今日5月22日は、北条一門が自刃し、鎌倉幕府が滅亡した日。ということで、パラパラと吉川英治さんの『私本太平記』を読み返してみた。同書の北条高時の名台詞などをご紹介するので、味わってほしい。 北条高時腹切櫓(神奈川県鎌倉市) 生来、蒲柳の質だったわし。若くして得宗の家督を継ぎ、執権職につくものの、政治の実権は内管領(得宗被官のボス)の長崎父子に握られたままじゃった。じゃが、古典「太平記」にあるような、酒浸りで闘犬田楽にうつつを抜かし、政治を顧みなかったという描写は、流石に誇張のしすぎである。 「ばかな。この高時のどこが病者か。病人は天下の奴輩だ。上は主上公卿の堂上から下種にいたるまで、天下惣気狂…