で外相を、その後10年間は国連事務総長を務めた、韓国政界きっての外交・国際問題に精通している人物であります。

 国連事務総長就任時には「世界大統領」との称号が韓国国内では飛び交ったほどです。

 で、この元「世界大統領」氏、帰国時の機内で、慰安婦問題に関する日韓合意に基づく日本政府の10億円拠出についてソウルや釜山の日本公館前に設置された慰安婦像の撤去の条件なら「金を返すべきだ」と発言したのでございます。

(関連記事)

産経新聞

「10億円が像の撤去に関連するなら金を返すべき」 外交に精通しているはずの潘基文氏

http://www.sankei.com/world/news/170113/wor1701130041-n1.html

 次期大統領有力候補の中で最も穏健であるはずの、韓国政界きっての外交通元「世界大統領」潘基文氏をもって「日本に金を返せ」発言であります。

 これにて次期大統領候補の全員が日韓合意に反対、すなわち誰が次期大統領でも慰安婦合意見直しが決定されたというわけです。

(関連記事)

朝鮮日報

誰が次期大統領でも慰安婦合意見直し? 潘氏も再協議に含み

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/13/2017011302732.html

 しかしです、「世界大統領」潘基文氏をもって「日本に金を返せ」発言でありますが、外交・国際問題に精通しているはずの潘氏が、日本公館前に“抗議”として慰安婦像を置くことが、外国公館の安寧と尊厳を守るように定めたウィーン条約に違反していることを知らない、ということなのでしょうか?

 韓国政界きっての外交通元「世界大統領」をしてこの程度の認識しかないのか、何か釈然としないものがありますが、潘基文氏、その国連事務総長としての国際評価は最悪でした、英国の経済誌エコノミストをして「失敗した事務総長であり歴代最悪の事務総長の一人」と批判を受けたことを韓国国内でも報じられています。

(関連記事)

東亜日報

英誌エコノミスト、潘基文事務総長を酷評

http://japanese.donga.com/Home/3/all/27/534618/1

 エコノミストが5月21日号で載せた潘氏に対する“採点”は、

 「失敗した事務総長であり、歴代最悪の事務総長の一人」

 「(国連内の)行政能力でも(国連外の)統治能力でも失敗した事務総長とみられている」

 「話が下手で手続きに執着し、懸案への素早い対応能力や業務の深さも不十分だった」

 まさに散々な評価であります。

 別にエコノミストだけではありません。

 英紙ガーディアンは2010年7月に「透明人間 潘基文国連事務総長の活動への動揺広がる」という論評を掲載。09年12月にデンマークのコペンハーゲンで開かれた国連気候変動会議における合意形成の失敗などから「歴代事務総長の中で最低の部類に入る」と批判します。

 また12年にシリアで大虐殺が起きた際、米紙ニューヨーク・タイムズは、なんら特別な措置を取らなかったとして「潘基文は一体どこにいるのか」と題する記事を載せ、「事務総長も国連もシリア国内の大虐殺を止めることに関しては、まったく無力だった」と失望感を示しています。

 潘氏が事務総長に就任してまもなく問題となったのが、その露骨な「縁故主義」でありました。

 元国連大使の崔英鎮氏を駐コートジボワール特別代表に任命するなど有力ポストに韓国人を次々と起用、また、07年には女婿のインド人が国連イラク支援ミッション(UNAMI)の幹部に抜擢されたが、こうしたやり方に不満を持った国連職員組合が「親類縁者や友人を優先する人事政策批判文書」を採択する事態にまで発展します。

 潘氏就任後、国連の韓国人スタッフが25%も急増したのです。

 2009年6月、米国の外交専門誌「フォーリンポリシー」電子版は「どこにもいない男 潘基文はなぜ最も危険な韓国人か」というタイトルの記事の中で「オフィスの上にサムスン電子の薄型テレビを並べ、上級顧問に韓国人の仲間たちを選ぶなど、韓国経済の利益を図ったという点を除けば、彼の足跡はほとんど無視できるほどでしかない」と潘氏を批判します。

 また、記憶に新しいのが15年9月に中国・北京で開かれた抗日戦争勝利70年記念行事への出席です。

 日本政府は外交ルートなどを通じて事前に国連サイドへ懸念を伝えていましたが、安倍首相は潘氏の記念行事出席を受けて「事務総長は特定の過去に焦点を当てるのではなく、国際社会の融和と発展を推進する立場から未来志向の姿勢を加盟国に促すべきだ」「極めて残念だ」と批判しました。

 まったく、どこが外交通にして国際通なのか、ただの「縁故主義者」で中国べったりの日和見主義者であることは明らかであります。

 むしろこのような人物が、韓国政界きっての外交・国際問題に精通している人物と崇め立てられていて、帰国後すぐに有力な次期大統領候補になれてしまう事実の方が、戦慄を覚えてしまうのであります。

 ・・・

 国家として約束したことを反故にする、そのことの意味することを理解しているのでしょうか。

 そんな無責任なことをしたら、韓国の国際的信用は地の底を這いずるように落ちることでしょう。

 もちろん、韓国内にもパク・チョルヒ・ソウル大学国際大学院長のように、冷静に「慰安婦合意の再交渉主張」は「韓国の国際的信用落とす」と韓国国民に警鐘を鳴らす意見もあります。

(関連記事)

朝鮮日報

【寄稿】慰安婦合意の再交渉主張、韓国の国際的信用落とす

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/13/2017011300513.html

 記事より一部抜粋。

 韓国の市民団体は、日本の誠意のない謝罪に抗議する意味で釜山の日本総領事館前に少女像を設置したと言うが、在外公館の「安寧と威厳」を守るよう定めたウィーン条約に無視するこうした造形物の設置に国際社会は批判的だ。「世論が好意的なら国際条約も無視できる」という主張は、私たちの間でしか通用しない。政治家たちは、こうした感性に容易に便乗してしまう。万が一、日本と再交渉できることになったとしても、既存の合意よりも良い結果を得られなければ次の政権に重荷になるだろう。合意当時に生存していた46人の慰安婦被害者のうち、34人がすでに合意を受け入れたことも、再交渉論者たちには負担だ。

 うむ、「『世論が好意的なら国際条約も無視できる』という主張は、私たちの間でしか通用しない」とは、極めて冷静な正論なのでありますが、残念ながらパクチョルヒ教授のような冷静な意見は、韓国国内では極めて少数派のようです。

 ・・・

 ソウル大教授の指摘を待つまでもなく、在外公館の「安寧と威厳」を守るよう定めたウィーン条約に無視する、なおかつ公有地を無許可で占拠する、こうした造形物の設置を、国際社会は認めるはずはありません、

 それにもかかわらず、潘基文(パン・ギムン)元国連事務総長が凱旋帰国しその機中で「日本に金を返せ」発言、これにて韓国の次期大統領候補はすべて慰安婦合意の再交渉主張派が占めることになったわけです。

 元「世界大統領」からして韓国の国際的信用落とすことに躊躇がないのであります。

 これがかの国の民意なるものとすれば、何人もそれを止めることはできないでしょう。

 よろしいです。

 国をあげて外国との合意を反故してしまえばよろしい、そして国をあげてウイーン国際条約を無視すればよろしいです。

 そのほうが、本件で日本と韓国のどちらに非があるのか、国際的に評価していただくのにわかりやすくてよろしいです。

 読者のみなさん。

 そうは思いませんか。

 今回の潘基文氏の「日本に金返せ」発言は、いろいろな意味で整理がついてむしろよかったのでしょう。

 うむ、潘基文・元「世界大統領」に光あれ!!

 ふう。



(木走まさみず)

2017-01-10 「少女像」社説で日本政府批判する朝日新聞にその資格はあるのか

[]「少女像」社説で日本政府批判する朝日新聞にその資格はあるのか 16:53



 久しぶりに社説読み比べをいたしましょう。

 お題はもちろん、釜山総領事館前「少女像」であります。

【朝日社説】韓国との外交 性急な対抗より熟考を

http://www.asahi.com/articles/DA3S12736091.html?ref=editorial_backnumber

【読売社説】少女像釜山設置 日韓合意を損なう不法行為だ

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170105-OYT1T50182.html

【毎日社説】釜山の少女像 合意の崩壊を危惧する

http://mainichi.jp/articles/20170107/ddm/005/070/019000c

【産経社説】釜山の慰安婦像 反日では墓穴掘るだけだ

http://www.sankei.com/column/news/170107/clm1701070002-n1.html

【日経社説】日韓の合意をほごにするな

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11321280V00C17A1EA1000/

 社説のような短い論説の主旨を素早く掴むのに使うテクニックのひとつに、結びの文章を抜き出して比較することがあげられます、それぞれ、誰に対して何を訴えているのか、一番つかみやすいのが結びの文であることが多いからです。

 短い論説の結びの文は落語でいえば「落ち」に当たります、読者に一番訴えたいことを最後にぶつけることが多いわけです。

 各紙の結びの文を見ていきましょう。

【日経社説】

 だが、朴氏の疑惑と政権の政策は別問題だ。朴氏の早期退陣は不可避だろうが、仮に政権交代後に慰安婦合意を含めた国際的な約束事がほごにされれば、韓国は国際社会での信認を失う。韓国政界にはこうした負の影響を十分に考慮に入れた慎重な言動を求めたい。

 日経は韓国に対して「負の影響を十分に考慮に入れた慎重な言動」を求めています。

【産経社説】

 核実験やミサイル発射など北朝鮮が暴挙を繰り返し、日米韓のより緊密な連携が必要な時期であることを忘れてはなるまい。

 バイデン米副大統領は6日の安倍晋三首相との電話協議で、日韓合意が「双方によって着実に履行されることを強く期待する」と述べた。安倍首相は「逆行することは建設的ではない」と応じた。

 大統領失脚で国内が混乱しているときだからこそ、真の敵を見失ってはならない。

 産経も韓国に対して「真の敵を見失ってはならない」と警鐘を鳴らしています。

【読売社説】

 日韓関係は、合意を契機に改善に向かいつつあった。新たな少女像の設置が、その動きに冷や水を浴びせた。日本国民の嫌韓感情が再び高まるのは避けられまい。

 日本との歴史問題を名分にすれば、国内法、国際法や他国との取り決めを順守しなくても許容される。そうした韓国の独善的な体質は、対外的なイメージを低下させるだけである。

 読売も韓国に対して「独善的な体質は、対外的なイメージを低下させるだけである」と批判しています。

 以上、日経・産経・読売の3紙に対して、毎日・朝日の社説の結びは少し明らかに趣(おもむき)が異なります。

【毎日社説】

 だが実際には、合意に基づいて設立された財団による元慰安婦らへの現金支給事業は順調に進んでいる。合意時点で生存していた元慰安婦の7割超が事業を受け入れた。韓国ではほとんど報じられていないが、当事者の意向はもっと重視されるべきだ。

 慰安婦問題は日韓ともに国民感情を刺激しやすい。両国は、嫌韓と反日という不毛な感情的対立を生まないよう冷静な対応に努めてほしい。

 毎日は、韓国だけではなく日本も含めて「両国は、嫌韓と反日という不毛な感情的対立を生まないよう冷静な対応に努めてほしい」と訴えています。

【朝日社説】

 日韓合意は、元慰安婦らの心の傷をいかに癒やせるかを双方が考え、知恵を出し合った結果であり、いまの両政府の関係を発展させる出発点でもある。

 この合意を侵食するような行動は双方が慎むべきだ。

 両政府は合意の精神を着実に実践し、両国民の理解を深めるよう心を砕いてもらいたい。

 朝日も、日韓両国に対して、「両政府は合意の精神を着実に実践し、両国民の理解を深めるよう心を砕いてもらいたい」と訴えています。

 ・・・

 各紙韓国による「少女像」の設置行為に対しては批判的ですが、その色合いはまちまちですね、興味深いです。

 社説の内容をもう少し細かく分析して、韓国に対して厳しい論調の順に並べると、

 読売>産経>日経>毎日>朝日 

 と、まあ大方の読者の予想通りとなるかと思います。

 で、結びの文の訴えだけで比較しますと、韓国批判のみの読売・産経・日経に対して、日韓両国に自制を促す毎日・朝日との色分けができるのであります。

 が、しかしです。

 実は毎日社説と朝日社説には海より深い相違点があるのは誰が読み解いても明らかなことであります。

 単純にカテゴライズさせていただければ、

 読売・産経・日経・毎日 >>>>>>>>>>>>>> 朝日

 と、こんな感じで、朝日社説だけが完全に浮きまくっているのであります。

 今回の件で、5紙の社説で、韓国以上に日本政府の対応を批判しているのは朝日新聞ただ一紙だけなのであります。

 日本政府の対抗措置を「冷静さを欠いている」と批判いたします。

 ここまで性急で広範な対抗措置に走るのは冷静さを欠いている。過剰な反発はむしろ関係悪化の悪循環を招くだろう。日本政府はもっと適切な外交措置を熟考すべきである。

 また日本政府の行動は、「少女像問題をきっかけに経済協議や人的交流も凍結するというのでは、自らの主張と行動が反対になる。今後の対韓交渉で説得力を失う」と痛罵いたします。

 日韓政府間ではこれまでも、歴史認識問題のために関係全体が滞る事態に陥った。

 だからこそ、歴史などの政治の問題と、経済や文化など他の分野の協力とは切り離して考えるべきだ――。そう訴えてきたのは、当の日本政府である。

 少女像問題をきっかけに経済協議や人的交流も凍結するというのでは、自らの主張と行動が反対になる。今後の対韓交渉で説得力を失うものだ。

 極めつけは次の一文です。

 ここまで日本政府を批判したうえで「日本政府と同様に、韓国政府側の責任は重い」とこうです。

 日本政府と同様に、韓国政府側の責任は重い。一昨年の日韓合意では、ソウルの日本大使館前にある少女像の扱いについて、韓国政府が「適切に解決されるよう努力する」ことが盛り込まれた。

 「日本政府と同様に、韓国政府側の責任は重い」

 韓国政府の責任は日本政府とおなじぐらい重いのだって、すごい表現です。

 なんだこの「不平等なほどの喧嘩両成敗」的平等主義は!!

 ふう。

 明らかに朝日社説は、韓国のみならず日本政府への批判にかなりの字数をさいていることが理解できます。

 というか、この局面で日本政府批判を展開している社説は主要紙の中で朝日新聞だけなのであります。

 ・・・

 今現在、釜山総領事館前「少女像」を見て当ブログが思うところは、一連の朝日新聞従軍慰安婦ねつ造報道がなければ、もしかしたらこの「少女像」はここに設置されていないだろうに、という虚しい虚脱感なのであります。

 「日本軍関係者がいたいけな少女を強制的に連行して慰安婦とした」という出鱈目な朝日新聞ねつ造記事さえなければ、日本領事館の前に「少女像」は設置されてはいなかった可能性を思うとき、この「少女像」設置の諸悪の根源は朝日新聞にあるとすら、思えてくるのであります。

 ここから朝日新聞の「大罪」を再度検証しておきます。

 1991年8月11日付け朝日新聞記事の書き出しです。

日中戦争や第二次大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」(尹貞玉・共同代表、十六団体約三十万人)が聞き取りを始めた。

 <「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」>、普通の日本語能力があれば、読者はこの書き出しは極めて事実報道記事としてあいまいなことに気づきます。

 いったい誰がこの気の毒な女性を連行し売春を強いたのか、肝心の主語がないのです。

 この主語がない書き出しが極めて意図的で重要なのであります。

 この問題の記事冒頭部分に関して、朝日新聞は3年前の12月、実に掲載より23年の長きを経て、「誤りとして、おわびして訂正します」と謝罪、過去記事データベース上も「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」との事実無根との「おことわりをつけます」としました。

 つまり、<『女子挺身(ていしん)隊』の名で戦場に連行され、>の部分は、朝日新聞自身が「誤りとして、おわびして訂正します」、「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」と、謝罪して訂正すべき事実無根の文章であったことを認めています。

 実際はこの女性はキーセンに40円で売られ養父に中国に連れていかれたことが12月6日の裁判の訴状でも明らかになっているのですが、その事実を隠し、本人が言ってもいない<『女子挺身(ていしん)隊』の名で戦場に連行され、>と付け加えていたことこそが、本記事が単なる「誤報」ではなく「捏造」記事であると批判されてきた所以です。

 で、このねつ造記事は朝日新聞のねつぞう第二弾だったわけですが、それはねつぞう第一弾記事のつじつまをあわせるためだったわけです。

 当ブログの過去エントリーより抜粋。

 本件に関わる捏造報道の始まりは、河野談話が発表される11年前の82年9月2日、朝日新聞は「朝鮮の女性 私も連行」と題する「スクープ」記事を大きく掲載します。

(前略)

  その証言が始まると、大阪の500人の聴衆はしんとして聞き入ったという。

 「当時、われわれは『狩り出し』という言葉を使っていた・・・泣き叫ぶというような生やさしいものではない。船に積み込まれる時には、全員がうつろな目をして廃人のようになっていた・・・」

 これは、昭和18年夏、わずか一週間で朝鮮・済州島の若い女性200人を狩り出した吉田清治氏の懺悔だ。吉田氏は女工から海女まで手当たり次第に拉致し、慰安婦に仕上げたという。

(後略)

 これ以後、吉田氏は朝日紙面に何度も登場し、従軍慰安婦の悲惨さを語り尽くします。

 しかしこの吉田証言は完全な作り話でした。証言が本になってすぐに現地の『済州新報』が取材していますが、一つも事実が見つかりませんでした。また韓国の郷土史家は何年も調査し、拉致の事実はなかったと断定、吉田の本を『日本人の悪徳ぶりを示す軽薄な商魂の産物』とこき下ろします。

 つまり、吉田氏は本を売って儲けるため、嘘八百を並べ立てたということです、最後には吉田氏自身が「証言は捏造だった」と認め、朝日新聞も《氏の著述を裏付ける証拠は出ておらず、真偽は確認できない》(97年3月31日付)と、「証拠は出ておらず、真偽は確認できない」ことは認めます。

 しかしこの証言は独り歩きし、その後「日本軍が韓国人女性を性奴隷にした」ことが国際的に広まってしまうきっかけを作りました、吉田氏を祭り上げた朝日新聞の罪は極めて重いといっていいでしょう。

 朝日の大スクープ第二段は、91年8月11日付の《元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く》という記事で、元従軍慰安婦が初めて名乗りを上げたことを報じたものです。

 この記事は『女子挺身隊の名で連行され』と書いてありますが、実はこれは大捏造であり、名乗りを上げた金学順さんは女子挺身隊で連行されたのではなく、母親に40円でキーセンに売られたと明言していることが今ではわかっています。

 問題は、記事を書いた朝日記者の韓国人妻の母が、太平洋戦争遺族会の常任理事だったことです。

 この団体が金学順さんに日本政府相手に裁判を起こすよう勧めるんです。キーセン出身を隠し、しかも身内を利する記事を書いたわけで、悪意に満ちた意図的な捏造報道であります。

 この第二段捏造記事は朝日の狙い通り、国の内外で大反響を起こします、この記事が一つのきっかけになって1991年12月の政府による従軍慰安婦問題調査開始に繋がっているのです。

 さて朝日捏造記事により日本政府は従軍慰安婦問題調査開始にまで追い込まれていったわけですが、ここで朝日新聞は第三弾の記事を1面トップで報道します。

 政府が調査を開始した翌月、すなわち1992年1月11日付の1面トップで《慰安所 軍関与の通達・日誌 募集含め監督・統制》という記事を掲げます。

 この陸軍資料は『慰安婦募集に際して業者が悪どい手口を使うので取り締まれ』という内容なだけなのに、それをあたかも『軍の関与』とさも悪いことのように報じます。

 この記事は当時の宮沢喜一政権にとって最悪のタイミングとなります、宮沢首相が訪韓する5日前で、それまで国の介入を否定していた日本政府に、決定的な「圧力」を加える意図を感じます。

 この記事も大反響を起こし、記事を受け、当時の加藤紘一官房長官は事実調査の前に「お詫びと反省」の談話を発表してしまうのです。

 そしてあわれ宮沢首相は、空港に押し寄せた大デモ隊の罵倒する声に迎えられ、韓国で宮沢首相はなんと8回も謝罪するハメになるのです。

 このような朝日新聞の悪意ある報道により、日本政府はどんどん追い詰められていったわけです。

 そして、93年8月4日、「河野談話」が表明されます。

 検証したとおり、「従軍慰安婦問題」及びこの「河野談話」の真の生みの親は、一連の朝日新聞捏造報道であるといって過言ではないでしょう。

 ・・・

 82年9月2日から何度も朝日が取り上げた「日本軍関係者としてたくさんの朝鮮人を従軍慰安婦として強制連行した」という吉田清治捏造発言ですが、捏造とはばれていなかった当時から、大きな問題がありました。

 それはこれだけの規模の「犯罪」が朝鮮各地で行われていたとしたら、なぜ被害者である元慰安婦が誰一人名乗り上げてこないのだろう、という当然の疑問でした。

 山口県労務報国会・下関支部動員部長だったという吉田 清治は、1943(昭和18)年5月、西部軍司令部(福岡)から交付された「 皇軍慰問・朝鮮人女子挺身隊200名、年齢18歳以上30歳未満・・・」 などとする動員命令にもとづき、朝鮮の済 州 島 で「慰安婦狩り」 を実行に移したのだと発言していました。

 ここに「皇軍慰問・朝鮮人女子挺身隊」という言葉が使われていたのです。

 ここから、事実上広く「挺身隊」=「慰安婦」という、とんでもない出鱈目・誤用が始まっています。

 それはともかく、この吉田発言が虚言であるとは知らずキャンペーンをはった朝日にしてみれば、吉田発言で「加害者」の証言は得た、あと必要なのは「被害者」つまり元慰安婦の証言なのでした。

 そこで日本の一部の弁護士や朝日新聞記者などが必死で発言してくれる元慰安婦を探していたわけです。

 そのことは当該記者自身も認めています。

 そんな状況の中で 朝日の大スクープ第二段、91年8月11日付の《元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く》という記事で、元従軍慰安婦が初めて名乗りを上げたことを報じたのです。

 キーセンに40円で売られた女性を『女子挺身隊の名で連行され』と捏造したこの報道の背景には、時系列で分析すれば、朝日が描いていたシナリオにかなう「事実」報道を目指していたことが浮き彫りになりましょう。

 偽りの吉田証言に呼応するために養父にキーセンに売られててはいけない、吉田のような日本軍関係者に『女子挺身隊の名で連行され』ないといけないわけです、つまり朝日の過去記事のシナリオに即して事実を「捏造」したのではないのか、との当然の疑問が出てくるわけです。

 事実この報道の後で、『女子挺身隊』の「加害者」である吉田氏は「被害者」である金学順さんにわざわざ韓国に出向いて謝罪するという「セレモニー」が実現しています。

 ・・・

 ・・・

 貧しさゆえに親にキーセンに40円で売られた女性が、朝日ねつ造記事により、悲劇のヒロインに祭り上げられ「少女像」として領事館前に設置されているのであります。

 そして、ねつ造記事で結果として今日の「少女像」設置を導いた、当の朝日新聞が、性懲りもなく本件で日本政府を批判しているのであります。

 読者のみなさん。

 本件の張本人である朝日新聞が、いったいどの面下げて政府批判を展開しているのかと問いたいです。

 朝日新聞にその資格はあるのか?と。


(木走まさみず)

ひとことひとこと 2017/01/14 12:27 朝日新聞が最低限度の誠実さを持ち合わせていたのなら、誤報を認めた時に自主廃業していたでしょう。あれは、それほどに国民に迷惑をかけたFAKE記事だし、大きな国際問題となってしまった「慰安婦問題」を報道機関が自らクリエイトしてしまったのだから。

2017-01-09 馬鹿なユーチューバーについて

[]馬鹿なユーチューバーについて〜おそらく統計学で語るべき性質の話 16:16



 さて今回は小ネタです。

 また馬鹿なユーチューバーが逮捕されたようです。 

(関連記事)

チェーンソーで脅す 「動画の閲覧増加が楽しみ」

1月7日 14時20分

三重県にある大手物流会社の集配所でチェーンソーを使って従業員を脅したとして27歳の男が逮捕された事件で、男は、集配所での様子を撮影した動画などをインターネットのサイトに投稿していて、「動画の閲覧数を増やすのが楽しみだった」という趣旨の供述をしていることが警察への取材でわかりました。

三重県伊賀市のトラック運転手、長谷川和輝容疑者(27)は、先月、市内の大手物流会社の集配所で、従業員に「さっさと荷物だせ」などとどなったうえ、持ってきたチェーンソーのエンジンをかけるなどして脅したとして、暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕され、7日午前、津地方検察庁に送検されました。

警察によりますと、長谷川容疑者は、集配所での様子を撮影した動画を含めさまざまな動画をインターネットのサイトに投稿していて、調べに対し、「自分が投稿した動画の閲覧数を増やすのが楽しみだった」という趣旨の供述をしているということです。

警察は6日、長谷川容疑者の自宅を捜索して撮影に使ったと見られるスマートフォンなど10数点を押収したということで、データの解析を進めるなどして詳しいいきさつを調べています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170107/k10010831811000.html

 実に軽率な行為と言わざるを得ません、このようなバカ者には十分にお灸をすえる必要がありますね、27歳にもなって社会規範を守れないのでは実名報道もやむを得ないでしょう。

 さてユーチューブなどの動画サイトで馬鹿な軽犯罪行為をアップする輩(やから)が後を立たないわけですが、まあ、困ったものではあるのですが、テレビのワイドショーやネットの一部で本件に触れているのでありますが、議論が何かあさっての方向にいっているようで一言よろしいでしょうか。

 曰く、「ユーチューバーのモラルの低下」だとか「ネットユーザーのリテラシーがうんぬん」だとか、動画サイトのツールとしての属性としてあたかも「モラル低下」が起きやすいと、誤解されかねないトンチンカンな論説が見受けられますが、ちゃんと統計でも取って科学的に数値で裏付けた議論なんでしょうか、はなはだ疑問です。

 既存マスメディアおよびそこに生息する評論家などは、えてしてネットで犯罪行為が起こると、ネットのメディアとしての限界性とかネットユーザーのモラル崩壊とか、大上段に理屈をコネ回すわけですが、どうなんでしょうか。

 当ブログに言わせていただければ、ある一定の人数以上のユーザーが集まるツールがあれば、それがネット上であろうと、リアル社会にあろうと、一定の割合でバカ者も混ざるわけで、動画サイトという便利な自己発信ツールを得たネットユーザーの中にも、一定の割合で大馬鹿者が発生しているだけの話なわけです。

 ユーチューバーはなぜ犯罪を犯すのか?

 このような問いはあまり意味はありません。

 ブロガーの中になぜ、論理的でない馬鹿(なぜか少し照れます)が存在するのか?

 これと同じレベルの当たり前の愚問だからです。

 人間様の集団で、母集合が大きくなれば、そこに一定の割合でバカ者が含まれる、それだけのことだと思います。

 ましてやユーチューバーなど登録すれば誰でもなれるわけです。

 おそらく統計学で語るべき性質の話でしょう。

 ふう。 



(木走まさみず)

2017-01-05 クラクラと軽く目まいを覚える元旦の朝日新聞トンデモ社説の恐ろしさ

[]クラクラと軽く目まいを覚える元旦の朝日新聞トンデモ社説の恐ろしさ 05:47



 本年もよろしくお付き合いのほどをお願い申し上げます。

 さて、新年早々なのですが、ややこしい話題をひとつ取り上げておきたいのです。

 リベラルな人と議論していると、ときに話が全然噛み合わなくなることがあります。

 例えば『憲法九条』の問題です。

憲法九条

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 この戦争放棄の9条を念仏のように唱えていれば日本の平和は守られると、本気で信じているわけですよ、けっこう知能指数が良いだろうと思われる人がです、リベラル派の。

 憲法で「放棄」すれば戦争は起こらないとするならば、日本国憲法にそんな魔力があるのならば、「地震」だって「火事」だって「殺人」だってみんなまとめて憲法で放棄しちゃえばいいわけで、実際はそんな魔力は日本の憲法には全くないから、自衛隊が存在するわけです。

 日本が戦争を放棄すれば日本から戦争を仕出かすことはなくなりますが、戦争とは相手あっての争いなわけですから、日本が手を出さなくても相手から手を出してくることも十分有りうる話で、そんなものは交通事故と同じ理屈です。

 どんなに本人が安全運転していてももらい事故は防げない、だから安全運転している人の車にも安全装置は必須なわけですよ。

 重要なことは、日本が憲法で平和を希求していようといまいと、中国の軍拡は進んでいくし、北朝鮮の核開発は止まらないわけです、だから憲法9条があろうとなかろうと日本は最低限の防衛力を持たざるを得ない。

 悪いけど世界は日本国憲法中心には回っていないわけです。

 この当たり前の事実を一部のリベラルな人は認めない。

 憲法9条にまぶしいほどの「全能感」「万能感」を持っちゃっているんですね、それこそノーベル平和賞に値すると本気で思っている、一種の宗教観に近い、反論を認めないわけです。

 こういう考え方が偏っている人は、自分の考えに酔っていますから、考えが狭くなります。

 状況や現実を無視して、ある特定の原理・原則に固執する応用のきかない考え方や態度、これを教条主義と言いますが、まさに国際情勢を無視して「戦争放棄」という原則論をひとつの国家の安全保障政策に機械的に適用しようとドグマチズムに陥っているわけです。

 ひとつの国の憲法、もちろんその国にとっては最高法規なわけですが、それはあくまで国内のこと、国際紛争では一国の法律など、下品な表現をあえてお許しいただければ、まさにクソの役にも立たないわけです。

 憲法が無力であった笑えない例が昨年ロシアにクリミアを強奪されたウクライナです。

 ウクライナ憲法は、ソ連崩壊の後、1991年8月24日のウクライナ独立宣言に基づき、1991年12月1日の国民投票により定められた、ウクライナの基本法であります。

 ウクライナはその独立のときから、クリミアという厄介な地域を抱えていました。

 歴史的にも帝政ロシアの領土であったことのあるクリミア半島は、ウクライナ本土とは民族構成も言語も異なるという特殊な地域でありました。

 そこでウクライナ憲法は、わざわざひとつの章を丸々「クリミア自治共和国」のためにだけ用意して、クリミアの高い自治性を憲法で保障していたわけです。

第10章 クリミア自治共和国

第134条 クリミア自治共和国は、ウクライナを構成する不可分の領土であるのと同時に、ウクライナ憲法が定める範囲内で自治を行う。

ウクライナ憲法(和訳)

http://ukraine.is-mine.net/Ukraine.html

 このようにウクライナはその憲法で「クリミア自治共和国は、ウクライナを構成する不可分の領土である」と宣言していたわけです。

 で、昨年、クリミア議会は一方的に住民投票の結果を受けて独立宣言をします。

 もちろんウクライナ政府はクリミア議会の独立宣言を憲法違反と非難します。

 アメリカ合衆国ジョン・ケリー国務長官も、独立宣言はウクライナ憲法に違反すると非難します。

 日本の岸田文雄外務大臣も、ウクライナ領土の一体性確保やウクライナ憲法の規定を理由に、独立宣言の有効性に疑問があると国会で答弁します。

 で、国際外交舞台での反応はそれでおしまいです。

 ロシア外務省はクリミア独立宣言を合法的なものと認め、16日の住民投票の結果を尊重するとし、最終的にロシアにクリミアを併合いたします。

 冷酷なロシアの軍事力を背景にした前時代的領土強奪政策の前に、ウクライナ憲法はクソの役にも立たなかったわけです。

 ある国の憲法に何が書かれていようがそんなことは外国はしったこっちゃないわけです、当たり前のことです。

 ・・・

 さて、「護憲」「護憲」とうるさかったリベラルな人たちが最近口にするのが「立憲主義」なる四文字です。

「立憲主義」って何でしょう?

ひと言でいえば、権力の行使を憲法で縛る、コントロールすること、権力行使の主体は、国家ですから、つまり、立憲主義とは、国家権力を憲法で縛るシステムのことであります。

 で、日本国憲法は、「立憲主義」をとっていますと。

 ここまでの考え方はよろしいのです。

 よろしいのですが、一部リベラルな人たちがこの「立憲主義」なる四文字に、例によって「全能感」「万能感」を持たせちゃって、教条主義的にまたドグマチズムに陥っているのですから恐ろしいのです。

 なにが恐ろしいって、その論理が破たんしていることもさることながら、自分たちが愚かな教条主義に陥っていることにまったく気づいていないことです。

 教条主義者のリベラル派でも、いくらなんでも「立憲主義」を振り回して日本のあるいは世界の外交政策全般を語るなどのでたらめな愚論を振り回す輩(やから)はいないだろう?ですって?

 それが、あなたいるのです。

 ここに今年の1月1日元旦の朝日新聞の社説があります。

(社説)憲法70年の年明けに 「立憲」の理念をより深く

2017年1月1日05時00分

http://www.asahi.com/articles/DA3S12730163.html?ref=editorial_backnumber

 このクラクラと軽く目まいを覚えるほどの論説は、是非リンク先で原文を味わってくださいませ。

 当ブログとしてザックリとこのとんでも社説を解説すれば、社説は冒頭で問題提起します。

 世界は、日本は、どこへ向かうのか。トランプ氏の米国をはじめ、幾多の波乱が予感され、大いなる心もとなさとともに年が明けた。

 各国でポピュリズムが席巻していると憂います。

昨今、各国を席巻するポピュリズムは、人々をあおり、社会に分断や亀裂をもたらしている。民主主義における獅子身中の虫というべきか。

 で、社説の結びはこうです、「世界という巨大な船が今後も、水平を保って浮かび続けられるように」するためには、その答えは「立憲主義」にあると。

 憲法学者の長谷部恭男・早稲田大教授は「立憲主義の社会に生きる経験は、僥倖(ぎょうこう)である」と書いている。

 であればこそ、立憲主義の理念を、揺らぎのままに沈めてしまうようなことがあってはならない。

 世界という巨大な船が今後も、水平を保って浮かび続けられるように。

 ふう。

 いやはやなんともです。

 「立憲主義」が世界を救うですってか? 

 朝日新聞論説室はそろいもそろって頭が不自由なのですか? バカなのですか?

 日本国憲法にどこまで「万能感」「全能感」を持たせば気が済むのでしょう。

 いいですか?

 トランプ大統領を生んだ各国を席巻するポピュリズムですが、「民主主義における獅子身中の虫」だかなんだかわかりませんが、それに対抗するのに「立憲主義」など、クソの役にも立たないことだけは間違いないですから。

 そんなトンチンカンな論説、国際的に誰も主張してませんから。

 読者のみなさん。

 これが2017年元旦の天下の日本のリーディングクオリティペーパーを自認している朝日新聞の社説なのです。

 何が恐ろしいって、社説のトンチンカンな中身もさることながら、こんな社説を恥ずかしげもなく正月早々掲載しているその無神経さのほうです。

 そうは思いませんか、読者の皆さん。



(木走まさみず) 

ひとことひとこと 2017/01/05 06:10 あんたの言っていることの方がワケ分らん。頭を使って考えることも大事だヨ。朝日の言っていることをキミにも分かるように言えば、議会の多数派が少数者迫害を議決した時も立憲主義が守られれば、個人が守られる(それができなかったからナチス政権が好きにできた)、ということで何も万能と言っているわけではない。何が恐ろしいって、「この記事」のトンチンカンな中身もさることながら、こんな「記事」を恥ずかしげもなく正月早々掲載しているその無神経さのほうです。そうは思いませんか、読者の皆さん。

ひとことひとこと 2017/01/05 06:10 あんたの言っていることの方がワケ分らん。頭を使って考えることも大事だヨ。朝日の言っていることをキミにも分かるように言えば、議会の多数派が少数者迫害を議決した時も立憲主義が守られれば、個人が守られる(それができなかったからナチス政権が好きにできた)、ということで何も万能と言っているわけではない。何が恐ろしいって、「この記事」のトンチンカンな中身もさることながら、こんな「記事」を恥ずかしげもなく正月早々掲載しているその無神経さのほうです。そうは思いませんか、読者の皆さん。

yoshinoyoshino 2017/01/05 06:34 私はブログ主に同感だ、朝日の社説の方が論理がすごく脆弱でアバウトすぎて筋立てが悪すぎ。イギリスのEU脱退、トランプ大統領誕生それをポピュリズムとするならば、そこから独裁政治への警鐘まで、論理が飛びすぎ、我田引水、強引さが目立つ。「立憲主義」を持ち上げすぎている。ほんとリベラルな教条主義的論説にはうんざりする。

… 2017/01/05 14:15 なんかなぁ?一時の民衆の感情やら一回の選挙で、容易く個人の人権が侵されない立憲主義が大事で、立憲主義がポピュリズムから個人を守るって話でしょ。凄く普通で当たり前の事を書いていると思いますけど。

>教条主義者のリベラル派でも、いくらなんでも「立憲主義」を振り回して日本のあるいは世界の外交政策全般を語るなどのでたらめな愚論を振り回す輩(やから)はいないだろう?ですって?

朝日の元の文章のどこにも外交政策にあたる事は書いてないですよ?

>日本国憲法にどこまで「万能感」「全能感」を持たせば気が済むのでしょう。

唐突に日本憲法がでてきますけど一体これってこの社説のどこに対応した批判なんだかまるで分かりません。

朝日の社説の批判というより、朝日嫌いが高じて書いていない事までも非難している様にしか。
あなたもかなり偏っていて、朝日の書く事は何でも否定したい様に見えますね。
偏っている人は自分を偏っているとは認識できない物ですから注意した方がいいと思います。

えるもーどiえるもーどi 2017/01/05 15:50 クリミアて何年前の話をしてんねん。
あれは大統領を追放して政権に右翼がついたから出た騒動だ
そしてロシア側からみれば集団的自衛権じゃないか
木走氏は肯定してんだから批判するのはおかしい
現在、ウクライナは東部の自治拡大するべく憲法改正に入ったが止まっててロシアだけじゃなく怒られてるぞ

トラウデルトラウデル 2017/01/05 19:50 うーん、はっきり申しあげれば「誤読じゃね」なんですよね。
まず、該当の社説がいってるのは立憲主義で「戦争が防げる」とかシリア内戦の解決策に憲法9条を、っていうことじゃないんですよ。
 むしろ、ポピュリズムという民主政治の堕落形態(post-truthと言ってもいいかもしれませんが)の中で、例えばアメリカじゃトランプ当選後レイシズム的犯罪が増えたり、ブレグジットでも多くの専門家の警告が功を奏さなかったように、民主主義が過熱し極端化する、そういう傾向が世界的に見られるってのが社説の問題意識では?
 で、立憲主義ってもともと権力の抑制なんですが、それは当然多数者の専制を抑える為にも使われる。むしろ民主主義が過熱するときに立憲主義に戻るのってごく自然じゃないですか。
 自由民主主義ってのは民主主義と自由主義という相反する概念の均衡ですよね。自由主義って立憲主義と強く結びついてますよ。
 ここでウクライナ云々は牽強付会のそしりを免れません。

トラウデルトラウデル 2017/01/05 19:50 うーん、はっきり申しあげれば「誤読じゃね」なんですよね。
まず、該当の社説がいってるのは立憲主義で「戦争が防げる」とかシリア内戦の解決策に憲法9条を、っていうことじゃないんですよ。
 むしろ、ポピュリズムという民主政治の堕落形態(post-truthと言ってもいいかもしれませんが)の中で、例えばアメリカじゃトランプ当選後レイシズム的犯罪が増えたり、ブレグジットでも多くの専門家の警告が功を奏さなかったように、民主主義が過熱し極端化する、そういう傾向が世界的に見られるってのが社説の問題意識では?
 で、立憲主義ってもともと権力の抑制なんですが、それは当然多数者の専制を抑える為にも使われる。むしろ民主主義が過熱するときに立憲主義に戻るのってごく自然じゃないですか。
 自由民主主義ってのは民主主義と自由主義という相反する概念の均衡ですよね。自由主義って立憲主義と強く結びついてますよ。
 ここでウクライナ云々は牽強付会のそしりを免れません。

ななしのジョニーななしのジョニー 2017/01/05 20:12 んん?9条が話題になってるのだろか。そして世界平和の為に立憲主義が役立つとでも社説はいってるだろか。
 そうじゃなくて、人民戦線など右翼政党の勃興、度々にレイシズム的発言を繰り返したトランプ政権誕生、離脱賛成派の主張の(EU分担金など)多くが過ちだったがそれでもEU離脱を決めたイギリスなど、政治の均衡が崩れ極端の時代に入りつつあることを警告した文章ではないか?
 確かに世界的な問題だけど、それは国際紛争じゃなく国内の問題がいろいろな国で同時に噴出したことが問題意識ではないか?
 その場合、立憲主義といった際に問題になるのは9条でもないし戦争や抑止力の問題でもない。民族主義の勃興や政治的ロマン主義をけん制するための思想的な武器としての立憲主義(敢えて=自由主義とする)に訴えかけているのではないか。

 この場合立憲主義と言っても日本の憲法でもなく、リベラルな政治的熟慮を促す主義のことだ。

立件立件 2017/01/06 13:38 大日本帝国憲法下のこの国でも、立憲主義は貫かれていましたけどね。
むしろ、昭和帝が「立憲主義などクソくらえだ、朕は対米戦に反対であるぞ!」とやってくれていたら、どんなによかったことでしょう。