私は2014年にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズ全集を小林司・東山あかね訳の河出文庫版で読み、昨年1月以来アガサ・クリスティの全ミステリ読破を目指して読み続けている。後者については今月もミス・マープルもの長篇第7作の『パディントン発4時50分』(原著1957, 松下祥子訳ハヤカワ・クリスティー文庫版,2003)を読んだ。 www.hayakawa-online.co.jp この作品はキャッチーな題名のせいか、読書サイトを見ると「初めて読んだミス・マープルもの」という読者が多数いて、多くの方が「意外な犯人」に驚いていたが、クリスティ作品をずっと読んできた私は既にクリスティの「癖」を熟知する…