14世紀の日本は混乱の時代である。鎌倉幕府が滅び、天皇家は分裂し、足利(あしかが)家の中でも内部抗争が起こる。めまぐるしく状況が変わる中で、地方の有力者たちも振り回される。複雑な要素がからみあい、決着はなかなかつかず。ややこしくてグダグダな展開が続く。ここのところの歴史はわかりにくいのである。 以下、おおまかな流れを追っていく。なお、年号は南朝のものと北朝のものを併記する。日付は旧暦。 天皇家分裂 13世紀の半ばから天皇家は持明院統(じみょういんとう)と大覚寺統(だいかくじとう)の2系統に分裂し、対立するようになる。この事態に鎌倉幕府が介入し、それぞれから交互に天皇を出すように定められた。この…