放っておいたらどこまでも沈んでしまいそうな時には、古の諸先輩方のことば達に耳を傾けます。 どこか疼いたとしても、いつかは思い出に変わる時が来るのかもと思えれば、なんとかやっていけます。 百人一首 68番歌 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな 三条院 【現代語訳】 心ならずも このはかない現世で 生きながらえていたなら きっと恋しく思い出されるに違いない この夜更けの月を 藤原道長のハラスメントや眼病に苦しみながら眺めた月。 三条院がどんな気持ちで、その冬の月を眺めていたのかを考えると胸が苦しくなります。 ただ、寂寥のなかにも生きる望みを感じられるのが、このうたの救い…