1. 内戦期の赤軍形成と制度的骨格(1918〜1921) 1-1 創設と二重統制体制 帝政軍は1917年の革命・崩壊過程で戦闘力を喪失し、ボリシェヴィキは新たな武装組織として「労働者・農民の赤軍」を1918年1月に創設した。当初は志願兵中心だったが、内戦の拡大に伴い徴兵制へと移行し、1919年頃までに約200万、最終的に約500万規模まで膨らんだとされる。軍事的専門性を欠く新政権は旧帝政軍の士官・将校を「軍事スペツ(専門家)」として大量に登用し、一方で政治的信頼性を担保するために各級部隊へ政治委員(ポリトルーク)を配置した。軍事スペツが戦術・作戦指揮を執り、その上から政治委員が命令の政治的妥当…