午後の陽光が差し込むカフェ。 窓際の小テーブルには、淡いピンク色の 苺のショートケーキが置かれていた。 瑞々しい苺の赤色が、白くてふわふわの クリームの上でひときわ輝いている。 このケーキを見るたびに、 彼女はあの日のことを思い出してしまう。 彼が初めて買ってくれた苺のショートケーキ。 それは、二人の初めてのデートの日だった。 彼は照れながら、このケーキが彼女の好きなのを知っていたと言った。 一緒に食べたケーキは、甘くて、そして何よりも温かかった。 しかし、その恋は長くは続かなかった。 彼の転勤をきっかけに、二人の距離はどんどん離れていき、 最後は自然消滅のように終わってしまった。 何度も彼の…