2020年7月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 私の中のもやもやが少し晴れてきた。最近、アフリカのことをよく考えるからだ。 4月20日、ルワンダ人のモーリスから連絡があった。彼は妻と10代の娘2人と妻の実家があるベルギーの街に暮らしているが、このときはルワンダから電話してきた。 母親に会うため、ひとりで首都キガリに帰ったところ、新型コロナウイルスのせいで国境閉鎖となり、ベルギーに戻れなくなったという。 今はネット回線があれば世界中どこへでも無料で電話ができる。彼は暇だったのか、私に電話してきて、「俺たちはもういい年だよな。このルワンダで貧しい子供に教育を受けさせる活動をし…