「人類の歴史の中で、これほど広大な地域がこれほど長く平和を享受した時代は、そう多くありません。」 アウグストゥスが帝政を確立した紀元前27年から、五賢帝時代の最後の皇帝マルクス・アウレリウスが亡くなる紀元180年まで、約200年間にわたってローマ帝国は比較的安定した平和を維持しました。これがパックス・ロマーナ(ローマの平和)です。「平和」といっても、帝国の辺境では常に戦争が続いていました。しかし帝国の内部、つまり地中海世界全体を見渡せば、それ以前の内戦の時代とは比較にならない安定と繁栄がもたらされていたのです。この200年間に何が生まれ、何が失われたのか。そしてそれが現代にどうつながっているの…