乙巳年五月初二。摂氏14.6/21.9度。晴。新潮社『波』6月号の巻頭掌編で筒井康隆『チキンレース』を読む。御年九十で旺盛なる執筆欲。 つるり滑れば間違いなく転落墜落この世の奈落。前に後ろに揺れる身体。もはや誰に助けて貰える筈もない孤独の姿勢。自らとの戦いで後ろに残るは持続時間のみである。それは我が読者の心臓の具合に託されるべき秘密だ。 なんて文体そのものがスリリング。文中の「それ」が意味するものを15字以内で述べなさい。 答: 持続時間がどれくらいか なのだらうけれど「作者の老い先がどれくらいか」と書いて作者のダハハハハ……聞くべきか。 家人が吉村順三設計の茨城県近代美術館でヰリアムモリス関…