男性用の礼服。おもに夜間用略礼服。イギリスでの呼び方は「ディナージャケット」。
発祥は1886年、ニューヨークの「タキシード公園クラブ」で、全員が燕尾服の中、主催者が赤いスモーキングジャケット(プライベートで着るリラックス用のジャケット)を着てきたことによるとされる。当時のアメリカでは、若者を中心に流行した。
コート(ジャケット)は背広型で、通常のスーツと違うのは、襟の部分を艶のある綾絹で覆った点と、部屋着が発祥のため、ポケットのフラップがない点、そしてくるみに似た質感のボタンを用いる点。スラックスにも、側線に綾絹の飾りがつく。一方、テールコート(燕尾服)との違いは、背中の裾を短く切り落としている点。
蝶ネクタイ、ベスト又はカマーバンド、サスペンダー、ウィングカラー(立襟)のシャツ、スリーピークスに折ったポケットチーフと組み合わせるのが最正装。