11月05日のマーケット

2012年11月05日のニュース、経済指標などをまとめました。世界経済は完全にマイナスモードですね。問題が噴出した感じでしょうか。


国内のニュース

●コスモ石:双日エネルギーの株式97%を取得へ−双日の全保有
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZXX66S972D01.html

コスモ石油 は5日、国内の販売網を強化するため双日保有する双日エネルギー株97%を取得すると発表した。株式の譲渡は2013年1月31日を予定。取得額は非公表で、最終的には100%の取得を目指すという。

双日エネルギー
・石油製品の小売りや卸売り、産業用燃料の販売などを手掛ける。
・国内の業者間転売市場(スポット市場)で積極的な取引を行う。
・ガソリンスタンドや卸売り販売店など205カ所の販売網を持つ。
・年間約200万キロリットルの石油製品を販売している。
・12年3月期の売上高は1987億円、純利益は5300万円。
・11年3月期の純損益は1億500万円の赤字。
・株式は、双日が97.08%、コスモ石油が0.15%、昭和シェル石油が0.45%、JX日鉱日石エネルギーが0.15%それぞれ保有している。

コスモ石油
・基幹事業である国内の石油精製・販売事業の収益を強化したい。
・国内でしっかりした販路を確保するのが収益性には一番良い。
・株式の取得に必要な資金は、自己資金と借り入れで賄う。

なお、国内需要の低迷や、経済産業省が事実上の製油所能力削減を求めた「エネルギー供給構造高度化法」に対応するため、坂出製油所(香川県坂出市)を13年7月に閉鎖予定。

四日市製油所の第6常圧蒸留装置の廃止も予想され、これを合わせると製油所の原油処理能力(現在:日量63万5000バレル)は14年3月末までに35%減る見通し。販路=拡大、供給力=減少。今後の需給の検討を踏まえても、安定販路を確保するに足りる供給力はこれからも持っていけると判断。



●最悪赤字続くシャープ、公的支援迫られる可能性−市場関係者
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCUN0V07SXKX01.html

液晶や太陽電池の不振に苦しむシャープ が公的支援の申請を迫られるかもしれない、との見方が市場で出始めている。今期(2013年3月期)に2年連続で過去最悪規模の純損失を出す見込みであるのに伴い、財務悪化が急激に進んでいることが背景。

・9月末に銀行団と3600億円のシンジケートローン(協調融資)契約。
・期間は来年6月末まで。
・資金改善施策も含めて資金繰りにはめどが立っていると発表。
・メーン2行からの強力な支援姿勢は明確とのこと。

しかし
・来年9月には、CB2000億円が償還期限を迎える。
・09年に無担保転換社債型新株予約権付社債(CB)を液晶投資目的で発行。
・台湾・鴻海精密工業 との資本提携条件見直し交渉もシャープ株価低迷で難航。
・今年9月末の自己資本比率は9.9%。

CB償還資金の調達のめどが立っていないとし、増資するにしても今の株価では公募での調達は無理との指摘も。09年の日立製作所では公募増資の発表直後に株価下落で調達額が急減した例がある。業績改善→資本増強の順序が必須。産業革新機構企業再生支援機構といった政府系ファンドの支援や別の民間企業との合併もあり得るか。

5日のシャープ株価は前週末比7.3%安まで売られた。終値は同6.7%安の154円。2日に格付け会社フィッチ・レーティングス長期格付けを一気に6段階下げてジャンク級としたため。米スタンダード&プアーズ(S&P)も8月末に長期格付けを投機的に下げており、社債市場からの調達も厳しい。

支援の可能性に関し、国益への影響を慎重に見極める必要性が指摘される。産業政策として必要なことがないか常に注視する一方で、電機各社が国内で競合を続けている中、公的資金による救済を行えばモラルハザード・税金の垂れ流しになる危険性があるとのこと。


トヨタ特集

参考:2013年3月期(平成25年3月期)決算報告
http://www.toyota.co.jp/jpn/investors/financial_results/2013/index.html


トヨタ:原価低減で国内収益改善、ものづくり守る−純利益予想を増額
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD03IC6TTDTE01.html

国内自動車最大手のトヨタ自動車 は今期(2013年3月期)の純利益予想を従来比で200億円増額して7800億円とした。中国や欧州販売の低迷や円高の影響を受ける中、原価低減を着実に推し進め、国内事業の収益を大幅に改善させたことなどが奏功した。

トヨタが5日発表した決算資料によると、

・今期純利益予想は前期比2.8倍に上方修正。
・営業利益も1兆円→1兆500億円(前期比3倍)に上方修正。

・今期グループ世界販売は880万台→875万台(前期比19%増)に見直した。
・日本:計画値を据え置き。
・北米:2万台積み増す。
・欧州:4万台引き下げ。
・アジア:5万台引き下げ。

改善が目立ったのは国内事業。設計面や工場・物流の改善など原価低減活動が想定以上のペースで進み、今期単体の営業赤字予想は従来の700億円から200億円まで縮小する。単体決算の改善分が連結利益予想の引き上げにつながったと指摘。

トヨタは今年4月、車のプラットフォームや部品の共有化などを通じて商品力向上とコスト削減を目指す新しいクルマづくりの方式「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」を発表。生産工程をあらためて見直し、無駄を排除して効率的な自動車生産に取り組むとしていた。

国内生産300万台の方針は今後も不変と述べ、国内販売の比率を高めて輸出との割合を1対1にするなどの方法で円高の影響を緩和し、国内にものづくりの基盤を残したいと話した。

7−9月は、純利益が前年同期比3.2倍の2579億円となった。株価終値は前週末比2.2%高の3210円。年初来では25%の上昇で、日産自やホンダの変化率を上回っている。



●国内自動車勢の中国生産正常化、早くても来年7月以降-トヨタ内部資料
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCUM9E1A1I4H01.html

一方、日本車不買運動のある中国販売について、今下期20万台の影響を見込んでいる。販売不振は純利益に300億円程度の影響。減産が完全に解消される時期は、早くても2013年7−9月期までずれこむ可能性があるとの予測。

トヨタ経済・市場調査室作成の10月23日付の資料によると、中国での日本の自動車メーカーの生産体制について、「日系企業の生産・投資が10カ月後に元の水準に回復」と「10カ月後も元の水準に戻らず」の2通りのパターンを想定。

楽観的なシナリオ
・来年1−3月の生産は平常時の20%減の水準。
・4−6月に10%減まで回復。
・7月以降にほぼ回復するとしている。

悲観的なシナリオ
・生産の回復ペースはより遅くなる。
・来年7−9月期以降も2割減で、元の水準に戻らないとしている。

現状では見通しが立ちにくい。仮に中国側が習近平体制になったとしても、日本で総選挙が終わり中国と対話が始められるようにならなければ改善は難しいとのこと。

各社の首脳は9月以降、記者会見などで中国事業の展望について述べてきたが、トヨタの内部資料に記載された生産回復のシナリオは、こうした公式コメントよりも悲観的だ。

・ホンダ:岩村哲夫副社長「中国販売は春節(来年2月)ごろまで何らかの影響が残る。春節明けに通常に戻る」
・日産自:西川廣人副社長「中国販売は2カ月内に正常化へ向かい始めると期待している」
マツダ山内孝社長兼会長「状況は厳しい。販売は12月まで4割減、来年3月まで2割減とみている」
富士重工業:吉永泰之社長「中国販売の正常化には半年くらいかかる」

足元の中国での販売状況が底を打ったかどうかはまだ分からないため、11月にもっと下落幅が小さくなるかによるか。



トヨタプリウスの新デザイン検討−年間販売台数70万台間近
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZKJH6JTSEA01.html

中国とは対照的に、米国市場は年間需要1400万台・トヨタの年間販売は200万台を見込み、堅調な推移。

トヨタ米国グループでは、過去最高の年間販売台数を記録する見通しのハイブリッド車プリウス」の次期モデルについて、空気抵抗の小さい独特のくさび形デザインを維持するかどうか検討している。

「これまでのモデルのスタイルはやや似通っていた。われわれが現在検討しているのは進化させるか、もっと進化させるかだ。ただ、まだ選択肢の中からどれを選ぶか決めておらず、主力のハッチバックの次期モデル発売まであと1年余りかかるだろう」とのこと。

プリウスのデザインはこれこそハイブリッド車だという特性を表したものであり、その点では高い評価を受けているものの、これからは一部のタイプの購入者だけでなく、広範な購入層向けに移行すべきだと言う。

トヨタのデータによれば、ハッチバックとワゴン、プラグイン、Cサブコンパクト(日本名アクア)を含むプリウスの世界販売台数は年初から9月末までに69万1281台と、昨年全体を60%上回る水準となっている。プリウスのこれまでの販売記録は2010年の50万9399台で、当時販売されていたのはハッチバックだけだった。


EUのニュース

●ユーロ圏投資家信頼感、11月は3カ月連続改善−センティックス
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD0ELX6JTSEE01.html

ドイツの調査会社センティックスがまとめたユーロ圏の11月の投資家信頼感指数はマイナス18.8と、10月のマイナス22.2から上昇。3カ月連続で改善した。欧州中央銀行(ECB)の国債購入計画で金融市場が落ち着いた状況を反映したもようだ。

過去数週間はどちらかと言えば静かだったが、ユーロ圏危機に関する新たな悪材料が出なかったことが投資家の信頼感を高めたのかもしれないとのこと。ドラギECB総裁が夏季に打ち出した計画が効果を示すと投資家が確信を強めた可能性もある。



●イタリアは2013年もマイナス成長、失業率上昇へ−ISTAT
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD0IC06KLVR501.html

イタリア経済は2013年7−12月(下期)に入るまでは回復が始まらない見込みだ。家計消費の落ち込みを外需が補うことができないとみられる。イタリア国家統計局(ISTAT)が5日発表した。

国内総生産(GDP)は12年に2.3%縮小する見込み
・5月時点の予想は今年が1.5%のマイナス成長、来年が0.5%のプラス成長
・世界貿易が減速し、金融市場の緊張が高まった場合、下方修正される可能性がある

・家計支出は12年に3.2%、13年に0.7%減少する見込み
・来年下期に、逆風の圧力が和らぎ緩やかな回復が始まると予想
・支出は、労働市場の厳しい環境が継続するため引き続き縮小と予想
・失業率 は今年10.6%、13年が11.4%となる見込み

・経済成長にプラス寄与するのは輸出のみとなるだろう
・輸出の伸び率は今年が1.3%、来年は2.4%を予想

イタリア経済は昨年10−12月(第4四半期)に01年以来4回目のリセッション(景気後退)入りしている。


●ドイツ2年債がマイナス利回り−ギリシャの緊縮策採決控え
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD09SQ6KLVR601.html

5日午前の欧州債市場で、ドイツ国債相場は上昇。2年債利回りが約2カ月ぶりにゼロを下回った。ギリシャのユーロ圏残留のために必要な緊縮財政措置の採決を控えて質への逃避が進んだ。

日本時間午後4時27分時点で
・2年債利回り:マイナス0.005%(1bp低下)→マイナス利回りは9月6日以来。
・10年債利回り:1.44%(1bp低下)→一時は10月3日以来で最低の1.43%を付けた。

なお、イタリア債(10年債利回り:5bp上昇の5%)とスペイン債(10年債利回り:7bp上昇の5.73%)の相場は下落。ギリシャでは賃金・年金削減策が早ければ7日にも議会で採決される。


G20特集

20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議が4日、メキシコ市で開幕した。


●豪スワン財務相:G20の大半は世界経済が「脆弱」との認識
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZJRM6JIJVC01.html

オーストラリアのスワン財務相は、20カ国・地域(G20)の大半が世界経済は「脆弱」とみているとの認識を明らかにした。また、欧州は金融統合強化を、米国には財政赤字の削減を推し進めるようにそれぞれ求めた。

米国については、ここ数週間の指標は一段と上向いているものの回復は依然として不安定だと指摘。今週の大統領選で勝利を収めるのは誰であろうと、財政の崖の回避に向けて議会と協力することが最も重要な課題とのこと。

欧州では、135億ユーロ(約1兆4000億円)規模の緊縮策と引き換えに欧州連合(EU)や国際通貨基金IMF)を納得させ、救済資金を受けようとするギリシャの取り組みが先週、新たな障害に突き当たった。国有資産の売却に関する法案は可決されたものの、サマラス政権が緊縮策を議会で通過させるのに必要な支持を得られるのかどうか懸念が強まった。



●G20財務相会議声明草案:世界の成長のリスク高い−当局者
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZCWF6S972901.html

5日発表されるG20財務相中央銀行総裁会議の声明草案は、すでに緩やかになっている経済成長にとって、高いリスクの可能性を指摘する内容だと、会議参加国の当局者1人が匿名を条件に語っている。

同当局者によると、リスクとして指摘されているのは以下の4点。

・欧州の危機対応計画の遅れの恐れ
・米国と日本の急速な財政緊縮の可能性
・一部の新興市場国の成長が一段と弱くなること
・一部商品の供給ショック



●G20財務相:関心は欧州から米国の財政問題に−財政の崖懸念
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZKS76JIJVP01.html

世界各国の財務相らは欧州に対し財政のコントロールを回復させるよう3年間圧力をかけてきたが、今では米国の財政上の難題に関心が集まっている。

2日後の米大統領選挙でオバマ大統領と共和党ロムニー候補のどちらが勝利するにしても、米国は2013年に財政上、欧州よりも大きな障害に直面することになる。米国が減税失効と強制的な歳出削減が重なる「財政の崖」に陥ると懸念。

すでに国際通貨基金IMF)は、G20が来年、財政赤字削減を国内総生産(GDP)比平均1.1ポイントと、今年の0.7ポイントから拡大すると予測している。


用語メモ

【政府系ファンド(SWF)】

Sovereign Wealth Fund(ソブリン・ウエルス・ファンド)とも言う。別名、国富ファンド、国家ファンド、政府系投資ファンド

政府が直接・間接に運営するファンドで、主に対外資産を投資対象とし、リスク性資産も含め積極的な運用をしているものを指す。安全かつ流動的な資産で運用される通常の外貨準備とは区別される。

①石油などの一次産品の輸出収入を原資とする商品系ファンド。アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ投資庁ノルウェイの政府年金基金など。
②外貨準備や財政余剰の一部を原資とする非商品系ファンド。シンガポールの政府投資公社(GIC)や中国の中国投資有限責任公司など

via http://www3.keizaireport.com/feature/527.html



産業革新機構

大学や企業が保有する革新的な技術に資金を供給して実用化を支援し、日本経済の持続的な成長を促進するため、官民共同出資により設立された投資ファンド。関連性の高い技術・事業の集約や取締役の派遣など、経営への参加・助言も行う。

産業活力再生法に基づいて15年間の時限組織として平成21年(2009)設立。別名、INCJ(Innovation Network Corporation of Japan)。

(2012-10-18 朝日新聞 朝刊1総合)
「国内企業の再編や産業構造の転換」をめざす官民ファンドとして、2009年に設立。国が1420億円を出資して株の9割超を握る。出資金はNTT株などの配当金を活用しており、税金ではないが、国民の財産が元手。これまで約30社に投資した。

via http://kotobank.jp/word/%E7%94%A3%E6%A5%AD%E9%9D%A9%E6%96%B0%E6%A9%9F%E6%A7%8B



企業再生支援機構

株式会社企業再生支援機構法に基づいて平成21年(2009)に発足した組織。国の出資や保証により資金を調達。有用な経営資源を有しながら過大な債務を抱える企業に対し、金融機関から債権を買い取るなどして、経営再建を支援する。

産業再生機構の後継的存在。平成22年(2010)に日本航空の再生支援を行うことを決定。別名、ETIC(エティック)(Enterprise Turnaround Initiative Corporation of Japan)。

(2011-03-04 朝日新聞 朝刊 福井全県1地方)
政府と民間金融機関が出資し、地域経済を支える中小企業の再生を主眼に2009年に発足した。相談を受けた企業の資産を査定し、取引銀行と調整して支援を決める。事業再生計画をもとに出資や融資、銀行からの債権買い取り、経営者の派遣などをする。

via http://kotobank.jp/word/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%86%8D%E7%94%9F%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%A9%9F%E6%A7%8B



G20(Group of Twenty)】

「G8」+「欧州連合」+「新興経済国11か国」からなるグループである。

・主要国首脳会議(G8):カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ合衆国、ロシア
・新興経済国11か国:トルコ、中国、韓国、インド、サウジアラビアインドネシア、オーストラリア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ共和国

G20国内総生産GDP)を合計すると、世界のGDPの90%ほどを占め、貿易総額は世界の80%である。また加盟国の総人口は世界の3分の2ほどになる。

欧州連合は団体としてG20に参加しており、欧州連合加盟国は、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスを除き個々の国としてG20には参加していない。ただ、オランダやスペインのように、G20に参加していない国が必要に応じて、会合に臨時出席する場合もある。

via http://ja.wikipedia.org/wiki/G20



経済指標

日経平均株価 9007円44銭 前週末比−43円78銭(0.5%)
TOPIX 747.95ポイント 前週末比−4.14ポイント(0.6%)
USDJPY 80.15〜80.56 ※80.28で前日比−0.145(0.180%)
EURJPY 102.44〜103.34 ※102.65で前日比−0.582(0.564%)
10年物債券 利回り0.765% 前週末比−1ベーシスポイント

※為替レートは11月6日02:21時点で前日同時間、Bloombergマーケット速報より。



[国内株価] 日本株4日ぶり反落、業績懸念で電機、水産売り−電力や資源一角も
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZJ3C07SXKX01.html

東京株式相場は4営業日ぶりに反落。6日の米国大統領選を前に買いが見送られる中、足元の業績が厳しいパナソニックやシャープなど電機株、ヤマダ電機が大幅安。今期無配になる日本水産など水産株は業種別下落率の1位で、原子力発電所稼働への不安で電力株、商品市況安を受け資源株の一角も安い。

米国内の雇用は改善しているものの、海外景気が良くないことから10−12月以降の米企業業績は厳しくなると予想。中国との関連が深い日本の方がさらに業績は厳しくなるとし、悪材料の出尽くし感がまだ出ないとのこと。

2日に発表された米国の雇用統計によると、10月の非農業部門雇用者数は前月比17万1000人増。ただ、事前の雇用関連指標から上振れは予想されていた。また、米国株の上値の重さやハリケーンにより、米経済への楽観は後退している。

6日には米国で大統領選と上下両院議員選挙が予定されており、金融市場への影響を見極めたいとして積極的な売り買いは手控えられた。海外からの目立った買い材料に乏しい中、業績悪化銘柄への売り圧力が続いた。

・パナソニクやシャープはこの日も下げ止まらず
東証1部33業種では水産・農林業の1位に続き、電気・ガスが下落率2位
三井物産など一部商社、海運といった商品市況の影響を受けやすい業種も軟調

半面、
・輸送用機器株は高く、東証33業種の上昇率トップ。
・決算内容の好感からキリンホールディングスキッコーマンなど食料品株も堅調。
トヨタ自動車も明るい。営業利益予想の上方修正、韓国の現代自動車などが米国で車種の燃費を誇張していた問題が追い風か。



[外国為替] ユーロが1カ月ぶり安値圏、ギリシャ問題が重し−米大統領選見極めへ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZKA16JIJVV01.html


東京外国為替市場では、ユーロが対ドルで約1カ月ぶり安値圏で推移した。ギリシャの支援問題をめぐり不透明感が根強く残っており、ユーロは上値の重い展開が続いた。

今週から来週にかけてギリシャをめぐる動きをにらみながらの展開になるため、健全化目標の達成期限延長などが決まらなければ、マーケットとしてはなかなか安心感が出てこない。国債利回りも一応落ち着いてはいるが、期限を延長しつつ追加支援をするというやり方をとらないと、さらなる低下は難しい。

今後数週間はギリシャにとって極めて重要であり、誤りは許されない。今月310億ユーロ(約3兆2000億円)の救済融資を求めるが、緊縮案でジレンマ。最初の議会採決は7日にも行われ可能性がある。

・3党連立与党内部:追加削減への反発に直面。
トロイカ:追加削減策の見返りとして目標達成期限2年先送りを示唆。
国際通貨基金IMF)と欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会から成る。


ドル・円は1ドル=80円45銭付近を挟んでの展開。前週末には予想を上回る米雇用統計を手掛かりに一時、4月27日以来の水準となる80円68銭までドル高・円安が進んだが、6日に米大統領選を控えて、この日の東京市場では80円56銭を日中高値に24銭の値動きにとどまった。

オバマ大統領再選の可能性が高まってきたことで、すでに選挙を前に伸び悩んでいるか。米大統領選挙が終わっても、『財政の崖』への対策である程度めどが付くまではドルが伸び悩む可能性が高い。

1日公表されたABCニュースと米紙ワシントン・ポスト世論調査によると、オバマ大統領の支持率は49%、共和党ロムニー候補は48%。

オバマ大統領が再選:大きな政策変更はない→為替市場への影響は限定的。
ロムニー氏が勝利:(①実業家=株にポジティブ)+(②量的緩和反対=米金利上昇)→金利差拡大などでいったんドル高に反応。


※[補足] ユーロの主要通貨に対する上昇に黄信号−信用収縮の深刻化で
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZQHF6K50Y301.html

ユーロはこの3カ月間、1通貨を除く全ての主要通貨に対して上昇しているが、深刻化している欧州企業に対する信用収縮でこの流れが危うくなっている。信用収縮はリセッション(景気後退)のリスクを高める。

ドラギ総裁の行動は周辺国のソブリンリスクを低下させたが、与信の状況を改善するには不十分。民間部門の融資の伸びは引き続きマイナスで、貸出金利も依然として問題であり、これはユーロに影響を与え続ける。

欧州の銀行による融資は9月に前年同月比0.8%落ち込んだ。イタリアの窓メーカーからポルトガルの建築資材メーカーまでさまざまな企業が、事業拡大のための資金を調達できないと指摘している。中小企業は経済の最大7割を生み出す。



[債券] 債券は反発、米債高・株安で買い優勢−米大統領選控えて取引は低調
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCZJMI6TTDUO01.html

債券相場は反発。前週末の米国市場で債券高・株安となった流れを引き継いだことに加えて、国内株安も買い手掛かりとなった。あすの米大統領選挙の結果を見極めようと、先物取引は低調だった。

前週末発表の米雇用統計は悪くなかったものの、米国株が下落し、日経平均株価も下げたことが債券先物の堅調さを支えた。あるいは、米大統領選挙やギリシャ財政緊縮策など材料待ちで薄商いだったか。

米大統領選は接戦が予想されているため、投資家はポジション(持ち高)を傾けづらい。オバマ氏再選なら基本的に市場への影響は中立。一方、ロムニー氏が勝利を収める場合はややサプライズ。ただ、振れがあっても一時的。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の325回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)低下の0.77%で始まり、その後も同水準での推移が続いた。午後5時前後から0.765%に水準を切り下げた。一方、超長期債は安い。8日に40年債入札を控えて、超長期債がやや重たい。



[まとめ]

(先週末)
・米雇用統計がいい感じ→円安/ドル高→すぐに巻き返し

(為替)
・海外景気の悪化→米国株下落→やや円が高値
ギリシャ支援の不透明感→ユーロが下落
米大統領選が読み切れずに停滞状態

(株価/債券)
・円が高値+業績悪化→国内株価が下落→全体的に国内債券に逃避。


今日のひとこと


・緑色のうんこが出た。
・自宅のネットワークがウィルスに攻撃された。寿命が縮んだ。
スターウォーズの続編が楽しみです。


・月曜日は重要なニュースが多くて読むだけで疲れます。
・先週の金融緩和前後の明るさから一転。不謹慎ですがこの変化が面白いです。
・Robert Costanza "The Value of New Jersey’s Ecosystem Services
and Natural Capital"(2006)を年度内に全訳したい。ブログで少しずつ訳していくかもです。