戦争を体験した元軍人から証言を聞いてきた人達がいます。一人は、昭和史の歴史家、保阪正康。もう一人は、戦史を専門にしている研究者。もう一人は、五木寛之です。三人が、共通して言っていたことがあります。なかなか本当のことを話してもらえない、ということです。本当の話は、2割ぐらいだという感じでした。証言者本人の記憶が違っていることもあれば、無意識にバイアス(かたより)がかかってしまうこともあります。時の経過とともに、思い込みで言うことが変わってくることもあります。意識して嘘を語ることもあるそうです。歴史家には、真偽を聞き分けられる能力が求められます。五木寛之は、インタビューをして、貴重な証言を記録して…