作家。中近世ヨーロッパを舞台とした歴史小説が多い。 1993年、『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞を受賞し作家デビュー。 1999年、『王妃の離婚』で第121回直木賞を受賞。 他に「傭兵ピエール」「赤目のジャック」「双頭の鷲」などの作品がある。
略歴・紹介等はhttp://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/8826/が詳しい。
世界史を勉強しています。私の先生は、古代ギリシア・ローマが終わると、ゲルマン大移動や十字軍、そして神聖ローマ帝国へとすすみ、あれよあれよとという間に中世ヨーロッパへと進んでしまいました。カロリング朝、カペー朝はノルマン公国はじめイギリス史と併せて流れを理解するうえでは結構重要そうなのに、さらっと触れるだけでした。もう少し知りたいなあと思い購入。 驚きましたが(失礼!)、非常に面白かったです。 自分が歴史好きというのはあるかもしれませんが、やはり筆者の腕によるところが大きいと思います。と調べてみると、なんと直木賞作家でもあったのですね。 カペー朝は戦国時代? さて、私の印象ではカペー朝時代は、日…
ファミマの「お母さん食堂」のネーミングについて色々とあるのを見て想起しまして… 子育てですが、粉ミルクで育てると肥満になるやらアホになると言う説は、未だにあるのでしょうか。 いまでは普通に使われている紙オムツやミルトン、粉ミルクと言った製品ですが、娘が産まれた20年前は、使用否定派は結構いました。子育て雑誌にも異論反論的な投書が、必ずあったように思います。 紙オムツは愛情不足、煮沸消毒で無いと滅菌できないと言うのが否定派の主な理由です。 祖母から強要され、義母もどちらかと言えば布派でした。 布なんて蒸れるし荒れるし。良いとこなんてありゃしない。 しかし夜中にウトウトしながら煮沸消毒をしていたの…
いつ以来だろうか。私の好きな作家である佐藤賢一さんの小説。調べてみたら、遺訓(感想文18-41)以来だった。 そういえば、小説の感想文はブログを再開してから初めてだ。小説を読まないわけではないが、一時期よりも格段に読む頻度も量も減った。 読みたい小説がないわけではないが、体が物語を欲している時とそうでない時があって、今はそうではない時のようだ。またぞろ読みたくなる時が来るだろう。たぶん。 さて、本書の主人公はモハメド・アリ(1942-2016)。意外だ。ヨーロッパの歴史小説が得意のイメージで、たまに日本やアメリカを舞台にした小説もあったくらいだ。 では、私が知っているモハメド・アリといえば、蝶…
※2018年10月11日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 本書は、佐藤賢一さんによる新徴組(感想文12-45)の続編に位置づけられる時代小説。タイトルの遺訓とは、南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)のことである。 歴史全般に疎い私は、初めて南洲翁遺訓という存在を知った。ウィキペディアによると『西郷隆盛の遺訓集である。(中略)旧出羽庄内藩の関係者が西郷から聞いた話をまとめたものである。』とのこと。 庄内藩、つまりは現在の山形県鶴岡市の人たちが、どうやって鹿児島にいる西郷隆盛と接点を持ったのか。インターネットもSNSは当然なく、電話もない。郵便制度すらまだまともにできていない、そんな時代にだ。 二…
※2012年9月12日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 完全にファンになっている佐藤賢一さんの小説。今度は日本の歴史小説。フランスの歴史小説からアメリカの近未来小説、そしてアメリカ人(ペリー)を主人公にした歴史小説を読んで本作に至る。書いた順番と一致していないけれど、佐藤さんの幅広い感心と書ける能力に脱帽している。 本書は、かの有名な天才剣士である沖田総司ではなく、その義理の兄の沖田林太郎が主人公となっている本。そして、新徴組の存在を本書を通じて初めて知った。そして庄内藩のユニークさ、力強さ、頼もしさ、恐ろしさも。 ウィキペディアにもちゃんと載っていて、 新徴組(しんちょうぐみ)は、江戸時代…
※2012年6月6日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 小説フランス革命を書いている佐藤賢一さんと、こどもニュースのお父さんだったのが、「良い質問ですねぇ」ですっかり有名人の池上彰さんの対談本だ。さすが池上さん、目の付け所が良い。鼻が利く。 現在の混迷する日本、っていう言葉すらすっかり慣れてしまったほど、なんだかよく分からないし、もはやどうでもよくなってきつつある日本。地震でぼろぼろになり、原発をどうしていいか分からず、若者は搾取され、年寄りは怒る。ぼくとしては、ちょっとしたきっかけで一気に激烈で暴力的な何かが起きてしまうんじゃなかろうかという不安と期待、と同時に、やっぱり何も起こらないという…
1589年のアンリ三世の死によりヴァロワ朝は断絶。代わって即位したアンリ四世がブルボン朝を創設し、その治世は近代まで続きます。フランス革命でルイ十六世が処刑されると、以後、ナポレオン・ボナパルトがフランスの皇帝となりブルボン朝の時代は終わったかに見えましたが、ナポレオンの失脚後、再びブルボン朝の時代が訪れます。
題 名 :王妃の離婚著 者 :佐藤賢一発 行 :集英社発行日 :2002年05月25日読了日 :2009年02月10日 離婚を強いられる王妃を果たして救えるのか。第121回直木賞受賞作 もうり また、どうしてフランス時代小説? まるこ 本屋さんの棚から呼ばれたって感じかな。 もうり あるな、そういうこと。 まるこ 5世紀・フランス・宗教がらみ……。ドロドロしていて暗い作品なんだろうと思ったんだけど、痛快でダイナミックな本でした。 著者は大学院時代に研究した知識を元に、フランスを舞台にした作品を書いている方らしい。 もうり 学者先生の小説か、小難しくなかった? まるこ それが全然! 登場人物が生…
久し振りに読むテキストやワイン雑誌以外の本。 といってもフランスが舞台の佐藤賢一氏の小説。 ワイン好きにもたまらない小説です(^^ それはボルドーがイギリス領だったころのお話。 フランスが小国に分かれていて、土地を治める貴族たちはイギリス王太子派とフランス国王派にわかれ、地酒を飲みながら(笑)戦争を繰り返します。 主人公のベルトラン・デュ・ゲクランは預言に従ってフランス王に仕えます。ブルターニュ出身で、ブドウの酒なんて気取ったものは性に合わない!!林檎酒はないのか?ってな具合。 私は敵方のガスコーニュ出身、グライー贔屓。彼は戦場に赴くときもボルドー銘酒の皮袋を手放しません。 コニャック伯、アル…
*再掲載 モチベーション的に大変な 1ヶ月。就活を怠っていたツケが回ってきた。今まで二社のみ選考を進めていて、一つは長期インターン中の企業なので、まだわからないものの保険として受けていたもう一社は最終面接で落ちてしまった。授業をサボりまくってたせいで単位は残ってるから学校の授業は多いし、インターンをより一層力を入れないと採用されないかもしれないし、かといってこれ以上インターンに時間も力も注げば、就活ができない。そしてインターン先がダメだった場合、どこの内定もなく人生が詰む。(まあ最悪バイトして生きていけば死ぬことはないけど)かなり辛い状況だけど、まあやれることやってくしかない。死ぬことはないと…
最近は読書の時間が減りました。 今回は2冊のみです。 「剣闘士スパルタクス」(佐藤賢一、さとうけんいち) この著者の作品は主人公の性格がわかりやすい。 スパルタクスは古代ローマの剣闘士だ。 彼自身は強く人気があり栄光に包まれてはいたが、やがて 剣闘士たちの反乱の中心人物にまつりあげられてしまうのである。 試合や戦闘の場面は迫力がある、 「ラバー・ソウル」(井上夢人・いのうえゆめと) 生まれつき容貌にハンデがある青年が、モデルの女性に恋をしたあと 次々に悲惨な事件がおこってゆく。 読後感がせつない小説だ。 出来るだけ読書の時間は確保したいものです。 [総索引] 右にある月別アーカイブから確認くだ…
上の楽しい表紙の3冊は、今週の書評で取り上げられた、すべて韓国からやってきた翻訳本です。 ここ数年、韓国の本が翻訳され売れているケースが見られます。私は「アーモンド」や「あやうく一生懸命生きるところだった」を面白く読みました。また今、韓国から米国に移住した女性作家が英語で書いた「パチンコ」というベストセラー小説の翻訳本を読んでいる途中です。 私は韓流ドラマはまだデビューしていませんが、出版も映画やドラマも韓国発が日本で輝き始めているようで、とても良い形の文化交流が始まっていると感じています。 今週の書評本(媒体→週刊10誌・朝日新聞)【表示順→タイトル・著者・出版社・価格(朝日新聞と週刊新潮は…
Index------------------------------------------------------1)【記事】宮古島前市議が産経新聞を提訴した2)【本日の一行情報】3)【深夜の誌人語録】----------------------------------------2020.12.1 Shuppanjin1)【記事】宮古島前市議が産経新聞を提訴した沖縄タイムスは11月26日付で「『記事で名誉が傷つけられた』宮古島の前市議、産経新聞を提訴」を掲載している。《2017年に産経新聞がウェブサイトに掲載した記事で名誉が傷つけられたとして、前宮古島市議の石嶺香織さん(40)は25日、…
『ゼロワン』 ゼロワンのデザインとか人工知能というテーマとか、始まった当初はものすごく期待してたんだけど、ちょっと、うぅぅーん、何て言うか、えーと……。 コロナのせいかな?とも思ったけど、さうざーぐらいまでの展開はかなり前に決まってたみたいなので、あっじゃあコロナのせいじゃねえじゃん。ごめんなコロナ。 でもやっぱZAIAと「お仕事五番勝負」のあたりがネックだった気がするんだよなあ。てか、あまつしゃちょーだよ。あんなエキセントリックなキャラにしなくても、もっと普通の悪役でよかったのでは?『セイバー』 とりあえず個人的感想として、歴代平成ライダーの中でもトップクラスの「ライダーっぽく感じられなさ」…
あんまり読めんかったが。買いはしたんですが。とはいえ、現実には書店に行くのが、大冒険だったりしたわけですよ。気分は「ヨコハマ買い出し紀行」ですよ、ほんとに。非常事態宣言下の春先は書店が営業してなかったし。電子書籍で十分なんですが「気に入った本の好きな場面だけ読む」が電子書籍はしにくいんですよねぇ。それはともかく「JR」は電子書籍まだですかね。 以下、ライトノベル関連での思い出をあるだけつづりましょうか。 twitter発の「パワーアントワネット」すごかったものすごい速さで本になったなぁと思ってみてました。twitterでネタを求めて、タイトルだけじゃなくて、展開がクッソ面白い、力こそパワー。は…
2020年に読んだ本は268作品。コロナ禍で家に籠っていた時間も長かったのですが、2度の引っ越しがあった前年よりも減ってしまいました。むしろ実生活が多忙なほうが読書にも気合が入るのかもしれません。今年も最後に1年を振り返っての「ベスト本」を選んでみました。 ・長編小説部門(海外):『あの本は読まれているか(ラーラ・プレスコット)』 ロシア革命に翻弄された男女の愛の物語である『ドクトル・ジバゴ』を、冷戦期のソ連に流布させようというCIAの特殊作戦があったとのこと。その事実に触発されて書かれた本書では、ソ連側ではラーラのモデルといわれるオリガが著者パステルナークを支え続けた強さが、西側では男性職員…
ビッグバンセオリーのシーズン1見てたら W.シャトナーの名前をシェルドンが語っていて嬉しくなった私です。 第2話「謎に包まれた建造物」は傑作回ですぞっ
2020.12.14 多田将著 兵器の科学1「弾道弾」 すごい実験 高校生にもわかる素粒子物理の最前線 2020.10.21 アーサー・ランサム著 ツバメ号とアマゾン号 ローズマリー・サトクリフ著 第9軍団のワシ セシル・スコット・フォレスター著 ホーンブロワーシリーズ ディック・フランシス著 本命 大穴 バーナード・コーンウェル著 サクソン王国シリーズ コナンドイル著 シャーロックホームズ ジョン・ル・カレ著 ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ スクールボーイ閣下 ジョージ・オーウェル著 ビルマの日々 グレアム・グリーン著 The Quiet American 2020.6.23 夕撃…
Wi-Fi電磁波が話題!「Wi-Fi電磁波」に関するツイート Wi-Fi電磁波が話題!「Wi-Fi電磁波」に関するツイートWi-Fi電磁波で学力低下を懸念、市議ら意見交換会 – 日本教育新聞電子版 NIKKYOWEB https://t.co/uQX7A5gsqk https://t.co/MT04Et2Qdv— はてなブックマーク::Hotentry (@hatebu) 2020年12月8日 【編集部】先ほどからお問い合わせいただいておりますが、こちらの「Wi-Fi電磁波で学力低下を懸念、市議ら意見交換会」は本紙ではなく現実の記事です。ご了承ください。https://t.co/l2bMBwc…
やっぱり小説は、ストーリーが面白くなくちゃね。^^ 今月は、楽しく読めた本がたくさんありました。 1.オウエンのために祈りを(ジョン・アーヴィング) 稀代のストーリーテラーが描いた奇跡の話。小川洋子さんが「大人が泣ける」として紹介していました。小さくて変な声で、誰からもからかわれていたオウエンが生きてきた目的は、「神の道具」としての役割を果たすことだったのです。小説におけるデテイルの生かし方は、最高です。 2.沙門空海唐の国にて鬼と宴す1・2& 3.4 (夢枕獏) 唐で起こる不思議な出来事に挑むのは、日本から留学中の若き空海。楊貴妃の死後50年。廃墟と化した華清宮で開かれる宴に、半ば鬼と化した…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 江戸時代の数学・和算を支え発展させたのは、実学と興味と趣味で遊んでいたソロバン武士や庶民達であった。 江戸時代の日本には、西洋のような高等教育を受けた専門の学者・数学者はいなかった。 ・ ・ ・ 人間社会はもちろん大自然は、宗教、哲学、思想、主義主張ではなく数学でできている。 数学が分からなければ、何も理解できない。 ・ ・ ・ 現代の日本人と昔の日本人は別人のような日本人である。 昔の日本人が賢かったから現代の日本人も賢いとは限らない。 鷹は鷹を生むが、それ以上に鳶を生む方が多い…
佐藤賢一の直木賞受賞作 1999年刊行作品。佐藤賢一の五作目。第121回の直木賞受賞作である。ちなみに同時受賞タイトルは、桐野夏生の『柔らかな頬』であった。 1994年に書かれた佐藤賢一のデビュー作、『ジャガーになった男』は戦国時代にスペインに渡った一人の男を描いた異色の作品だった。しかし二作目以降は、『傭兵ピエール』 『赤目のジャック』『双頭の鷲』と、一貫として、フランスを舞台とした歴史小説を続けて書いてきた。『王妃の離婚』はこの作家のフランスモノとしては四作目にあたる。 集英社文庫版は2002年に登場している。 王妃の離婚 (集英社文庫) 作者: 佐藤賢一 出版社/メーカー: 集英社 発売…