二宮尊徳(金次郎)が教えた「風呂水の哲学」と呼ばれるものがあります。 彼が言うには「人道というものは、人に何かを譲ったからといって損をしたということもなく、また、人から何か奪ったとしても利益になるものではない、と。それは水が巡るが如きもの」 それを例えて言ったのが、上の漫画にある内容なのです。 湯をたたえた丸い風呂の中で、欲深い者は手で湯を手前に搔き集めるだろう。一時は自分のところに来るが、その湯はまた流れて元へ帰っていく。 それに反して、欲無き者が自分の手元の湯を押し出してみれば、それは一時は自分から離れたように思うが、やがて回って自分のところへ帰ってくる。 少し押し出せば少し帰り、多く押し…