英国在住のライター、翻訳者、ブロガー。(本人の弁によれば「言語のいたこ」*1) 映画情報サイトMovieWalkerに寄稿記事が掲載されている。(MovieWalker"ブレイディみかこ"記事一覧) 英国での生活を綴ったブログ「THE BRADY BLOG」が、碧天舎から「花の命はノー・フューチャー」として出版される。(ただしその後碧天舎の倒産により絶版)
花の命はノー・フューチャー
1996年より英国在住。現在はBRIGHTON, EAST SUSSEXの「丘の上」で生活しているとのこと。
*1:出典:http://www.geocities.jp/mikako0607jp/6th.html
このブログ、最近書評が多いな、と思っている読者もいると思う。まさにその通りで、理由は、建玉が膠着しており、動きがとりにくい。それに、GWの後半からずっと仕事で、今月に入って休んだのは1日と6日だけ。深夜に帰宅した後にチャート画面を開いても、派手に動く時間は過ぎており、チャンスはほぼない。結局、本を読むくらいしかやることは無くなってしまうのだ。 本作の著者ブレイディみかこは、名前は聞いたことがある、くらいで著作を読むのはこれが初めて。小説、という形態をとっているが、著者の経験が結構投影されているように感じる。「ノンフィクションではないし、自伝でもない」と書いてはいる(P252)が、いたる所に著者…
どこの本屋さんにも置いてあるであろう、超ベストセラー。 いつかいつかと思いつつ、読めていませんでした。 ポッドキャスト番組「独立後のリアル」の相方がおすすめしていたのをきっかけに、今更ながらに読みました。 読んでよかった。 感じることも多く、正直、読書録に何をどう残しておけば良いかまとまらないでいます。 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディみかこ 著、2021年7月初版、新潮文庫、単行本は2019年6月刊行) 内容は、副題の「The Real British Secondary School Days」が表しているとおり。 著者みかこさんの息子さんが通う"元底辺中学校”の…
他人の靴を履く タイトル聞いただけで、お尻がムズムズして、居心地の悪さを感じるよね。 一言で中身が、想像できるけど、 その具体的な中身って、目から鱗のみかこさんの本 面白いよね。 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー から、コラムなどいつも表現力にため息する 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ 作者:ブレイディ みかこ 文藝春秋 Amazon 女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち (幻冬舎新書) 作者:ブレイディ みかこ 幻冬舎 Amazon ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫) 作者:ブレイディみかこ 新潮社 Amazon ぼくはイエローで…
『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』 ブレイディみかこ 文藝春秋 シンパシーとエンパシー みなさんは「共感」という日本語、どのように使われますか。 「今の日本の政治家の話し方にはまったく共感できない」 「この監督の一つ前の作品には共感できなかったけど、今回のには共感できた」 「この投稿に共感していいねボタンを押してしまった」 とりあえず3つ、私なりに適当に「共感」を用いて文章を作ってみましたが、これらの「共感」は英訳すると、おそらく"sympathy"になります。ところが他方、英語ではもう一つ「共感」と訳される単語があります。"empathy"です。 英語圏でもこの"empat…
谷川俊太郎とブレイディみかこの1年半に渡る往復書簡。 『図書』連載「言葉のほとり」(2022年3月~2023年8月号)に、奥村門土(モンドくん)の挿画を加えて、昨年11月に書籍化されたもの。 字も大きく150ページほどであり、内容的にもとても引き込まれたので一気に読了。 気軽に読めるわりに内容は深く、心に響く言葉や共感出来る事がら多々だった。 社会的なことや、老いや介護などの身近な問題にも触れていて。 年齢も、育った環境も全く違う二人。ブレイディさんの散文に対して、谷川さんは詩を中心に返信。谷川さんの味わい深い詩の世界も十分堪能できた。 イギリスに住んでもう四半世紀になるという、ブレイディみか…
続きです。 ◯エンパシーとシンパシー# この小説のなかで、『東京同情塔』である刑務所は、シンパシータワー、 ですから、犯罪者は、同情すべき人々ということです。 寛容な社会の行き着くところです。 そのネーミングから、高輪ゲートウェイ駅、 内容では、上野千鶴子さんの東大での新入生歓迎の辞など、 巷の出来事が、いくつもクロスオーバーしました。 同じ時代、同じところで、ほぼ同じ目線で生きている、作者への、エンパシーです。 エンパシーは、共感で、同情しないけれども、理解はできるという態度です。 ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」です。 シンパシーとは、かわいそうな人に、…
詩人とライターの往復書簡を読みました。 詩人とは言わずと知れた詩の大家・谷川俊太郎さんで、 ライターとは「地べたのライター」と自ら名乗るブレイディみかこさんです。 『その世とこの世』というタイトルの本です。 ワタシにとってはお2人とも興味関心を引かれる方ですので、 どんな化学反応が楽しめるのかと、ワクワク気分でページをめくりました。 面識のないお2人の手紙のやりとりですが、 これは、『図書』編集部の発案だとか。 このお2人を結びつけるとは、かなりの策士ですな。 そして、見え隠れするのが、作家の高橋源一郎さんの存在です。 NHKラジオの番組『飛ぶ教室』のパーソナリティですが、 いきなり、この番組…
白内障の手術をした。数日休んで学校へ行くと廊下の掲示板が変わっていたので驚いた。それは1年生から6年生までの行事の様子を並べた写真。「きれいな写真だなあ! よく撮れているじゃないか…」もう一度よく見ると、前と同じ写真だ…。 映画「パーフェクトデイズ」に関する話題がラジオから聞こえてきた。「あの写真現像屋の店主は柴田元幸さんです」えー!知らなかった! 聞いていたらもっと気を付けて見たのに。もう一度観に行こうと思っていたのでこれで決心がついた。 翻訳家の柴田元幸さんの編集による雑誌「MONKEY」第32号が発売された。伊藤比呂美、ジョン・アーヴィング、フィリップ・K・ディック、坂口恭平、古川日出男…
【ボランティアの本質 意義】。少し長いですが転記させて頂きます。 週末にHIVの病院でボランティアしている企業の弁護士。「ボランティアは ダイレクトに誰かの役に立てる。 企業の弁護士は、企業の役に立つけど 人の役に立つとは限らない。 書類やコンピューターを相手にして仕事をしていると人間を相手にした仕事がしたくなるんだ。 人間の仕事というか 人間にしかできない仕事がね。 人間をケアする行為は、人間でない者には ロボットには できないんだ。 ケアというのは ケアする方とされる方、双方の人間がいてポジティブな精神的電波が生まれる。病院室を回るとき 僕たちはそこにいる人々に声をかけるよね。 相手から答…
東京に暮らす詩人の谷川俊太郎さんと ブライトン在住のライターのブレイディみかこさん日々の出来事や少し引っ掛かった想いを文通した往復書簡集。 対談と言うカタチではなく、手紙のやり取りは 考えたことを文字にする工程を経て伝えられる 手紙には経た時間によって洗練されたエッセンスが抽出され濃いその人らしさが綴られるって気がします 谷川さんの詩の広がりとリアルなブレイディさんの想いの重なり まさにそれは「その世」と「この世」のような言葉この想いは「あの世」ではどこに行くのだろうか 世は繋がり過去から未来へ部屋から世界を超えて想像が広がる。
GWの2日目は朝から真夏みたいだった。父親の家に向かう息子を見送り、私は恋人の家へ。 今日は良い天気だね、と話しているうちに彼から「せっかくだから、奥多摩のコテージに泊まってBBQとか川遊びはどう?」と提案され「え、今から?」としり込みしてしまった。これまでろくにキャンプなどをしたことがなく、心の準備もないまま思い立って出かけられるほどアウトドア慣れしていない私。海外出張にもリュック一つの当日準備で出かけられる彼のフットワークの軽さが羨ましい。コテージは空いていたけれど、今から出ても着くのは夕方だし、ということで、以前から興味があった「ベランピング」に挑戦してみることにした。 恋人の部屋から眺…
読み始めるまで、小説だと思い込んでいました。ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫) 作者:ブレイディみかこ 新潮社 Amazon 実際には、息子さんの中学校生活について書いたノンフィクション。このタイトルは、息子さんの言葉だそうです。やっぱり、中学生は感受性豊かというか、受け止め方が純粋ですよね。もちろん皆が皆そうではないと思いますが。。 イギリス社会について描かれていて、異文化に触れる感じが、ちょっとテーマは違うんですが、私的には『くもをさがす』を思い出しました。 sky29wind.hatenablog…
本の感想「何とかならない時代の幸福論」ブレイディみかこ・鴻上尚史(朝日新聞出版) NHKの「SWITCHインタビュー達人たち」の対談をまとめたもので、さらにこの書籍のために新たな対談を加えて構成したもの。日英の教育の違いがそれぞれの社会のあり様をどう規定しているかを考察している。鴻上氏によるポイントになる言葉は「ランドセルとリクルートスーツが当然と思われている限り日本は変わらないとおもいます。」であり、ブレイディ氏によるポイントになる言葉は「英国は格差はあるんですけど、正直に見せてますよね。日本はないようでいて、ありますよ。でもそれを、ないように見せようとする。」ということ。鴻上氏は高校生の頃…
他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ/文藝春秋/ブレイディみかこ posted with カエレバ 楽天市場で探す Amazonで探す さて、出る本、ブレイディみかこ「他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ」(5/8)文庫化です。これ、気になってたのだけど読まなかったなぁ。まずはアマゾン、単行本の方の紹介文を。
古本を買った。今田高俊『自己組織性――社会理論の復活――』創文社、1986自己組織性: 社会理論の復活作者:今田 高俊創文社出版販売Amazon白石一文『火口のふたり』河出文庫、2015火口のふたり (河出文庫 し 22-1)作者:白石 一文河出書房新社Amazon梨木香歩『からくりからくさ』新潮文庫、2003からくりからくさ (新潮文庫)作者:香歩, 梨木新潮社Amazonブレイディみかこ『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』ちくま文庫、2023ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち (ちくま文庫 ふ-52-4)作者:ブレイディ みかこ筑摩書房Am…
今月は10冊読みました〜!実用・教養書と小説のバランスが個人的に良い感じ。有名過ぎて手に取るタイミングを逃した本もどんどん読んでいきたい所存。 1.0402 頼藤太希・高山一恵はじめてのNISA &iDeCo楽天証券かSBI証券でオルカンかS&P500買っとけ!!!ニーサの事はめっちゃ情報流れてくるしやってるけどイデコについては全然知らないので手に取ってみました。今はイデコに回せるほどの稼ぎがないので奨学金が終わったらイデコも視野に入れたいなと思いました。実家が太くないのに私立美大はいくな(戒め 2.0407 川内有緒目の見えない白鳥さんとアートを見にいくずっと前から気になっていてやっと読めた…
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 著:ブレイディみかこ 1巻と2巻、読んだ。イギリスの労働者階級で中学に通う息子の教育環境を軸に書かれたご本。 ヘルシンキ 生活の練習 著:朴 沙羅 こちらはフィンランドで保育園に子供を通わせるお話。 国が違うとこんなに違うのね~、と興味津々。 個人の性格や性質と考えられがちな「思いやり、根気、好奇心、感受性」なんかが、身に着けられる「スキル」として公的な教育のプログラムに組み込まれてたり、音楽の授業で「♪カリーンカ、カリーンカ」とか歌うんじゃなくてバンドを組んだりライブイベントのプレゼン資料を作って発表したりして商業音楽のしくみを学ぶのとか。 自分の…
先日、1冊の本を読み終えた。 『語れ、内なる沖縄よ わたしと家族の来た道』(エリザベス・ミキ・ブリナ 著 石垣賀子 訳)みすず書房 沖縄出身の母とベトナム帰還兵である白人のアメリカ人の父とのあいだに生まれ、アメリカで育った著者。アジア人の母を軽んじその背景にある沖縄も長年遠ざけてきたが、歳を重ねさまざまな経験をするなかで、しだいに母に対する思いが変わっていく。そのような著者の半生が、沖縄の歴史とともに自身の言葉で綴られている。 著者の語りに引き込まれてぐんぐんと読んだ。何度も心を大きく揺さぶられる。リアルに描かれる娘と母、娘と父、母と父、そのほか著者と著者にかかわる人たちとの関係。そのなかで、…
宇多田ヒカルの、Wait&See〜リスク〜の歌詞 変えられないものを受け入れる力 そして受け入れられないものを 変える力をちょうだいよ は初めて聴いたときとても衝撃を受けたし、今でも聞くたびにいいなと思う。大人になって、神学者ニーバーの言葉 神よ、変えることのできるものを変える勇気を、変えることのできないものを受け入れる冷静さを、その二つを識別する知恵を、私に与えてください を知って、この言葉もとても好き。本の中で久々にこの言葉に会ったので今の自分の変えられるもの、変えられないものを考えてみる。 変えられるもの 変えられないもの 感想 変えられるもの ・自分の体ー今年中に目標数値達成して、自分…
ブレイディみかこ 角川書店 2023.10.26読書日:2024.3.18 (ネタバレあり。注意) イギリスの労働者階級についていろいろ教えてくれるブレイディみかこが、自分の経験したシット・ジョブに基づいて書いた短編小説集。 全般的にとても面白かったです。こういう体験を読むのはとても興味深い。ブレイディみかこはたくさんのシット・ジョブの経験をしたんですね。ちなみにシット・ジョブの定義は、お金のためだけにする低賃金の報われない仕事。 小説の形ですが、ブレイディみかこの半生がなんとなくわかるような構成になっています。ということで、知りませんでしたが、ブレイディみかこって大学を卒業していなかったんで…
ベスト・エッセイ2023 作者:角田光代,林真理子,藤沢周,堀江敏幸,町田康,三浦しをん,赤木明登,阿川佐和子,秋田麻早子,浅田次郎,荒俣宏,石田夏穂,磯野真穂,稲垣栄洋,今井真実,上田岳弘,内澤旬子,内田春菊,大辻隆弘,小川哲,奥泉光,鎌田裕樹,川添愛,神林長平,岸本佐知子,きたやまおさむ,桐野夏生,鯨庭,久栖博季,黒井千次,小池昌代,小池真理子,郷原宏,佐伯一麦,酒井順子,佐藤利明,佐藤洋二郎,沢木耕太郎,沢野ひとし,茂山千之丞,篠弘,柴田一成,杉山昌隆,鈴木伸一,須藤一成,青来有一,関田育子,大道珠貴,高田郁,武田砂鉄,田中慎弥,中山祐次郎,七尾旅人,乗代雄介,服部文祥,平岡直子,平松洋…
『この国のかたちを見つめ直す/加藤陽子』『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディみかこ』『招かれざる客/笹川左保』『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし/加藤圭木ゼミナール』『日本と韓国・朝鮮の歴史/中塚明』『落語と川柳/長井好弘』6冊でした。『世界7月号』『前衛7月号』も読んでいます。 園田学園の図書館も使えるので、神戸の図書館では順番待ちとなる本も借りられました。近松研究所の図書館は、伝統芸能の系の本はとても充実しています。 ちょっと長くなるので2回に分けて書きます。それでも長いです。 『この国のかたちを見つめ直す/加藤陽子』 加藤さんが毎日新聞で書かいたコラム、2010年か…
エッセイは、筆者の個人的な経験や考えを自由な形式で綴った文章作品です。日記と異なり、人に読んでもらうことを意識して書き、読み手の心に響く物語を紡ぎます。 1. テーマを見つける 自分のしたい研究の見つけ方 どのようにテーマを決めるのか?20分で読めるシリーズ 作者:Bowing Man,MBビジネス研究班 まんがびと Amazon エッセイの出発点は、テーマ探しです。自身の経験、関心事、社会問題など、心を動かされるものを題材にしましょう。 具体的な質問を考える 何について書きたいのか、具体的な質問を投げかけてみてください。例: 「最近、自分が変わったと思う瞬間はいつだったか?」「私が大切にして…