クレディ・スイスがUBSに救済合併される際にAT1債と呼ばれる債券の価値が無価値になったことに対し、同債券の保有者がスイス当局を訴えていることが記事になっていました。訴えによると、スイス当局はこの債権の価値をゼロにする権限はなかったとし、全額の弁済を求めているそうです。全額の弁済が妥当なのかはともかく、企業が破綻する際に真っ先に損失を被るのは株主であり、次いで劣後債の保有者、最後に一般的な債券の保有者の順になるはずです。今回の吸収合併で、クレディ・スイスの株主はUBSから(少額とはいえ)株式を受け取っています。AT1債は自己資本に組み入れることが可能な債権ということで、株式と同等のリスクを負っ…