老いの喉 山に唄えば山笑う (先月の写真 山桜の時季) いつも散歩に行く山道を歩き始めると、 おや、懐かしい匂いが漂って来る。ミカンの花の香りだ。もう5月だ、早くもミカンの薫る季節になった。 この山道は 新東名のルート確保のために山を削って付け替えられた農道である。新東名の道路面がよく見えて、120キロのスピードで走る車の音を聞きながら、ゆっくり上る。道は奥まで続くが、私は10分ほどで切り上げ、そして下って来て新東名を見下ろしながら、民謡のおさらいをするのが、ルーチンになっている。ここならいくら大声を出しても車の音にかき消される。 目的としている場所に着くと、あまり手入れの良くない夏ミカンの畑…