「船中八策」8つの柱、概要固まる 2012.2.13 14:00 産経新聞

「船中八策」8つの柱、概要固まる
2012.2.13 14:00 産経新聞


 大阪維新の会が、次期衆院選の公約として策定を進めている「維新版・船中八策」の骨子が13日、判明した。統治機構の再構築や行財政改革憲法改正などの8項目が柱。細目では、首相公選制の導入や、憲法改正の発議要件を衆参両院それぞれの3分の2から過半数に改めることを盛り込む方針だ。また、経済対策や社会保障制度改革の一環として、最低限の生活に必要な所得を全国民に保障する「ベーシック・インカム」(最低生活保障)の導入も検討しており、議論を呼びそうだ。
 船中八策の柱は、統治機構の再構築▽行財政改革▽教育改革▽公務員制度改革社会保障制度改革▽経済政策▽外交・安全保障▽憲法改正−の8つとなる見通し。維新代表の橋下徹大阪市長が目指す「国と地方の仕事の仕分け」「民間での資金流動を活発化させる税制」「一生使い切り型の社会保障」などを反映させる方向で、今後、所属地方議員や「維新政治塾」で議論し、細部を詰める。

負の所得税」制度とセットで検討も

 統治機構改革や憲法改正では、参院を現在の形から首長が兼務する代表機関に改めることも盛り込む方針。維新幹事長の松井一郎大阪府知事は13日、参院について「衆院カーボンコピー的な形はいかがなものか。首長が兼務すれば、国と地方の意思伝達がスピーディーに協議できる」とメリットを語った。
 ベーシック・インカムは、年金や雇用保険生活保護など複雑化したセーフティーネットを一元化する方策として検討。維新は、働けば働くほど収入が増える仕組みで、社会保障上の利点のほか、勤労意欲の向上や経済活性化などにもつながるとみている。
 維新では、ベーシック・インカムと併せ、最低生活水準に達しない低所得層に所得税を免除し、逆に給付金を支出する「負の所得税」制度とセットで盛り込むことも検討している。

 船中八策とかけるためなのか本当に8つに揃えてきたな。細目はまだ出ていないのだろうか。いくつも怪しい言葉が出ている。

 「最低生活基準に達しない低所得層に所得税を免除し、逆に給付金を支出する『負の所得税』制度とセットで盛り込むことも検討」とまた耳慣れないアイデアが出ているが、財源を計算したり支給要件と擦り合わせたりしているのだろうか?

 ここに詳細が書かれていないのは2.行財政改革、3.教育改革、4.公務員改革、6.経済政策、7.外交・安全保障、8.憲法改正。8は9条改正と考えれば7と同時に推し進められるテーマ。2と4も関連するか。公務員の社会保障をズタズタにしてスタンダードを切り下げる目的が見え見え。3教育改革は今大阪でやっていることを根本的にやるようなことか。6の経済政策は空っぽだがリニア敷くとかそういうレベル話だろうか。*2

 橋下は民主党マニフェストの失敗を指摘していたが、大風呂敷っぷり、抽象度では負けていない。実行に移されて効果があるかどうか100年くらい経たないと検証できないだろう。そもそもこんな大掛かりなことを進めたら行政が立ち行かなくなるんじゃないだろうか。コントロール不能に陥ってしまいそうに思える。こんな泥縄な計画を進めているうちに災害があったら恐ろしい被害が出るかもしれない。他国に付け込まれる混乱状態に陥る可能性も考えられる。これでは整合性が取れなくてまともな議論にもならないだろう。「ベーシック・インカム」「負の所得税」(意味不明)よく分からないマジックタームを餌にして「とにかくやらせてみればいい」「大改革が必要」と思わせて議席を取る戦略なのだろうか。「議席を取る」戦略すら怪しい。「ある程度情勢を揺らがしたところで次の手を打とうか」というのが実際なのでは?もしかするとゴールなんてないのかもしれない。「情勢を揺らがせ、その時その時で落としやすいところに落とし、首をつないでいけばいい」くらいの考えと戦略でやっているのかもなあ。



 このブログは参考になりそう。
維新の会「船中八策」に思うこと和歌山県橋本市議会議員 松本健氏のブログより)

*1:自治体の首長が直接国政に関わる機関を設けるということか。何だかすごく画期的ないいもののように聞こえる。

*2:TPP参加という意味か。ということは6と7もかぶっているかもしれない。TPP云々で言えば反応を見て撤回しそうだ。そもそも維新が何か言わなくてもTPP推進に向かって既に動いている。追い風を送るのが目的なのだろうか。「「参院廃止」項目も検討 維新の衆院選公約策定 2012.2.10 23:59 産經新聞  橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が、次期衆院選の公約となる「維新版・船中八策」の策定過程で、政策の一つとして「参院の廃止」についても検討していることが10日、維新関係者への取材で分かった。参院の形骸化が指摘される中、世論などを見極めながら盛り込むかどうかを判断するとみられる。/維新内部には、参院について、衆院と異なり解散がないことで中長期的な課題に取り組めるという本来の理念が失われているとの見方がある。衆院と同様に政党色が強まることで、ねじれ国会が生まれることにもつながっている。/一方、橋下市長は10日、船中八策の中に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を盛り込む方針を明らかにするとともに、外交・安全保障では日米同盟を基軸とする考えも示した。/橋下市長は「国のアイデンティティーはしっかり意識するが、マーケットについては国境を意識しないのが基本方針」と強調。「自主独立の軍事力を持たない限り、米国の軍事力に頼らざるを得ない。できれば日米豪というラインで軸をつくりたい」とも述べた。」