はじめに 大阪市は2025年5月、約11年ぶりにJR学研都市線・東西線の京橋駅地下化事業を再開する方針を決定した。この事業は「JR片町線・東西線連続立体交差事業」として知られ、総事業費1031億円、完成予定は2053年度という大規模なプロジェクトである。しかし、この計画には利便性向上の一方で、見過ごされがちな問題が潜んでいる。 事業概要と変更点 基本計画 大阪市は片町線(学研都市線)・JR東西線の京橋駅付近を地下化する連続立体交差事業(連立事業)を再開する考えを固めた。この連立事業は、学研都市線の鯰江踏切付近から京橋駅を経てJR東西線・大阪城北詰駅の手前まで約1.3kmを事業区間とし、線路を地…