足元に、犬がいる。黒い被毛に覆われた首をわたしの足の甲に乗せ、薄茶色の脚を伸ばしてすやすやと眠っている。わたしはじっとりとしたその体温を感じながら、キーボードを打っている。 わたしたち夫婦は、いま、犬と暮らしている。 「犬を飼うとは、思わなかった」と書くと、ブログ読者の方は意外に思われるかもしれない。 ここ2、3年、わたしたち夫婦はほうぼうの譲渡会などに足を運び、「運命の犬」探しをしており、それをブログにも綴っていたからだった。 しかし、我々夫婦はもともと、生粋のキャットパーソン、猫好きだった。 お互い実家では猫と暮らしていたし、結婚後は同じ保護猫カフェに8年ほど通っていた。 しかし、わたしの…