太田尚樹氏の著書『満州裏史』は、満州国の陰の支配者とされる岸信介と甘粕正彦の生涯を描いた作品です。 満州裏史 甘粕正彦と岸信介が背負ったもの (講談社文庫) 作者:太田尚樹 講談社 Amazon 岸信介は現在、安倍晋三元総理の母方の祖父として広く知られていますが、その正体は満州国の産業を掌握していた官僚でした。 日米開戦直前に発足した東條内閣では商工大臣を務め、戦後はA級戦犯として収監されますが、最終的に無罪となります。その後、総理大臣にまで上り詰め、裏ではCIAのスパイとして暗躍したことから「昭和の妖怪」とも呼ばれました。 本書には、岸信介に関する興味深い記述があります。それは、彼の先祖が源…