先日から川上未映子の『春のこわいもの』を読みはじめたら、こんなものにぶつかった。 ここは安全で、静かで、用がなければ誰もわたしに話しかけてきません。面倒な検査もありません。手術は思っていたより痛かったけれど、そのほかは毎日が規則正しくて、まるではしっこのない方眼紙でも見つめているような、そんな毎日です。(『春のこわいもの』「青かける青」(p.13)) 正直、ぼくにも理由がわからない。いきなり現れたように見える「方眼紙」という言葉にギョッとした。そして「はしっこのない方眼紙」とはどういう方眼紙なんだろうと、しばらく考えてみたがこれも正直よくわからなかった。ただただ、「方眼紙」という言葉のざらつき…