奥武蔵を散策していると、少なくとも私の徒歩圏内について言えることは、路傍に多くの石造りの供養塔が見られることです。 ここで供養塔というのは、今日の言葉からイメージされる慰霊碑の類ではなく、遠方の霊場へ地元民が巡礼に出かけ、無事に帰還した際、目的を達成した証として建立された記念碑です。 とりわけ目をひくのは、中央に大きく「月山」、左右に「湯殿山」「羽黒山」と彫られた出羽三山への巡礼達成記念碑です。 専門家の話では、集落を代表して有志が巡礼に出かけ、無事達成できたときには後世に残る供養塔を建てて、村人全員が喜びとご利益を共有したそうです。 日本の古き良き共同体の姿を、石の供養塔は静かに語っているよ…