ハーマン・メルヴィルといえば『白鯨』(Moby-Dick; or The White Whale , 1851 )ですが、私はまだ読んだことがありません。今回はその2年後に書かれた短篇「書写人バートルビー」(Bartleby, the Scrivener: A Story of Wall Street , 1853 )を再読してみました。実は『白鯨』より面白いのではないかとささやかれていてるのです。前回のホーソーンの「ウェイクフィールド」もしかり、米文学のマスターピース、一度読むと忘れられないような奇抜さがあります。しかも面白い。それもそのはず? メルヴィルはホーソーンとお友達であり、多大に影…