久びさに、じつになんとも久びさに、魚大臣となった。 旧い仲間であるジャズバーのマスターからのご恵贈品だ。真空パックされた切身が、鯖三枚、鱈三枚、鰈二枚である。ひと塩されてあり、このまま焼けばいい世話なし商品らしい。 むろん魚大好き男である。にもかかわらず鮮魚を買う機会が近年めっきり減った。刺身も切身もだ。以前は鯵や秋刀魚などは頭付きに限ると信じて、腹を裂くために出刃が一本欲しいが、なんぞと夢想しながら牛刀型包丁を使ったもんだったが、すっかり横着になった。近年は魚缶を常備し、出汁にも添物にも削り節を多用し、竹輪やさつま揚を使っては、これも魚成分にはちがいないと云いわけしている。そんなところへ、せ…