「仰げば尊し」「蛍の光」を卒業式で合唱しなくなって、もうどのくらい経つのだろうか。本作では、編曲された「仰げば尊し」が劇伴としてシリアスなシーンによく流れていた。そのことといい作品テーマといい、日曜劇場が我ら中高年をターゲットに制作されているのだなあとぼんやり思った。そう言えば、それまで御上(松坂桃李)と敵対関係にあると思っていた槙野(岡田将生)が最終回直前で黄門様のようにジャーンと登場した時には、なあるほど、なんて思ったし。 一人の若い女(堀田真由)が前途有望な若者の命を奪ったこと、奪うことになるまで追い詰められた彼女の個人的事情が、たどっていけば日本の教育制度、それを決定する政治、政治家の…