訓読 >>> 957いざ子ども香椎(かしひ)の潟に白妙(しろたへ)の袖(そで)さへぬれて朝菜(あさな)摘みてむ 958時つ風吹くべくなりぬ香椎潟(かしひかた)潮干(しほひ)の浦に玉藻(たまも)刈りてな 959行き帰り常に我(わ)が見し香椎潟(かしひがた)明日(あす)ゆ後(のち)には見むよしもなし 要旨 >>> 〈957〉さあみんな、香椎の干潟で袖まで濡らして、朝の海藻を摘もう。 〈958〉満潮の風が吹きそうになっている香椎潟の潮干の浦に、早く玉藻を刈りたい。 〈959〉行きと帰りに私がいつも見ていた香椎潟は、明日から後は見ることができなくなってしまうのだ。 鑑賞 >>> 題詞に、冬11月、大宰…