第七話・最終話|合格の空、遠ざかる街の灯り 獣医師国家試験が終わった。 2日間の試験を終えたその日は、勉強中心の毎日から開放され、試験への緊張がなくなり、久しぶりによく眠ることができた。 翌朝、いつもと同じ時間にハルを散歩に連れ出しいつもと同じ道を通る。けれど、真っ青な北海道の空に何も感じることができなかった。 試験が終わってからの二週間はこれまでの六年間の、どの時間よりも長く感じられた。雪解けがはじまり、芽吹く季節が近づいているのに根雪はいつまでも続くように感じていた。 「はぁ......」 思わず漏れた溜息が、白くひとかたまりになって冬の空気に消えた。その時、ハルがリードを引く力にはっとし…