人生で何かを成し遂げるには、何かを捨てなければならない。成し遂げられるのは、短いぼくの人生でいくつもない。そして目標は一つに絞られる時、一番実現性が高い。これは動かしがたい真理に思える。一つの実現したい目標は何かを考えることは、自分のこれからの人生に不可欠だと思える。 文学か哲学か、という問いを立ててどちらかを捨てることが、一つに絞る過程に入ることになる。ぼくはこれまで文学の方に多くの時間を割いてきた。それでもピークだったのは、高校1年時だった。ぼくは世界文学全集を読みあさって一時期不登校になり掛かった。 哲学にそれほどのめり込んだことはなかった。しかし大学時代にはマルクス主義に傾倒して、梯明…