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登 大遊@筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻の SoftEther VPN 日記

Daiyuu Nobori's SoftEther VPN Diary since 2004

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2010年8月28日 (土)

人間が生存するためには、自分の頭で合理的に考えなければならない

人間は、生存したいと思うのであれば、そのための具体的な方法を、何も考えないわけにはいかず、いい加減で非合理的な考えによるものではなく、かといって人に考えてもらうのではなく、自分の頭で合理的に考えて、判断・選択し、それによって行動しなければならない義務を自然によって自動的に負わされている。

生存するためにはこの義務を履行しなければならず、義務を放棄したときは遅かれ早かれ、まだ生存したいと考えているにもかかわらず、強制的に、自然によって死亡させられることになる。


自分の頭で合理的に考えることは非常に重要である。今のところ、その行為無しで、自分の希望通りに (生存し続けたいと考えているにもかかわらず死亡させられてしまうことなしに) 生存し続けるということを実現する現実的な方法は発見されていない。

なお、自分の頭で合理的に考えることは、その生存したいという希望を満たすための必要条件ではあるが、十分条件ではない。自分の頭で合理的に考えていたとしても、他の予期せぬ防ぐことが困難な出来事 (たとえば自然災害や、狂人によって殺害されるなど) によって、自分の生命が中断されてしまうことは起こり得るから、自分の頭で合理的に考えるということだけで継続的な生存が保証してもらえる訳ではない。しかし、自分の頭で合理的に考えることは、そういった不測の出来事から身を守り、そういうことが起こった場合に自分が被害を受けないようにするための事前準備を行うことができることにつながるので、そういったことにより死亡する危険性を軽減することはできる。ただし危険性はゼロにはならない。また、不老不死が得られる訳でもない。わずかでもリスクが存在していることと、寿命があることは、自然によって強制されている規則で、これを否定することは不能である。


一方、自分の頭で合理的に考えることを拒否した場合は、そもそも、自分の希望通りに生存し続けるということは不可能になる。自分の頭で合理的に考えて行動しないように決めた人のとることができる行動パターンは、以下の 3 通りのうちいずれかである。


1 つ目は、何も考えずに漠然としていることである。しかし、これでは食糧を手に入れることができないので、しばらくして、死亡してしまうから、良い方法ではない。


2 つ目は、非合理的に思い付いたままに行動することである。非合理的に行動するということは、直感によって正しいと思う行動をするという意味は含まない。直感によって正しいと思う行動をすることは、その直感が正しい指令を脳内で発してくれていることについて何らかの合理的な根拠を持っていて、その上でその直感に従うということだから、その行為は合理的である (たとえば、計算機の計算能力を信用している人が、その計算機が毎回正しく動作しているか検証することは不可能なことはわかっているにもかかわらず、その計算機の計算結果をもとにして行動を決め、代わりに自分の表面意識で筆算をすることを怠っていたからといって、その人が、合理的な判断で、責任をもって、その計算機の計算能力が信頼するに値すると考えてそれに従っているのであれば、それは合理的な行動である)。

この文脈での「非合理的に行動する」ということは、前述のような合理的な根拠なく、ただ単に、思い付きで無秩序に行動するという意味であり、いわば、サイコロを振って出てきた目で次の行動を決めるというようなことと等しい行為である。この方法では、満足な食糧を手に入れることができない。


そして 3 つ目は、他人が考えた結果に従って、他人がそう考えているというだけで、自分もそれと同様に行動するということである。たとえば、隣人がある行動原理を支持し実践しているのを見て、自分は、それに触発され、真似をするというような行動方法である。単に隣人というだけではなく、複数の人間の集合であるグループの多数決で決定された意見に従うというのも、同様である。


上記の 1 つ目と 2 つ目の行動パターンを選択するべきではないことは明らかである。そこで、ここでは、3 つ目の行動パターンを選択することについてよく考えてみる。


3 つ目の行動パターンにおいて、他人の考えた結果を真似するということは、自分にとって、有益な場合と、有害な場合とがある。

たとえば、他人が、リンゴを食べると栄養になると言ってリンゴを食べているのを見て、それを真似して、リンゴを食べて栄養を摂るのは、有益である。一方、他人が、キョウチクトウを食べると栄養になると言ってキョウチクトウを食べているのを見て、それを真似して、キョウチクトウを食べることは、それに毒が含まれているので、有害である (この場合、しばらくして、その他人も、自分も、二人とも病気になるか、死んでしまうかも知れない)。

つまり、自分は、その当該他人が言った意見を、他人が言っているからといって信用してはいけない。何か他の方法で、その意見が自分にとって有益か有害かを検証しなければならない。たとえば、リンゴや、キョウチクトウについては、植物に関して信頼に値すると自分の判断で合理的に考えられる文献 (百科事典など) を探して、それをもとに判断するか、もし合理的な判断の結果そのような文献が未だ信頼するに当たらないと考えるのであれば、たとえばそこらへんの実験動物 (ネズミなど) に事前に食べさせてみて死亡しないかどうかを自分で見て判断するか (ただし、ネズミが食べて死ななかったからといって人間が食べても大丈夫かどうかは、これだけではわからないのかも知れない) しなければならない。

合理的な人々が、自由意思で、リンゴを喜んで食べ、キョウチクトウを避けて食べないのは、何らかの合理的な根拠に基づいてそれらが有益か有害かを判断しているからであり、他人が食べているのを見たからではない(自由意思によらずして食べされられた昔の経験による場合もある。たとえば、幼少期において、保護者に強制的にリンゴを食べさせられ、そのとき、リンゴをおいしいと思い、かつ、それから何年かたってもリンゴによって自分が病気になったり死亡したりした事実がないので、自由意思によって、後日、リンゴを食べるか否かを選択するときには、食べるということを選択する。これも合理的な判断の形態の 1 つである)。


つまり、自分の生命を大切にするためには、3 つ目の行動パターン (他人の意見に従って行動する) を選択する際に、当該他人の意見について、それを、自分が思いついたアイデアを検証する場合と全く同様の手順に従って、合理的に検証し、その行動を行うかどうか判断しなければならない。

単に、周囲の人が皆そう考えているから、という理由で、その考えてに従って行動するだけではなく、その考えが合理的に正しい (つまりその考えを選択することが、自分の生命を、自分の希望によらずして死亡してしまうことを避け、継続的に維持するために有益である) かどうかを判断して、それに従うかどうか決めなければならない。


したがって、他人の意見に従って行動することができる状況であるからといって、そこで自ら合理的な判断を行うことが免除されるということにはならない。自分が思いついた考えであっても、他人の言っている考えであっても (それが少数意見か多数意見かにかかわらず)、その考えを選択するときは、自分の責任で、頭を使って、合理的に選択する必要がある。


不確実な事柄は、賛成者が多いという事実だけでそれが正しいと考えてはならない

上記は、少数意見のほうが一般に正しく、多数意見のほうが間違っているというようなことを主張している訳ではない。

多くの人が唱えている主張は、大抵の場合、正しいと思われる。たとえば、多数の人に、リンゴは栄養があるか、キョウチクトウは有毒であるか、というアンケートをすれば、ほとんどが、両方ともその通りだと言うであろう。また、実際にそれは両方とも正しいと思われる。しかし、リンゴは有益である、キョウチクトウは有害であるという知識について検討すると、リンゴとかキョウチクトウといった自然界に存在する物は、長い間その性質が変わっておらず、また、人類がそれについて検証してきた長い歴史が存在している (たとえば、これまでに何千兆個ものリンゴが安全に食べられてきた)。それ長い歴史がリンゴは安全だというような常識を作り、人々の間でそれが知られている。だから、アンケートを取ると、リンゴは安全で栄養があるという常識的な答えが多数を占めるし、また、その内容は正しいことである。


しかし、リンゴのような昔からよく検証されてきてほぼその有益性が間違い無い物は別として、それ以外の、ここ最近になって偶然流行り出した考え方のようなもので、かつ、まだ人類によって十分に検証されていないし、また、特にそれが正しいと思われる合理的根拠が無い類のものは、たとえ、多数の人がそれを正しいと信じていたとしても、正しくない可能性がある。それが正しいか正しくないかは、それを信じる人の数とはほとんど相関が無いと考えるのが安全である。

たとえば、科学的な仮説や、宗教や、政治的思想や、政策などは、それが正しいと思っている人が多いからといって、正しい可能性が高い (間違っている可能性が低い) ということは、全く言うことができない。

地球が平らで、航海すると崖から落ちてしまうとほとんどの人が信じていたからといって、その「地球が平ら」だということを、何らかの合理的な方法によって検証するまでの間は、その考えが正しいと言うことはできない。しかし、その状況では、間違っているということもできない。

一番確実で安全なのは、合理的根拠がない仮説について、それを「正しい」とも「間違っている」とも決めずに、それが正しかったとしても、間違っていたとしても、どっちの場合でも特に利益も損失も生じないような選択をすることである。ただし、何もしないのでは儲からないので、あえて、自分の合理的判断と責任において、それが正しいと思えるのであれば、それに対してリスクをとることも自由である。

たとえば、地球は平らで、また海の果てに断崖絶壁があると思われているときに、「それは間違っている。地球は丸いに違いない。」と合理的に判断し、交易船を購入し、貨物をたくさん載せて、貿易のための旅に出ることは、その判断者にとっては、合理的な考えに従って行動したのであり、他人がいくらそれは非合理的だといっても、その判断者にとっては合理的だったのだから、その判断者は正しい行動をしたのである。これは賭け・博打ではなく、また、サイコロを振った訳でもなく、単に、自分の合理的な考えで行った行動である (反対意見を持つ他人には、そうは見えないかもしれない)。その場合、その判断者が拠っていた合理的根拠に重大な間違いがあったとしたら、後に、判断者はそのことについて気付き、また、それによって自分に損失が発生した (最悪の場合は、生命を失うことになった) ことを認知し、自分の合理的な考えをするはずの頭が欠陥品であったことを反省し、次の重要な判断の時までに修理しておこうと決意するに違いない (もっとも生命を失うことになった場合はこの限りではないかも知れない)。


地球は平らだと思っていたところ、隣人の頭のおかしい (ように自分には見える) 船乗りが、「地球は丸い」と突然言い出して、地球の裏側の人との間で貿易するために、交易船と交易物品のための資金を集めたい (当然、儲かったらあとで出資者の間で配分することは約束する。しかし損失が出たら資金は返ってこない) と提案してきた場合について考える。

もし、その頭のおかしい (ように自分には見える) 船乗りの周囲の人が、その新しい考え方について熱狂し、熱狂のあまり合理的な判断を損なって、皆が自分の財産を、その船乗りに自主的に供出し出したとする。その状況で、自分はどのようにするべきか。単に周囲の皆が熱狂的に自分の財産をその冒険のために供出しているからといって、自分も、熱狂してそれに付和雷同してはならない。一番良いのは、その熱狂している周囲の急進派の人たちに、何か合理的な根拠があってその出資をしようとしているのか、それとも気まぐれで、雰囲気によって後押しされてその出資をしようとしているのか、を聞いてみなければならない。そのうち 1 人でも、合理的な根拠があるといって、その根拠を教えてくれて、かつ、自分でもその理論をよく検証してみて、確かに正しいと自分で合理的に判断できれば、出資するべきである。その「十分に検証する」という行為に要求される厳重さは、その「地球は丸い」というアイデアが、自分で思いついたときでも、他人によって思いつかれたときでも、同等に厳重である必要がある。

もし、自分で検証してみた結果、「地球は丸い」論が正しいと判断するのに合理的な根拠を見つけることができなかったときは、いくら、他人が、それは正しいと言っていても、また、他人が「地球は丸いことを合理的に説明するための論文」のようなものを出していたとしても、それを聞いたり読んだりして検証し (その検証の過程で、自分と同じくらい頭が良い信頼できる他人の意見を聞いてヒントを得ることは有益である。自分 1 人だけで閉じこもって検証しろという意味ではない)、自分の頭で合理的に納得することができないのであれば、それに出資してはならない。

そして、自分が出資しなかったその事業の経営者である隣人の頭のおかしい (ように自分には見える) 船乗りの「地球は丸い」論が正しかったことが後になって報告されたのを見ても、合理的な判断でそれに出資しなかった人は、後悔することはない。なぜならば、その合理的な判断でそれに出資しなかった人にとっては、その事業の報告が来るまで、「地球は平ら」か「地球は丸い」かのどちらが正しいかどうか判断する術はなかったのあり、そこを「地球は丸い」ほうに仮に賭けていたとしたら、儲かったかもしれないが、それはギャンブルをする (宝くじを買うとか、ブラックジャックをするとか) と本質的に同じ行為であるからである (もちろん、自分は運が良いので、ギャンブルをすれば儲かるに違いないと合理的な判断の結果信じるに足る人は、ギャンブルをしても良いし、するべきである。ただし、その合理的な判断が本当に合理的かどうかは、その人が、自分の責任で、慎重に検証しなければならない)。


私的投資事業の安全性と政府による公共投資事業の危険性

上記の交易船の事業のような仮定の話は、現代においては、(1) 金融商品市場とか、(2) ベンチャー投資とか、また、(3) 政府の公共投資といった話にも当てはまる。


(1) と (2) はどちらも、合理的な判断で、出資者個人個人が、それに投資するか投資しないかを合理的に考えて選択することができる。

事業運営者側は、合理的な指針 (つまり、その事業がどれだけ儲かり、どれだけ出資者個人の利益を生み出すか) を文書 (目論見書) や口頭 (説明会) で示す。それを読んで、たとえば、山田さんは、合理的に儲かる可能性が高いと思い、それに投資する。木下さんは、無関心なのでそれを読まないか、または、読んでも、非合理的だと思ったのであえて投資しない、という具合である。

事業がうまくいけば、山田さんは利益を得る。木下さんは得も損もしない。事業が失敗すれば、山田さんは損失を得る。木下さんは得も損もしない。木下さんは、無関心であり、無関係である。木下さんに被害は出ない。


一方、(3) の政府の公共投資は、性質が異なる。

まず、本来理想とするプロセスとしては、政治家は、合理的な指針 (つまり、その事業がどれだけ税金の出資者である納税者に対して将来的利益を生じさせ、どれだけ納税者の富を生み出すか) を文書 (マニフェスト) や口頭 (演説) で示す。

それを読んで、たとえば、90% の人は、非合理的な判断で、政府または政治家の言うことだから内容は検証しなくても信用しても良いはずだと思い、それに賛成の投票をしたとする。10% の合理的な人は、よくその政治家または政府の説明を読んだところ、どうやらそれは失敗して納税者にとって損失が生じるのではないかと考え、合理的な判断に基づいて、反対の投票をしたとする。

結果、賛成多数なので、その事業のための出資金として、税金が全員から徴収される (その事業が非合理的であると思って反対していた人からも徴税される)。そして事業が失敗すれば、90% の非合理的な人も、10% の合理的な人も損失を得る。誰も得をする者がいないという結果になる。(1) や (2) と異なり、または、事業について関心があったので説明を読んでみるとこれはどう見ても非合理的で失敗するに違いないと思っていたので反対した人も、その損失を支払わされる。

これが、公共投資の危険なところである。


私的投資であっても、公共投資であっても、出資者それぞれが、合理的に判断し、それに手を出したほうが利益に適う (すなわち、究極的には、自分の財産、より現実的には、生存に必要な食糧その他のエネルギーが、老衰死するまでの間に尽きないような十分な量確保できる、そしてまた食糧以外の価値のある楽しみのために消費できる財産も確保できる) と思った場合にだけ、その人が投資をすれば、問題は生じない。その事業が失敗した場合に、損をするのは、合理的判断をしたと思って投資した人だけである。結果として、その投資者は、自分の損失によって痛い思いをして、自分の合理的な考え方に、気づかなかった欠陥があったことを認め、次の投資の機会までにそれを修理しておこうと考える。つまり、より賢くなる。

一方、誰でも強制的に (賛成派の人数が反対派の人数よりも多いという理由だけで) 強制的に参加されられる公共投資というのは、多くの人が合理的判断をする能力が無い状況では (つまり、投票をするときに、その投票行為が合理的判断によって行われたものか、それとも、周囲の雰囲気や熱気に押されて非合理的に投票するものなのかを判断する技術的方法が無い状況では)、合理的判断が介入する余地がなくなってしまうので、その投資事業に失敗して損失が出たときに、その原因を「多数の賛成派が賛成していたのだから仕方が無い、誰にも責任はない、あきらめよう」という、危険な安心感のある結論に帰着させてしまう。

自分に責任があることを悟って痛い思いをするということがないから、国民は、合理的判断をしなければならないという、本来回避することができない責任を、短期的なその危険な安心感のある結論によって一時的に回避してしまう。これが何十年、何百年続いたところで、国民が賢くなることはない。一方、経済的損失は、常にある一定の確率で生じてしまう (公共投資は、非合理的な判断をし続けている限り、一定の確率で頻繁に損失を生じてしまい、合計すると大幅なマイナスとなってしまうためである)。

そのままでは、賢い合理的な選択をする他の国家に、国民が賢くないままの国家は、次第に負けてしまう。


全納税者に政府が公共投資を強制することの非合理性

政府が主体となる公共投資で、かつ、税金を財源とするものは、いってみれば、以下のような状況に似ている。

たとえば、山道で道が左と右に分かれているとする。ここに 3 人の登山者がいる。3 人の食糧は尽きかけている。立ち止まるか引き返すと食糧はなくなり餓死してしまうことがわかっている。左へ行くか、右へ行くか、選択しなければならない。どちらかの道の先には、食糧小屋があることがわかっている。また、反対側の道の先は、行き止まりであることがわかっている。しかし、左右のどちらが正しいか、3 人の間で統一見解がない。どちらの道も、一度選択すると、引き返せない状況だとする。

3 人 (A さん、B さん、C さん) は左右に分かれる所で立ち止まる。A さんは、昔、地図を見た記憶があり、左の道を行ったところに食糧小屋があった気がするということをかすかに覚えている。だから、A さんは、左に行きたいと思っている。

B さん、C さんにはそのような知識はないが、B さんは知ったかぶりなので、特に根拠無く「右が正しい」と主張する。B さんは知ったかぶりなので、特に合理的な考え無く物事を決めることが多く、また、一度主張したことは、撤回したくない人である。さらに、声が大きく、暴力も得意である。

C さんは、あまり強くはないが、合理的な考えよりも、声が大きい考えに従ってしまう頭の弱い人である。

ここで、B さんが「右が正しい。特に根拠はない。」と言ったところ、A さんは当然「私は左が正しいと思い、その理由は、地図にそう書いていったからだと思うが、100% 確かではない。しかし、右が正しいという根拠は B さんには無いようなので、私は左へ行く。」と言うであろう。それを聞いた B さんは怒って、「右が正しいに決まっている。一度言ったことは撤回しない。」と大声で言う。C さんは B さんの大きな声が好きなので B さんに賛成する。

A さんは「私は左が正しいと自分の責任と判断で選択するが、100% 正しい確証はないので、B さん、C さんの意見も尊重する。そこで私は左へ行くが、B さん、C さんは右に行けばよい。」と言う。すると、B さんは「多数決で決めたことに従え」とか「一部の人だけが生き残って他は死ぬのは許せない」とか言ってとても怒り出し、C さんと一緒になって、A さんを強制的・暴力的に連行して右の道へ連れて行く。

結果としては、A さんの記憶の中にあった地図は正しく、左が正解であり、右へ行くと何も無いので、3 人とも餓死してしまう。


このストーリーでは、自己の責任において自己の行動を決定するための根拠として合理的な判断をした A さんに対して、B さん、C さんは非合理的な判断に基づいて A さんとは反対の結論を出した。この時点で、A さんは左、B・C さんは右に自分の責任で行けば良いのである。しかし、B さんは多数決の結果を暴力的に A さんに押し付け、3 人とも右へ行ってしまい (A さんとしては自分の意思とは関係無く右に連行され)、そして 3 人ても死んでしまう訳である。

このように、どちらを選択すれば良いのか、はっきりした指針が無く、不確実な状況においては、多数決によって物事を決めてはならない。逆に、サイコロを振って決めればよいという訳でもない。そうではなく、各自がそれぞれ自分の頭で合理的に考え、その結果出てきた結論を、各自が採用すれば良いのである。


だから、政府は、税金を財源とする事業は、成功するか失敗するか不確実な状況においては、実施しないほうが良い。それを実施することは、納税者のお金を使ってギャンブルをする行為である。

一方、政府が主体となって、希望者に対して正確にリスクを説明し、税金とは別に、出資金を国民から集めて、それで事業を行うのであれば、それは、私企業が運営する事業と同様に、失敗した場合の損失は、それに投資をした (またはその他の形式でお金を貸した) 人だけで責任を負うことになり、無関心な人、または反対意見のある人にとっては損失はないので、大変良いことである (ただし、政府がその損失を埋めるために税金を使ってはならない。また、そもそも、それをやるのであれば民間企業が行えば良いのではないかという主張も有り得る。)


例外: 自分の頭で合理的に考えなくても良い場合

人間は選択をするときに自分の頭で合理的に考えなければならず、それによって得た利得または損失は、すべて、その考えをして決定をした人が得ることになる。

これは、つまり、人間は、自分の頭で合理的に考えとしてもそうでなかったとしても、自分が何らかの指針に従って (または指針無しにやみくもにサイコロを振って) 選択したとても、自然は、その結果を、結果が出るまでは一切事前に保証してくれないということである。自然が保証してくれないのだから、損失が出たら、自分が補償するしかない、という考え方である。


最終的に、選択による結果は、自分が被ることになる訳だから、他人の意見が、なぜかわからないけれど信用できそうだからだとか、熱狂的または多数派だからというだけで、それに従ってはならない。

必ず、自分の頭で合理的に検証・判断して、その選択を行わなければならない。

なぜならば、他人の意見に従った結果損失が生じたからといって、その他人が損失を埋め合わせてくれる訳ではないからである。


逆に言うと、例外として、他人の意見にただ何となく従って行動し、かつ、自分の頭でその意見が合理的かどうか判断することを懈怠することをが許される状況も考えられる。

その条件とは、唯一、当該他人が、その他人の意見にただ何となく従って行動した人に対して、それによって生じるリスクを、事前に埋め合わせるだけの報酬の支払を保証してくれていて、かつ、その支払いが確実である場合のみである。

たとえば、単純労働者等がこれにあたる。単純労働者等は、自分の頭でその指示内容が合理的かどうか判断せずに、経営者の指示通りに作業をする。合理的か否かの判断はしていないので、たとえば、経営者が、工場労働者に、「イスを 1,000 脚、このマニュアルに従って組み立てろ、何も考えることはない。」と指示したら、工場労働者は、それに従えばよい。

単純労働者等は、その指示のマニュアルが合理的かどうか (そのマニュアルに従えば、本当に商品価値があるイスができるのか)、および、その 1,000 脚のイスが本当に市場で売れて、経営者にとって十分な利益が生じるのか、ということを、自分の頭を使って考える必要は全く無い。

その工場労働者にとっては、商品価値が高いイスが生産されなくても、または、イスがそもそも 1,000 脚売れなくても、それは経営者の指示に従っただけである。単純労働者である限り、経営者の指示が正しい (合理的) かどうか、頭を使って判断する必要は無い。経営者は、その単純労働者に対して、予め、金額を定めて給与の支払を保証しているからである。その給与は、イスが売れたか売れなかったかにかかわらず、また、経営者が利益を得たか損失が生じたかにかかわらず、単純労働者に対して、必ず支払われる。単純労働者にとっては、頭を使って判断をする必要やそれによって生じるリスクは全く無い (ただし、単純労働者の能力がなく、指示通りにイスが組み立てられない場合は、給与は支払われないかも知れない)。


だから、経営者の指示に従うだけの単純労働者にとっては、他人 (経営者) の意見が、なぜかわからないけれど信用できそうだから (経営者というのは偉いのだろう、とか) という理由だけで、盲目的に、それに従い、自分の頭を使わず、判断もせず、その他人 (経営者) に従えば良いのである。その代わり、その単純労働者は、「合理的な判断をする」という人間にとって最も価値が高く、また、難易度の高い作業をしていないから、その「合理的判断」という行為に対する報酬はもらえない。その報酬を受け取るのは、当然、合理的な判断をして指示を出している経営者である。


経営者が、単純労働者に対して、その単純労働者が考えた合理的な反対意見 (たとえば、こんなイスを 1,000 脚も作っても売れないと思いますよ、とか) を無視し、その経営者の意見に従って作業をすることをその単純労働者に対して強制し、よって損失が経営者に生じたとしても、その経営者の責任である。単純労働者は、そのイス製造事業によって利益が生じようが、損失が生じようが、予め定められた賃金報酬をもらうだけである。


単純労働者であっても絶対に自分の頭で考えなければならないことが 1 つだけある

自分の頭を合理的に使うことが嫌な人でも、現代社会においては、上記の例のように、誰か他の賢い人 (経営者) に合理的に考えてもらって、その考えを、自分では判断せずに、単に盲目的に従って行動するというだけで、賃金報酬を得ることができるのである。

しかし、だからといって、そのような単純労働者が、生きていく上で、全く、合理的な判断を自分の頭を使って行う必要が無いという訳ではない。

先ほど、「例外として、他人の意見にただ何となく従って行動し、かつ、自分の頭でその意見が合理的かどうか判断することを懈怠することをが許される状況も考えられる。その条件とは、唯一、当該他人が、その他人の意見にただ何となく従って行動した人に対して、それによって生じるリスクを、事前に埋め合わせるだけの報酬の支払を保証してくれていて、かつ、その支払いが確実である場合のみである。」と書いたが、そのような支払いが保証されるかどうかは、その単純労働者が、労働行為を開始する前に、確かめる必要がある。

その検証行為を実際に行う際だけは、どうしても「自分の頭を使って合理的に考える」という必要がある。これを忘れてはならない。具体的には、自分が勤務する先の会社の経営者が「確かに賃金を支払ってくれるだけの信用できる人物であるか」ということ、および、「その支払に係る賃金の財源は確保してあるのか」ということを確認しなければならない。これを確認するためには、絶対に、自分の頭を使って調査し、判断しなければならない (なぜならば、この確認を行うことを怠り、誰か他の人の意見に従うことは、先ほどの理論により、当該誰か他の人が、その意見が間違いだったときにそれによって生じた損失を穴埋めしてくれるだけの支払いの保証を予め約束していることが前提になり、それは、まさに単純労働者と経営者との関係であるから、これが再帰的に無限に続いてしまうことになる。したがって、どこかの段階では、やはり、どんなに頭を使うことが嫌な人でも、頭を使わなければならない)。

また、単純労働者としては、自分の時間を使って労働をしたとして、その苦労に見合うだけの賃金報酬の支払を約束してくれる経営者を探さなければならない。もし、自分の時間を使って労働をしたとして、それに比較してとても割に合わないような金額しかもらえないような経営者だということがわかったら、すぐにそこを離れて、別の経営者のところへ行かなくてはならない。


日本国政府は納税者サービスにおいて外国政府との競争に勝たなければならない

上記の理論と類似するものとして、以下のように考えることもできる。

たとえば、政府の言うことを盲目的に強制される納税者に対しては、政府は、当該政府がこれから行おうとする強制的な指示 (たとえば税金をいくら徴収する、といった、納税者に対して何らかの労働を強制するような指示) とそれによる政府の公共投資について、仮に、その政府の公共投資が失敗し、損失が出たとしても、納税者に対しては、損失が生じた分の税金の金額と少なくとも同等またはそれ以上の金額を、後から損失補填として穴埋めするだけの十分な支払が保証されていなければならない。

なぜならば、先ほどの「労働者」と「経営者」との関係と異なり、少なくとも、国内においては、「納税者」と「政府」との関係は、強制的だからである。

「労働者」は「経営者」の信用能力や支払い額が気に入らないと思ったら、別の「経営者」のところへ行けば良い。しかし、国内においては、「納税者」は「政府」の信用能力や支払い額が気に入らないと思ったら (たとえば、たくさん税金を納めているのに、あまり良いサービスが受けられず、そのサービス価格を合理的に計算すると、損しているように見える、など)、他の「政府」のところへ行けば良い、ということにはならない。

なぜならば、政府は同一国において 1 個しか存在しないからである (ただし、最近では、結構簡単に好きな国へ移住することができるようになったので、これはあてはまらないかも知れない)。

政府は、納税者に対して、納税 (=指示通りに税金を拠出すること) を強制しているのであるから、少なくとも、納税者に対して、納税した額以上の見返りを提供する義務がある。そうしなければ、納税者は、納税する意味が無いためである。


昨今、日本における産業空洞化が話題になっているが、一般的には、海外国における労働力が安価だとか、資源の調達コストが低いとか、円高だというような理由で、生産拠点を海外に移す動きが原因だということになっている。


しかし、もしそうだとしたら、「そもそも単純労働者はほとんど不要」で、「資源もあまり消費しない」上に「外国為替の影響も少ない」ような産業については、無関係だということになる。たとえば、少人数で開発したり運営したりすることができるソフトウェアやインターネット事業などである。しかし、明らかに、近年、これらの知能産業 (上記においていえば、自分の頭で合理的に考えることが特に重要な産業) に関わっている優秀な頭脳が海外に流出しているか、またはこれから流出しようとしている傾向が感じられる。


その理由は単に海外国における労働力が安価だとか、資源の調達コストが低いとか、円高だというような理由だけではなく、もっと根本的なところにおいては、前述のような、人間の行動指針を決定する根本的ないくつかの原理に反する行為を政府や政治が行っており、さらに、今後ますますその傾向が酷くなりそうだという状況が原因である可能性がある。


「なぜならば、政府は同一国において 1 個しか存在しないからである (ただし、最近では、結構簡単に好きな国へ移住することができるようになったので、これはあてはまらないかも知れない)。政府は、納税者に対して、納税 (=指示通りに税金を拠出すること) を強制しているのであるから、少なくとも、納税者に対して、納税した額以上の見返りを提供する義務がある。そうしなければ、納税者は、納税する意味が無いためである。」と上述したが、現在、日本の政府は、このように、納税者にとって、「納税額あたりの政府から受けることができるサービスの価値」を高める努力をしているだろうか。

高める努力をしている政治家もいるかも知れないが、結果として、「納税額あたりの政府から受けることができるサービスの価値」はあまり高まっておらず、外国政府のほうが高くなっている場合がある。

その場合、納税者は、当然、「最も安く政府サービスを購入できる」という理由から、外国政府の基に流れていく可能性がある。特に、重工業や物理的なサービス業ではなく、知能労働的なサービス業から、その傾向が強くなると思われる。なぜなら、知能労働的なサービス業は、電力と通信回線、および必要最低限の治安が確立されていれば、世界中どこでも事業を行うことができるためである。さらに、重工業や物理的なサービス業は過酷な競争によって利益率が低下しているが、これと比較すると、知能労働的なサービス業は、利益率が比較的高い。税金は、利益からしか取れないので、知能労働的なサービス業がますます世界における重要度を増していく中で、それらが流出することは、日本政府の財源を悪化させる原因となる。


もし、日本政府に携わっている人が、合理的な判断を行う能力があるのであれば、特に外国政府の基に流出しやすい知能労働的なサービス業の経営者にとって、それらが流出せず日本国内において事業を継続してもらえるように何とかして必死に頼み込み、また、外国政府の基に流出することと比較して、日本国内に留まったほうが良いという何らかの合理的なインセンティブをそれらの事業者に対して提示する必要がある。

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2010年8月2日 (月)

PUBLIC 仮想 HUB に接続すると多くの PC の共有フォルダが見える

2010 年 6 月 19 日 (土) から、前述した、PacketiX.NET セキュアインターネットサービス を構成する「PUBLIC」という名前の仮想 HUB において、実験的に、ユーザー間の通信を解禁した。


もともと、この仮想 HUB では、2004 年 12 月に公開してから、2006 年 10 月までの約 2 年間は、ユーザー間 (仮想 HUB に接続した PC 間) の通信は、一切禁止していなかった。つまり、ある部屋に集まってそこにある HUB にみんなが大量の PC を一度に接続したように、自由な TCP/IP 通信を行うことができるようになっていた。

その後、2006 年 10 月から 2010 年 6 月までは、ソフトウェアを追加したり、設定を変更したりして工夫して、ユーザー間の通信を禁止するようにしてみた。この状態では、PUBLIC 仮想 HUB に VPN 接続した PC 同士は一切通信ができない。単に、10.0.0.1 という IP アドレスにある共有 NAT サーバーとの間で通信ができるだけである。つまり、インターネットに出ることはできるが、ユーザー間の通信はできない。これは言ってみれば、普通の B フレッツのようなものである。イーサネットで NTT の局舎につながっていて、PPPoE で ISP には接続できるが、ユーザー間の直接通信 (たとえば隣の家の人との通信) はできない (フレッツの折り返し通信を実現するサービスを使えばもちろんできる。しかしそれでも Ethernet の通信はできない。フレッツで Ethernet で折り返し通信ができるようにしてしまうと、NTT のドル箱サービスである、月額料金がべらぼうに高い、法人向け広域イーサネットサービスが売れなくなってしまうからである)。


2010 年 6 月 19 日 (土) から、再度、ユーザー間通信を解禁した。解禁といっても、何らパケットフィルタ等で規制をしないようにしただけである。本サービスは、実験サービスであるので、今後も、このような変更をよく行う可能性がある。もちろん、ユーザー間通信を禁止していた前の状態から、新しい解禁の状態にすることは大きな変更なので、6 月 8 日からその旨をトップページで告知したり、public.softether.com に接続する際に表示される警告画面に掲示したりしている。


ユーザー間通信が可能だということは、いかなる TCP/IP の通信でも、あたかも直接 2 台の PC がスイッチング HUB を経由して接続されているように、自由に可能だということになる。すなわち、Windows のファイル共有プロトコルである SMB/CIFS も利用できる。といっても、最近の Windows で、かつ、意図的に危険な設定にしていなければ (Windows XP, Vista, 7)、危険はほとんど無いと考えれば良い。デフォルトでパーソナルファイアウォールが有効になっている。また、共有フォルダにもパスワードがかかっている。

Windows のファイル共有プロトコルである SMB/CIFS は、WINS およびブロードキャストで、同一セグメント上にある他の Windows マシンや共有フォルダの一覧を表示することができる。会社で Windows を適当に使っていても、「ネットワーク」にほかの人の PC が見えて、それをダブルクリックすれば共有フォルダの中身を見たり、書き込んだりすることができる (適切に設定していれば) のはご存じのとおりである。それが、PUBLIC 仮想 HUB に接続すると、何百人、何千人の PC が列挙される訳である。


試しに、そこらへんにある Windows 7 の PC を PUBLIC 仮想 HUB に接続し、しばらく待ってから、「ネットワーク」を開くと、以下のように、大量の PC が列挙された。

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しかしどうやら Windows Vista と Windows 7 はお互いに列挙できるが、Windows Vista / 7 は Windows XP / 2000 / 9x の PC をうまく列挙できないことがあるようである。タイミングによっては、列挙できることもある。その違いがよく分からなかった。

たくさんの PC を列挙したいのであれば、Windows XP から接続するのが一番、たくさん列挙されて面白いのではないかと思う。Vista / 7 の CIFS クライアント機能は、プログラムコードの大部分が Windows XP と比較して大幅に一から再開発されているので、何かの互換性上の問題なのではないかと思う。


そして、列挙された PC をダブルクリックして開いてみることもできる。

Windows について知識のあるユーザーは、普段は共有フォルダを使っていたとしても、公開 VPN サーバーの仮想 HUB (PUBLIC) に接続するときだけは、誰でも接続可能なスイッチング HUB や無線 LAN セグメントに PC を接続することと、論理的には全く同様のことなので、当然、共有したくないファイルは、共有フォルダに置かないはずである。また、共有フォルダにはしっかりパスワードをかけているはずである。

Windows について知識の少ないユーザーは、明示的に、手動で操作をしないと、パスワード無しで外からアクセス可能な共有フォルダを作成することはできないはずだから、危険はないはずである。

ということは、ここで列挙された PC をダブルクリックして、共有フォルダの一覧が表示され、その共有フォルダをさらにダブルクリックすると、共有フォルダの中にファイルが見えて、それを取得することができてしまう PC があるとすれば、その人は、意図的に公開するためにそのフォルダをパスワード無しで公開しているのに違いないということになる。インターネット上では、昔、Windows のファイル共有などがなかったときにも、FTP の anonymous という匿名アカウントの仕組みがあった (今でも一応残っている)。誰かにインターネット経由で公開したいファイルがあるとき、anonymous というアカウント (パスワードは任意) で FTP サーバーに接続できるように設定した状態の FTP サーバーを起動しておけば、そこに接続した誰かは、そこに置いてあるファイルをもらっていくことができる。

公開 VPN サーバーの PUBLIC 仮想 HUB 上で、パスワードなしでアクセスできる共有フォルダを、堂々と公開している人は、そういうように、多くの人に、意図的にファイルを公開しているのだと考えるのが妥当である。少し検索してみると、常時、そのような PC は何十台かあるようである。中には、共有フォルダを書き込み可能にして公開している人もいるかも知れない。これも、昔は FTP で anonymous アカウントで接続すると「pub」というようなフォルダがあり、そこには誰でも匿名でアップロードができた FTP サーバーがあったが、それと同じようなものだろう。


また、Windows Vista や Windows 7 の Windows Media Player の機能で、音楽やビデオを LAN 上の他のユーザーに共有する機能を有効にしている PC は、以下のように表示される。これらの PC の中の共有されている MP3 やビデオ等を再生することが可能である。

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公開 VPN サーバーの PUBLIC 仮想 HUB に接続して、少し Windows の「ネットワーク」で PC を列挙してブラウジングしてみたが、いろいろな PC で共有フォルダが見えていて、興味深いと感じた。ただし、中身まではよく見ていないが、興味がある方は、接続してブラウズしてみると、インターネット上に構築された仮想的なオーバーレイネットワークにアクセスしている気分になって (気分だけではなく本当にアクセスしているのだが) 面白いのではないだろうか。

なお、PUBLIC 仮想 HUB に接続するときは、自分の PC の共有フォルダにパスワードがかかっていなければ、他の人に対してその共有フォルダの内容を公開していることになるので、その点に留意したほうが良い。


なお、PUBLIC 仮想 HUB (セキュアインターネットサービス) では不特定多数のユーザー間での自由な通信が可能であるが、ASP 型 VPN 実験サービス では、自分が作成した、自分専用の仮想 HUB に接続した人 (つまり接続を許可するアカウントを作成して保有している人) だけがその仮想的な分離された安全なレイヤ 2 Ethernet セグメントに接続することができるので、もし、意図した特定の複数人の PC 間で Windows ファイル共有などを行いたい場合は、こちらを使用してほしい。このサービスも最近人気が出てきて、11,487 個の仮想 HUB があり、13,398 人に日常的に利用されている


PUBLIC 仮想 HUB に接続すると IPv6 通信が可能に

実は、上記を解禁した 2010 年 6 月 19 日 (土) から、PUBLIC 仮想 HUB に接続すると、IPv6 のグローバル IP アドレスが割り当てられ、IPv6 インターネットに直結 (Ethernet のレベルで接続) されるようになっている。設定は一切不要である。

試しに、TCP/IP および DNS が IPv6 に対応した OS (Windows Vista / 7 / Linux 等) で PUBLIC 仮想 HUB に接続して、接続が完了したら、「ping www.kame.net」とか「tracert www.kame.net」とか試してみてほしい。IPv6 インターネットに VPN 経由でネイティブアクセス (ここでいうネイティブとは、Ethernet インターフェイスとして、という意味) していることが分かるはずである。また、その状態で、有名な http://www.kame.net/ にアクセスすれば、カメさんのアニメーションが見れる。

この PUBLIC 仮想 HUB のセグメントは 64bit の Prefix を RA で流す IPv6 セグメントである。上位 64bit は「2001:200:1C8:FF01::」である。つまり、2001:200:1C8:FF01::/64 がネットワークアドレス (IPv6 ではプレフィックスと言うのだっけ) である。デフォルトゲートウェイは 2001:200:1C8:FF01::1 である。

下位 64bit は、OS によって、仮想 LAN カードの MAC アドレスをもとに自動生成される。最近の OS では、他に匿名一時アドレスも自動生成されるが、MAC アドレスをもとに自動生成された IPv6 アドレスは、必ず利用可能である。ipconfig すれば表示される。この IPv6 アドレスは、MAC アドレスをもとに自動生成されるのだから、何日間接続していても、また、一度切断して再接続しても、IPv6 アドレスは変わらない。この実験サービスが将来停止するまで (または上位 64bit の Prefix が、何らかの原因で変わるまで) 絶対に変わらない。このような固定で IPv6 アドレスを割り当てるサービスを、無料で、日本国内で安定したバックホーンを用いて行っているのは、このサービスと、http://v6ip.tsukuba.wide.ad.jp/ くらいなのではないだろうか。なお、後者のサービスは、筑波大学システム情報工学研究科産学間連携推進室が運営している。両方とも、WIDE プロジェクトの IPv6 バックボーンでインターネットに接続されている。後者のサービスはユーザーごとに別々の IPv6 固定 Prefix を割り当てているのに対して、前者のサービスは、全ユーザーが同一の IPv6 固定 Prefix (2001:200:1C8:FF01::/64) である点が異なる。後者のサービスは、自宅や事務所に設置した VPN Bridge から仮想 HUB にカスケード接続し続けることで、既存の物理的な Ethernet セグメントに RA を流すことができるから、自宅にあるすべての IPv6 対応機器にグローバル固定 IPv6 アドレスを割り当てるというようなことができる。詳しくは こちらのニュースリリース を参照するとよい。


このサービスは簡単に言うと、IPv6 over IPv4 (TCPv4) であり、より正確には、IPv6 over Ethernet over TCP over IPv4 である。


両方のサービスとも、IPv6 のインターネットとの間の通信について、一切、パケットフィルタリングはかけていない。だから、自由に通信ができる。ただし、確か、例外として外向きの TCP 25 だけはフィルタさせていただいている。これは SMTP で SPAM メールを送信されないようにするための措置である。


使い方としては、一番面白いのが、Windows のリモートデスクトップである。Windows Vista / 7 では、リモートデスクトップに IPv6 上の TCP (これを TCPv6 と呼んで良いのだろうか?) を用いることができる。だから、自宅の PC に本サービス (前者と後者のどちらでも良い) に接続し続ける VPN Client をインストールし、IPv6 アドレスをもらっておけば、外出先から、その IPv6 アドレスを指定して、IPv6 インターネットを経由して直接、自分の PC のリモートデスクトップにアクセスできるのである。ただし、残念ながら、外出先で IPv6 のちゃんとしたインターネットが使えるところはほとんど無いだろうから、今のところは、どうせ、外出先の PC も VPN でこれらのサービスに VPN 接続し、そこで IPv6 アドレスをもらってから、IPv6 同士で通信するということになる。それなら、最初から、ASP 型 VPN 実験サービス を使って IPv4 でリモートデスクトップをすれば良いのだが。


実は、この IPv6 サービスは、まだほとんどトラフィックが流れていない。インターネット上にろくな IPv6 のサーバーがなく、また、IPv6 を活用したアプリもほとんどないので、仕方がないかも知れない。トラフィックグラフは以下のようである。

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なお、IPv6 を使う場合も、IPv4 を使う場合も、PacketiX.NET の VPN 実験サーバーを経由すれば、リモートデスクトップを NAT の内側同士でも簡単に接続できてしまう。そうすれば、Desktop VPN オンラインサービス は不要なのではないか、なぜこの商用サービスに競合するような無料サービスを同一会社でやっているのか、と疑問に思われるかも知れない。その違いとしては、Desktop VPN の商用サービスのほうは、確かに VPN のゲートウェイを経由するという点では似ているが、まず、リモートデスクトップ専用のアプリケーションレイヤの VPN ソフトウェアを用いて実装しているため、軽く、一般ユーザー権限でもインストール・実行が可能 (サーバー側も Administrators 権限が実は不要である。だから、社内 PC で、忙しいシステム管理者に代わって (代わりに自分でインストールしてと依頼されて)、一般社員が一般権限でインストールして利用することもできる) という特徴がある。もう 1 つの特徴は、Desktop VPN のゲートウェイサーバーは、PacketiX.NET と違って、高品質な ISP のトランジット回線を高い値段 (月間平均で 1 Mbps あたり 1 万円もする!) で調達し、また、データセンターも、バッテリー設備、自家発電設備を備えた、安定性の高いセキュリティの整ったところに設置・稼働させているという点が異なる。PacketiX.NET は年に数回ダウンするが、Desktop VPN は、2007 年 10 月にサービスインしてから、一時的に利用できなくなったのは 2009 年 4 月 1 日 (日本 SGI のデータセンターから、新しいデータセンターへの引っ越し作業) の早朝の 1 回だけで、あとは無事故で動作し続けている。

きらねきらね 2010/08/02 21:30 Windows では、PC に好きな名前を付けることができますが、名前の衝突は起こらないのでしょうか?
ちなみに、Windows XP でも、コマンド一発で IPv6 を使用することはできます。

softethersoftether 2010/08/03 05:28 名前の衝突は起こります。エラーがポップアップで表示されると思います。Windows XP の IPv6 は、DHCPv6 で DNS サーバーのアドレスを受け取れない&そもそも IPv6 による DNS サーバーとの間の通信に対応していない、という中途半端な実装で、また、起動直後、netsh int ipv6 renew を明示的に実行するまで、なぜか RA を無視するという謎の挙動が見られるので、あまり信頼していません。

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2010年8月1日 (日)

大量のトラフィックを交換する PacketiX.NET 実験サービス

PacketiX.NET セキュアインターネットサービス (英語版は こちら ) という学術実験サービスがある。学術実験このサービスは 2004 年 12 月にソフトイーサ株式会社が SoftEther VPN 2.0 のベータ版の配布を開始した際に同時に立ち上げられた。しかし、その起源は、2003 年 12 月に SoftEther 1.0 のベータ版の配布と同時に開始した「公開 VPN サーバー」に遡ることができる。

インターネット上に公開されている「公開 VPN サーバー」に VPN 接続すれば、その公開 VPN サーバーを経由して、そこを一種のプロキシサーバーとして経由し、インターネットに接続することができる。技術的には、同時に数千人が接続可能な巨大な VPN のイーサネットセグメント (仮想 HUB) が 1 個あり、そこに同時に数千台のコンピュータ (ユーザーが VPN クライアントをインストールして接続操作をした PC) がすべて接続されていることと同じである。イメージとしては、大きな部屋に数千個のポートが付いたスイッチング HUB があり、そこに数千台の PC が LAN ケーブルでスター状に接続している様子を想像すれば良い。しかし、公開 VPN サーバーに単に VPN 接続しても、それだけでは面白くない。そこで、公開 VPN サーバーでは、インターネットに抜ける NAT となるサーバー PC を 1 台用意した。「Public-NAT」という名称である。Public-NAT サーバーは、DHCP サーバー機能も兼ねており、この巨大な PUBLIC という名前の仮想 HUB に接続した VPN クライアントの OS の TCP/IP スタックに対して、プライベート IP アドレスを割り当て、また DHCP のオプション機能により、各クライアント PC が、Public-NAT (共有の NAT) をデフォルト・ゲートウェイおよび DNS サーバーとして利用するよう自動設定情報を配布している。これが PacketiX.NET セキュアインターネットサービス の概要である。

2004 年 12 月から公開した、SoftEther VPN 2.0 (現 PacketiX VPN) のクライアントソフトが接続可能な「public.softether.com」という VPN サーバーおよび「PUBLIC」という名称の仮想 HUB は、合計 16 台のサーバー PC (DELL PowerEdge) によって構成されている。下の写真はそれらのサーバーの写真である。

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インストール中の様子

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現在稼働中のサーバーの設置場所の様子

この公開 VPN サーバーは、2005 年 12 月から 2010 年 8 月までの統計によると、延べ 9,779,418 回 (977 万回) のユーザーからの VPN 接続を受け付けており、通信したデータ量は、なんと、2,176,177,046,821,858 bytes (2.1 ペタバイト) である

これを含めた PacketiX.NET 実験サービス (ASP 型 VPN サービス という、ユーザーごとに個別に仮想 HUB を割り当てるサービスを含む) を構成する VPN クラスタ (クラスタリング機能は これ を使っている) は、現在、平均して 242.72 Mbps のトラフィックをインターネットとの間で交換している。これらのサーバーは筑波大学の実験室で SINET に接続されている。以下のグラフは、最近のトラフィックのグラフ (Cacti というシステムで描いてみた) である。

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1 週間のトラフィック・グラフ

PacketiX.NET 実験サービスはいわば「仮想の ISP」のようなサービスである。インターネットをアクセス回線として使用して、オーバーレイ・ネットワークを構築し、その先に NAT や DHCP を設置して、そこ経由でインターネットに出れるようになっている。なぜこのようなサービスを無償で、大量のユーザーに対して公開するかというと、それは、VPN サーバーソフトウェアの安定性や性能を評価し、また、バグを発見するためには、できるだけ本物の負荷をたくさんかけたほうが良いからである。この実験サービスを 5 年間以上、常に稼働させていることにより、ほとんどの厄介なバグが発見され、駆除された。

VPN を経由した不正アクセスで逮捕されるような人の話

PacketiX.NET 実験サービスのうち PacketiX.NET セキュアインターネットサービス のほうは、そこに接続すると、ユーザーは、自分の IP アドレスを隠ぺいすることができる、いわゆるプロキシサーバーのような役割を果たすサービスである。自分の IP アドレスが、あたかも、public-nat.softether.com [219.117.219.210] になったかのようにして、インターネットにアクセスすることができる。つまり、このサービスに VPN 接続している間は、インターネット上のサーバーに対して通信をすると、あなたの IP アドレスは、普段使っている ISP の IP アドレスではなく、public-nat.softether.com として見えるのである。

これを一旦体験すれば、匿名化に使えるのではないかと思って悪用する人が時々出てくるようである。たとえば、掲示板を荒らしたり、悪口を書き込んだりする際に、この IP アドレスを使用する者がいるようである。PacketiX.NET 実験サービスでは、リアルタイムで通信内容を検閲している訳ではないので、悪い通信を自動的に止めることは不可能である。これは、普通の ISP もリアルタイムで悪い通信を止めることができないということと同等である。ある ISP のユーザーが悪い通信をしたとしても、ISP は原則として、その責任を問われない。もし責任を一々問われるのであれば、ISP を運営することはできなくなってしまう。電話で脅迫などをした電話の利用者がいても、その利用者が悪いのであって、NTT が悪いということにはならない。このことについて、日本では、いわゆる プロバイダ責任制限法 というのがあり、この法律は、ISP の利用者が悪用をしたとき、ISP は法的責任を問われないことを国家が保障するものである (ただし、その免責が適用されるためには、ISP は、この法律の規則に従う必要がある)。PacketiX.NET 実験サービスも、法律上は ISP の行うサービスと同様のサービスである (本サービスは、総務大臣に対して、電気通信事業として届出を行っており、適正に受理されている)。


さて、これまで PacketiX.NET 実験サービスを経由して悪さをした人が何人かいた。特に、不正アクセス禁止法に違反して悪いことをする人が、このサービスを、匿名化のために悪用するようである。しかし、Web サイトにも明記しているように、このサービスは、すべての通信のパケットログを完璧に VPN サーバーで保存しており (そのために大量のハードディスクを買っている。またログが消えてしまわないように、書き込みが可能だが削除することができない特殊なセキュリティ設定をした別のデータベースサーバーにリアルタイムで複製している) 、実は、一時的に IP アドレスを隠すことはできるものの、その IP アドレスと悪いことをした日時から、元の利用者のグローバル IP アドレスを特定することが簡単にできるようになっている。


不正アクセス等の犯罪を調べる警察の担当者は、本サービスを経由して不正アクセスをした者の IP アドレスが public-nat.softether.com (このサービスの公開 VPN サーバーの共有 NAT) である場合は、その管理者であるソフトイーサ社に対して連絡をしてくる仕組みになっている。その際に、不正アクセスのターゲットとなったサーバーのアドレスと日時を警察から教えてもらう。そうすると、悪いことをした人のグローバル IP アドレスを、パケットログに対してクエリーをかけるだけで、すぐに調べることができる。そして、そのパケットログを警察に提供する (このログの提供は、刑事訴訟法の規定に基づくもので、ISP が警察にそれらの情報を提供しても、通信の秘密を侵害したことにはならないというのが通説である)。そしてしばらく (何週間か) 経つと、警察から、例の犯人を逮捕しましたとか、送検しました、どうもありがとうございました、というような連絡が来る。ときどき、ログデータを印刷した紙のようなものを作成して、それに印鑑を押して文書で返送するというようなことを依頼されることもある。

これまで、public-nat.softether.com を経由して不正アクセスや名誉棄損などをした人は、だいたいこうやって摘発されている。具体的に、どの事件がということは公開していないが、よく、ニュースとか新聞とかで不正アクセスして捕まった人というのが出ているが、それのうち一部は、日本では、public-nat.softether.com を経由した、愚かな (考えの足らない) 人による事件である。なぜ、このサービスではパケットログが保存されていて、悪いことをすれば後で追跡されますと明記しているのに、それを気にせずに悪いひとをする人が出てくるのかは、理解に苦しむが、たぶん、不正にお金が欲しいという気分のときはそういうことを深く考えないのだろう (不正アクセスで逮捕されるのは、ほとんど、オンラインバンキングに他人の ID でログインして送金したとか、他人の ID でオンラインゲームに接続してアイテムを奪取してそれを転売したとか、また、不正アクセスではないが、他人のクレジットカード番号で詐欺をしたとかいう、不正なお金儲けのための行為があったときである)。


京都府警ハイテク犯罪対策室で聞いてきた話

日本のハイテク犯罪 (といっても本当にハイテクな犯罪は少なく、たいていは上記で書いたような、簡単な犯罪) の捜査のニュースで、よく、京都府警ハイテク犯罪対策室というのが出てきて、結構有名である。PacketiX VPN を使って不正アクセスのようなことをした人をここが捜査して、逮捕したことがある。そのつながりで、ここに遊びに行って、そこの担当の方にいろいろ様子を教えてもらった。

それで、この京都府警ハイテク犯罪対策室にいる現場の人は、警察の中では結構コンピュータについて詳しい部類に入るが、それでも、実はあまり詳しくなく、事件の都度、その事件に関する技術知識を急いで調べて勉強するというような感じであるということがわかった。外から見ていると、ハイテク犯罪事件で、誰かが被害を受けて告訴してから、何か月も放っておいてそれから逮捕するというようなことがよくあるように見えて、なぜそんなに長い時間放っておいてから逮捕するのかというのが疑問に思えていた訳だが、どうやら、それは放っているのではなく、その間に、関連する技術について、新たに一生懸命に勉強するので、必然的に時間がかかるようである。

また、ファイル交換関係のソフトウェア等について、よくこの京都府警ハイテク犯罪対策室が摘発するので、この捜査室は何か政治的な意図を持って行動しているのではないかというような批判がネット等で出てくることが多いと思うが、京都府警ハイテク犯罪対策室の中で、何かそういう政治的な意図でもって警察の力を濫用して特定の領域について極端に取り締まりをするというような話は無いというような印象を受けた。もっぱらここにいる担当の人たちは善良であって、単に告訴があれば順番に無差別に処理しているだけだという感じである。政治的な戦略判断をしているようには見えない。もしそういう戦略を決めているところがあるとしたら、より上位の機関であって、京都府警ではないと思われる。

(一応、日記にこういうことを書いて欲しいと頼まれた訳ではない。)

霞が関関係者霞が関関係者 2010/08/04 23:34 > このログの提供は、刑事訴訟法の規定に基づくもので、ISP が警察にそれらの情報を提供しても、通信の秘密を侵害したことにはならないというのが通説である

 このような説を唱えている論者もいるかもしれませんが通説とは到底言えないと思いますし、実務ではそのような解釈は採られていません。
 通信の秘密の保護は憲法に由来する義務であり、法令に基づく照会であってもそれが刑事訴訟法(197条2項)等の概括的な規定に基づくものであれば回答は許されません。これは、内閣法制局の正式な見解であり、電気通信事業法を所管する総務省が一貫して維持している解釈です。捜査の手がかりが少しでも欲しい捜査機関(警視庁や県警等)が刑事訴訟法でもOKのはずだという独自の説を述べることが(たびたび)ありますが、政府の統一見解ではありません。
 通信の秘密に係る情報は、緊急避難等の例外的な事象を除き、憲法の令状主義の原則どおり裁判所が発する差押令状による差押え以外の方法では取得できませんし、ISPが令状に基づかず任意に提出することは通信の秘密侵害罪を構成することになります。
 なお、刑事訴訟法197条2項に基づく捜査関係事項照会は、特定の事項に関する照会に対して回答を求めることができるだけであり、システムからの出力を含む媒体(紙やCD、DVD等)や特定の書面の原本をそのまま提出することまでも求めることができるものでもありません。「ログデータを印刷した紙のようなものを作成して、それに印鑑を押して文書で返送するというようなことを依頼される」ことに対して対応することは、仮に捜査関係事項照会に対する回答が可能な場面(通信の秘密に関する情報を含まない場合)であったとしても、対応方法としては誤っています。

某オペレータ某オペレータ 2010/08/06 21:25 携帯電話各社においては、警察からの「捜査事項照会書類」が発せられた場合は、通信記録を回答する運用としています。

霞が関関係者霞が関関係者 2010/08/08 05:55 総務省(消費者行政課)に情報提供しておきます。

某利用者某利用者 2010/08/08 11:50 public-natは以前はSINET経由で高速だったのになんでVectantフレッツ回線経由になってしまったのでしょうか?
SINETの方が速度的には有利ではありませんか?
よろしくお願いします

法務屋法務屋 2010/08/08 14:54 こういう案件については、政府統一見解がなく、総務省と法務省・警察庁で見解が分かれていて、揉めているようです。

2010年7月31日 (土)

首都高が渋滞した時に外環を使う工夫

今年の 3 月末に、首都高速の新宿 <--> 渋谷間の C2 トンネルが開通したことにより、首都高の渋滞は以前と比べて随分マシになった。

そのため、最近は、つくばから常磐道を経由して都心へ行く場合は、空いている日であれば 1 時間もかからずに着く。

つくばエクスプレス (最近は、とても混んでいて、特に、夜に疲れて帰る時に、ものすごく通勤客で混み合っていて座ることが難しく、また、秋葉原駅のエスカレーターがものすごく深いところにあって JR 線からの乗り換えに徒歩で時間がかかる、エレベータの少ない、サービスの悪い路線) を使って都心へ行き、そこで他の路線に乗り換えることと比べると、車で行ったほうが、時間はほとんど変わらずに、かつ楽に都心へ行けるので、大変都合が良い (余談だが、つくばエクスプレスはエクスプレスと書いてあるだけで、別に特急路線ではない。普通の都内の郊外への路線と大して変わらない。最近、1 両でも良いから、高いお金がかかっても良いので、指定席・グリーン車的な席を用意して欲しいと思う。つくばエクスプレスは当初の予想を超える人数の通勤客に使われるようになってしまったので、席を取るのも必死である) 。

しかし、それでも、首都高は日によってはとても渋滞することがある。たとえば何か所かで同時に事故があると、その日はもう渋滞がずっと発生していてダメである。そのような日に車でつくばから都心へ行くには、少し工夫しなければならない。

下の図 (赤は渋滞、橙色は混雑を意味する) のように状態が発生しているとき、つくば (右上) から霞が関 (左下) へ行くにはどうすれば良いだろうか。下図のように、堀切 JCT 付近、両国 JCT 付近、および C2 の内回りは混む可能性が高い道路である。首都高が昼間渋滞しているときは、典型的に、下図のように渋滞していることがある。

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このようなとき、普通のルート (常磐道 → 首都高 6 号線 → 両国 JCT → 箱崎 JCT → C1 内回り → 霞が関) で走行するのはやめたほうが良い。少なくとも首都高に入ってから 1 時間くらい、酷いときには 2、3 時間くらいかかってしまう場合がある。特に重要な約束があるときには危険である。重要な約束があるときにギリギリの時間に車で都心へ行くのは間違っているのではないかと思うかも知れないが、重い物を持っていく用事とか、本当に時間が勿体ない事情とかがある場合を仮定する。

こういう場合は、外環を使うのが良い。首都高は定価 600 円、外環は 500 円取られるので、単に都心へ行くだけの目的で、外環を使うのは、お金を節約しようとしている人にとってはもったいないと思われるかも知れないが、そういう人が多いのか、このように渋滞している時でも大抵は外環は空いている。外環が混む可能性は比較的低い。外環が接続している先で渋滞しているときか、外環の中で事故があったときくらいである。

以下の図のように、三郷 JCT から外環で美女木 JCT まで行き、美女木 JCT にある有名な、高速道路中にある信号機付きの交差点 を通って、そこから首都高 (5 号線) に入り、次に、2008 年に開通した板橋・西新宿間の C2 のトンネルに入る。このトンネルが渋滞していなければ、大橋 JCT (要するに渋谷線) まで行き、そこで都心の方向に向かい、C1 を外回りで霞が関まで行ってもよい。しかし、図のように、C2 のトンネルの先が、新宿から渋谷までの間、渋滞していることがよくある。そういう場合は、途中で諦めて、西新宿 JCT で 4 号線に出る。ここが C2 のトンネルの欠点の 1 つで、トンネルから西新宿 JCT に入ると、4 号線下り (中央道方面) にしか行けないようになっている。そこで仕方なくすぐ先の幡ヶ谷 IC で一般道に降りて、そこの一般道を少し走って「笹塚交差点」のあたりで U ターンし、もう一度幡ヶ谷 IC で首都高に乗る (つまり、首都高を一回降りて、またすぐに乗る)。あとは C1 まで行き、普通に霞が関で降りる。

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本来、渋滞が無い場合、つくばから霞が関は 1 時間で行けるので、電車などて行くよりも少し早いくらいで楽であるが、上図のように渋滞があった場合でも、このように工夫することで、1 時間 30 分くらいで着くことができる。もし渋滞があったときに普通のルートで行けば 2 時間も 3 時間もかかってしまうリスクがあるから、早めに見極めて、迂回するのが良い。ただし、お金はかかってしまう。普通のルートでは首都高代 600 円であるが、この迂回ルートでは、外環 500 円、首都高 600 円 × 2 の合計 1,700 円がかかってしまう。しかし渋滞で何時間か留まってしまう可能性を考えると適正な出費かも知れない。

なお、よく聞く話だが、首都高では、渋滞しているからといって、一般道に降りて回避しようとしてもダメである。どんなに渋滞していても、大概は首都高のほうが空いている一般道よりも早く着く。これは何度か実験してみて、ほとんどの場合正しいと思った。もちろん、大事故で首都高が完全に止まっているときは、一般道を通ったほうが早いのは当然である。

iPhone 版の Skype は常駐させてはならない

iPhone (iOS 4.0) 用の Skype がダウンロード可能である。このバージョンの Skype は iOS 4.0 のマルチタスク機能を活用して、バックグラウンドで動作するような仕組みになっている。

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しかし、まだこの Skype は CPU 使用に関する工夫と最適化が不十分のようである。バックグラウンドで動作することを許可された iPhone 用アプリは、当然、バックグラウンドにあるときは、CPU 時間をできるだけ使わないように工夫してプログラミングしなければならない。しかし挙動を見ると、Skype は、特に何もしていないときでも iPhone の CPU 時間を大量に消費しているように見える (バックグラウンドで通話中の場合に CPU 時間を消費しているというのは正当であるから理解できる。しかし Skype の場合は本当に何もしていなくても、待ち受けしているだけで、ものすごくたくさんの CPU 時間を食う)。どれくらいひどいかというと、iPhone 4 で試したところ、何もしていない状態でと平気で 2 日間くらいバッテリーが持つのに、Skype をバックグラウンドで起動しているだけで、5、6 時間でバッテリーが切れてしまうくらいひどいのである。

iOS 4.0 のマルチタスク機能では、一度起動したマルチタスク対応のアプリは、明示的に終了しなければプロセスが削除されず、ずっと動作したままになる。普通のマルチタスク対応アプリは、プロセスごとサスペンドされて CPU 時間は一切消費しなくなるが、Skype やネットラジオ等のアプリだけは、CPU 時間を消費する。ネットラジオのアプリでも、まともにプログラミングされているもの (NPR Player など) は、ラジオを聞いていないときではほとんど CPU を消費しない。しかし Skype だけは大量に消費する。これは推測であるが、Skype は待ち受けするために、常にいくつかのコネクションをスーパーノードとの間で維持する必要があり、それを休みなくバックグラウンドで処理しようとするために、たくさん CPU 時間を常時消費しているのではないかと思われる。だから、Skype を、ほとんど発信のためだけにしか使わないと決めている人は、iOS 4.0 では、Skype に用が無くなったら毎回こまめに終了する癖を付けなければならない。また、上記のようなバッテリー上の理由で、Skype を今のところ iPhone で着信のために使うというのは、常に充電可能な環境である場合以外は、非現実的であると思う。さらに、Skype をバックグラウンドで起動していると、フォアグラウンドの操作が若干重くなり、ストレスを感じるので、やはり、まだバックグラウンドモードの Skype のソフトウェアは発展途上であるといえる。

なお、Skype をバックグラウンドで起動していても、なぜか CPU 時間を全く消費しないときもある。どのような場合に CPU 時間を大量に継続的に消費し、どのような場合には正しく節約しているのか、というのは、まだよくわからないが、挙動を見ていると、バックグラウンドのまま、回線を 3G から Wifi に変えたり、また Wifi から 3G に変えたり、あるいは、3G を使っているがよく圏外になったりするようなときに、CPU 時間をたくさん Skype が使うように思える。また、一度 CPU 時間をたくさん使うようになったら、その後ずっと使ってしまうようである。たぶん、スーパーノードを探してコネクションを張るためのプログラムの一部にバグがあるのだろう。

hdkhdk 2010/07/31 18:54 首都高って普通車 700 円ですよね

softethersoftether 2010/07/31 19:28 なるほど、しまった

ガウスガウス 2010/08/01 00:01 >1両でも良いから、高いお金がかかっても良いので、指定席・グリーン車的な席を用意して欲しい

さすが、お金持ちの発想ですね...

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2010年7月30日 (金)

iBooks (iPad 電子書籍) で英和辞書を表示させる裏技

最近、iPad を使って電子書籍を読んでいる。iPad における電子書籍のシステムとしては、Apple の iBooks と Amazon の Kindle (キンドル) の 2 種類が有名である。いずれもインターネット上で書籍を電子的に購入しすぐにダウンロードすることができる。Kindle といっても、Amazon 製のハードウェアを買わなくても、iPhone または iPad があれば、Kindle アプリケーションをダウンロードして、そこで Amazon.com の Web サイト上で購入 (決済) した書籍をすぐにダウンロードして表示できる。

電子書籍がこのように利用可能になるまでは、日本では、洋書を購入したいと思っても、書店にはなかなか置いておらず、Amazon で注文すると米国から取り寄せるので数日間かかっていたが、これが瞬時に購入できるようになったというのは大変便利である。しかも、iPad や iPhone でいつでも読めるし、何冊分も持ち歩いても重さが増えないのが良い点である。品揃えの点で比較すると、iBooks よりも Kindle のほうが良いように見える。流石に書籍販売の老舗であるだけのことはある。しかし、Kindle においても、まだ、画像が多い (ファイルサイズが大きくなる) ような本の数は少ないようだ。

今のところ iBooks、Kindle のいずれも洋書しかまだ提供されていない。iBooks は Apple の方針により、日本のユーザーに対しては、まだ本格的に電子書籍のダウンロード (購入) を認めていない。iTunes のアカウント (Apple ID) として登録されている居住所が米国かそれ以外かで、ダウンロード可能な洋書を制限しているようである。これは恐らく権利関係の問題だと思われる。これと比較して、Kindle では、日本の居住者であっても、特に差別を受けることなくほとんどの洋書を購入できるようだ (ごく一部の洋書は購入できないという注意書きが Amazon.com のサイトに掲載されていたが、具体的にどのような本が該当するのかは分からなかった。Amazon.com では mp3 のダウンロード購入が可能だが、これも居住地が米国以外だと購入できないものが多いので、似たような制限であると思われる)。

今のところ、iBooks では本来は米国の居住者でしか洋書を購入できず (日本の Apple ID でもいくつかの書籍は表示されるが、あまり面白いものがない)、また、その認証は Apple ID と共に登録するクレジットカードの発行地によって識別しているようである。したがって、米国のカード会社発行のクレジットカードがなければ、原則としては洋書が購入できないはずであるが、裏技として、このような Web サイトで購入できる iTunes Music Store Card (プリペイドカード) を使って日本から米国用の Apple ID を取得して使用するということも技術的には可能であると思われる。

しかし、米国の iTunes Store の規約 によると、「iTunes Store でのご購入は米国の領土および占領地の中でのみ可能です。」というようなことが書いてある。したがって、上記の方法で、日本にいる人が、米国の Apple ID を取得して iTunes Store から音楽や電子書籍を購入することは禁止されているように見える。また、米国人であっても、米国外に旅行した際に iPad や iPhone を持って行って、そこから購入することは禁止されているということになる。逆に、日本人が、米国へ旅行に行った際に購入するのは良いということである。また、「米国の領土および占領地の中で」購入すれば良い訳であるから、日本人が、在日米軍基地の領地に一時的に立ち入って (桜祭りなど) そこで購入操作を行えば、それは iTunes Store の規約に準拠した購入行為であると思われる。

余談だが、推測としては、この規約は、何となく、Apple が音楽や電子書籍の既得権者に、書け書けと言われて、本意ではないけれど、仕方なく書いているように思える。既得権者としては、地域ごとに異なる価格でコンテンツを売ってお金儲けをしたい訳だが、これまでは国境・税関の壁というのがあり、既得権者は何も努力しなくてもその壁によって思惑通りになっていたところ、電子的なダウンロード形態はそのような国境の壁を通り抜けてしまうので、困っているのだろう。

さて、以下では、日本人が、iTunes Store (米国) で、iBooks 用の電子書籍を、上記のように、iTunes Store の規約に準拠して正規に購入した場合を仮定した話をする。

iBooks で購入した洋書は、当然英語が書かれているので、わからない単語が出てくる。この際、iBooks には標準で英英辞書が入っている。New Oxford American Dictionary という辞書である。実は英語の本を読むときには、英和辞書を引くよりも、英英辞書を引くほうが、脳の中で一時的にでも日本語の思考ルーチンが呼び出されることがないので良いらしい。

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しかし、そもそも、英英辞書は、英語圏の人のために言葉の意味を詳しく知るために作られた辞書である。そこで、英語の初心者の場合は、英英辞書を読んでもよく意味が分からないという場合が多いかも知れない。日本人が洋書を読むときに、できれば、iBooks が、英英辞書よりも、英和辞書を表示してくれたほうが良いと思う人も多いだろう。

そこで調べてみたところ、驚愕の事実が分かった。実は、iBooks の中には、英英辞書 (New Oxford American Dictionary) の他に、標準で、「小学館プログレッシブ英和・和英辞書」の全データが入っているのである。このことに気付いた方の blog が ここ にあった。この blog によると、iPad / iPhone 内の設定ファイルをいじることにより、英英辞書でなく、代わりに、英和辞書を呼び出して表示することができる。これはびっくりである。なぜ Apple は、iBooks に辞書の選択機能を付けなかったのだろうか。データとして「小学館プログレッシブ英和・和英辞書」が内蔵されているのに、それが標準で使えないのは、とてももったいないことである。これは、iBooks は現在、主に米国人のために提供されているアプリであり、日本人が iBooks を利用することはあまり想定されていないということが原因であると思われる。

上記の方法を用いることで、英和辞書を表示することができるらしいのだが、そのための設定ファイル (XML) を書きかえるためには、iPad / iPhone の Jailbreak が必要であるということである。Jailbreak をすることは技術的なリスクが伴うし、また、iPad の OS のバージョンを最新に上げてしまっているので、Jailbreak 用の expliot を行うことが難しかった。そのため、Jailbreak は諦めて、他の方法を調べてみることにした。

そこで調べた結果、この blog 記事 によると、ePub データの中の language タグを en から ja に変えるだけで、辞書として英和辞書が呼び出されるようになるらしいと書かれていた。そこで、試しに iTunes で購入した洋書のデータファイルを何冊か書き換えて iPad に再転送してみると、確かに、以下のように英和辞書が表示されるようになった。これは完璧に動作し、全く不具合は感じられない。

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上記のように、標準状態では英英辞書が表示されてしまうところを、

方法は少し面倒であるが、慣れれば 1 冊の ePub データにつき、1 分くらいでできる。これを自動化するプログラムも、簡単に書けそうである。以下に手順を示すので、興味がある方は自己責任で試してみるとよい。

まず、iTunes でダウンロードした電子書籍データの ePub ファイルを開く。ePub ファイルは、Windows 版 iTunes の場合は、「My Documents」の下の「My Music\iTunes」等に保存されているはずである。保存場所は iTunes の「ブック」フォルダの中の当該書籍のプロパティを表示すると正確に画面に表示される。

ePub ファイルは、実は ZIP 形式のアーカイブファイルである。普通の ZIP アーカイバ (Lhasa とか) で展開することができる。また、Windows のエクスプローラで開くこともできる。そこで、拡張子 .epub を一時的に .zip に変更し、開いてみよう。すると、以下の画面のように、いくつかのサブディレクトリがあり、いずれかのディレクトリの中に「.opf」という拡張子のファイルがある。

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この .opf ファイルをテキストエディタで開くと、XML データ形式になっていることがわかる。そこで、「dc:language」という名前のタグを探し、その値が「en」になっていると思うので、それを「ja」に書き換える。

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書き換えたら .opf ファイルを保存して、元の ePub ファイル (ZIP ファイル) に書き戻して保存する。そして、拡張子を .zip から .epub に戻す。それを iTunes で iPad や iPhone の iBooks に書きこむ (同期する)。なお、すでに iPad 上の iBooks にその書籍が登録されている場合は、一度削除してから、同期する必要がある (すでに登録されている書籍データと同一の ID を持つ ePub ファイルを iPad に書き込もうとしても無視される。恐らく、ファイル内容やハッシュなどはチェックせずに、単に ID だけで重複検査をしているのだと思われる)。そして iBooks を起動すると、とても嬉しいことに、単語を調べる際に英和辞書が表示されるようになる。

なお、前述の Jailbreak して辞書の指定を書きかえる方法で英和辞書を表示することもできるかも知れないが、その方法だと、すべての洋書に対して、表示される辞書が英和辞書になってしまう。

ここで紹介した方法は、それと異なり、洋書ごとに、英英辞書を表示させるか、英和辞書を表示させるかを個別に設定することができる訳である。たとえば、簡単な難易度の本は英英辞書で、とても難しく分からない単語だらけの本はストレスがたまらないように英和辞書で勉強しながら読み進めるということができる。


iPad / iPhone 版 Kindle に辞書が搭載された

昨日、iPad 版 Kindle アプリに辞書が搭載されたバージョンがダウンロード (アップデート) 可能になった。ただし、英英辞書のみである。これも Apple の iBooks と同様に、New Oxford American Dictionary が使用されている。実はハードウェア版 Kindle には昔から英英辞書が搭載されていたが、iPad 版には未搭載であった。これが非英語圏の読者が iPad 版 Kindle で洋書を読む際における欠点であったが、今回のアップデートにより、Kindle のその弱点はなくなったことになる。

iBooks は前述のように、品ぞろえが Kindle Store と比較すると悪いし、また、米国の領土以外で洋書を購入することが規約上できないように書いてあるので、日本人が日本から iBooks 用の本を購入するのは気持ちが悪いという欠点がある。しかしこれまでは Kindle アプリが辞書を持っていなかったので、仕方なく iBooks のほうを使っていた人もいただろう。だが、このアップデートによって、下の画面のように、iBooks と同様の辞書が Kindle でも表示できるようになったので、英英辞書で満足できる人は、これでもう iBooks を使う必要は無くなるかも知れない。

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iBooks と比較して Kindle が良いところは、iPad, iPhone, ハードウェア版 Kindle、PC (Windows) でも書籍が読める点にあると思う。iBooks では iPad や iPhone でしか読めない。Kindle Store で購入した本は、もし、将来、iPad や iPhone がガラクタになってしまっても、新たなデバイス上で Kindle アプリが走れば、再度書籍を購入しなくてもそのまま読める訳である。Amazon の戦略を考えると、今後、多くの携帯デバイスで Kindle アプリが動作するようにしそうなところである。これと比較して、iBooks 用に書籍を購入することは、今のところ、Apple のデバイスに依存してしまうというリスクを抱えることになる。

また、上記の画面を、iBooks の辞書の写真と比較していただければわかりやすいが、Kindle では、英英辞書の単語は画面の下の部分に表示される。iBooks では、iPad 版ではポップアップ形式で、iPhone 版では画面が切り替わって表示される。どちらかというと、Kindle の表示方法のほうが目ざわり感が低いと主観的には思う。さらに、Kindle では単語を 1 度タップするだけで、簡単に辞書が出てくるが、iBooks では単語をタップしてさらに「辞書」というボタンをタップしなければ辞書が出てこない (要するにタップ回数が 1 回多く必要である)。また辞書を表示するときのレスポンス (体感速度) も Kindle のほうが断然良い。

逆に iPad 版 Kindle の欠点は、今のところ、英英辞書しか内蔵しておらず (厳密には、内蔵ではなく、最初に辞書を使用しようとする際に自動的にダウンロードされるようである。これは iPhone 版の iBooks も同様である)、英和辞書を表示する方法が無いということである。ハードウェア版 Kindle では無理やり英和辞書を入れる方法があるらしいが、今のところ、iPad 版 Kindle ではそれは不可能である (もしかすると、Jailbreak すれば可能なのかも知れない)。さらにもう 1 つの欠点は、iBooks が一応は (暗号化はされているものの) ePub 形式でデータをファイルの形式でダウンロードできるのに比べ、Kindle ではプロプライエタリな独自形式でしかデータをダウンロードできない点である。この 2 つが解決されれば、Kindle のほうが iBooks よりも強い電子書籍閲覧・配信システムになると思う。

2010年6月26日 (土)

今日の出来事


16:37 10分ごとにMACアドレスを変更すれば良いのではないですか? RT @tkb_na: TX無線LANのお試し利用中 一日一台10分なので4台無線につなげる機器を持ち込めば終点まで使えるw #

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2010年6月25日 (金)

今日の出来事


14:08 UT-VPN の UNIX 版ソースコード (Beta) を以下に置きました。自由にコンパイルして起動できます。詳しくは SoftEther ML をお読みください。utvpn.tsukuba.ac.jp/files/beta/ #

14:09 UT-VPN の UNIX 版は、Linux, FreeBSD, Solaris, Mac OS X で動作します。一部の OS には機能に制限があります。 #

2010年6月20日 (日)

今日の出来事


01:21 UT-VPNのUNIX版は、今週中に出る予定です。ソースコードも出ます。 #

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2010年6月18日 (金)

今日の出来事


18:44 Windows のPPTを画像にする -&gt; 画像をPPTにする -&gt; PPT を keynote でプレゼンする が結構良い RT @ceekz: iPad でプレゼンする場合は keynote よりも PDF の方が良いのだろうか。 bit.ly/a8BAHp #

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2010年6月11日 (金)

今日の出来事


20:14 INTEROP 撤収完了!帰還!! #

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2010年6月10日 (木)

今日の出来事


19:23 幕張メッセに来ています。

4年くらい前にここの近くのパスタ屋で、新城先生のキウイ・ジュース(?)のようなものがあったはずなので、さっき行ってみたらメニューから無くなっていた。 #

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2010年6月7日 (月)

今日の出来事


15:36 PacketiX VPN 3.0 をオープンソース化しました。どうぞお使いください。ソースコードは INTEROP で配布します。また、6 月末にダウンロードもできるようになります。 bit.ly/9TIV2b #

15:36 INTEROP で配布する予定のソースコードは GPLv2 ライセンスが適用されると明記されていますので、それを誰かがダウンロードして、どこかにアップロードすることも可能です。 #

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