訓読 >>> 1474今もかも大城(おほき)の山に霍公鳥(ほととぎす)鳴き響(とよ)むらむ我(わ)れなけれども 1475何しかもここだく恋ふる霍公鳥(ほととぎす)鳴く声聞けば恋こそまされ 1484霍公鳥(ほととぎす)いたくな鳴きそひとり居(ゐ)て寐(い)の寝(ね)らえぬに聞けば苦しも 要旨 >>> 〈1474〉今頃ちょうど、大城の山でホトトギスが鳴き立てているのだろう。私はもうそこにいないけれど。 〈1475〉何でこんなにもホトトギスを待ち焦がれているのだろう。その鳴き声を聞いたら聞いたで、人恋しさがつのるだけなのに。 〈1484〉ホトトギスよ、そんなにひどく鳴かないでおくれ。独り眠れないでい…