日本の市民社会はどのように右傾化したのだろうか。この問いに答えるために、日本の極右社会の三層構造・・・戦前のファシスト組織の生き残り(ネオファシスト)、宗教右派と退役軍人、そして排外主義(ゼノフォビア)・・・の視点で、それぞれの層が今世紀にどのように変化してきたかを考察する。 これら三つの層はそれぞれ、西欧諸国の層と共通点を持っている。第一層は、そのイデオロギーと戦前からの継続性においてイタリアのファシスト組織を彷彿とさせる一方、第二層は政治に大きな影響力を持つという点でアメリカのキリスト教右派に類似している。第三層は、少数民族への敵意という点で、ヨーロッパの排外主義運動とよく似ているように思…