結局はいつもの店で、いつもの席で、〆鯖に冷奴。うんざりするほど月並な定番だ。 なん年ぶりかで、巣鴨駅周辺を歩いた。 学生時分には、同人雑誌の月例会や合評会を、駅前の喫茶店「白鳥」で催した。雑居ビルの二階全部を占めた、L 字型に広がるだだっ広い店で、いつ行っても満席の心配がないので、便利だった。最低でも月一で巣鴨駅に下車していたことになる。 社会人になってからは、山手線から都営地下鉄三田線への乗換駅だった。神保町へ出かけるための通過点だったわけだ。巣鴨の街へ出る機会は、めっきり少なくなった。 同じ神保町目当てでも、その日の狙いや目論見によって、営団丸ノ内線でお茶の水駅を出発点とする場合と、都営三…