東欧・中欧ドイツヨーロッパへの伝統への情熱には、どこか 過去の帝国主義時代の黄金期への郷愁が潜んでいはしないだろうか。 アジアのバラック掘立小屋の存在が、ヨーロッパの偉大な街並みを支えてきたことを考えると 、ただ単純に日本は浅薄、 ヨーロッパは偉い、の発想で受け流すわけにはいかないと思う。これまで共産圏から西側諸国へ国境を越える際には、なぜか必ず、ホッとした感じになったものだ。なぜかベルリンの東西の検問所を抜けた今回は、それがなかった。東側よりも西ベルリンの方が街の表情に暗いものが感じられたくらいなのだ。自由ベルリンは、灰色の雲の下で肩をすくめるようにして 静まり返っている。活気も、エネルギー…