仕事を終えて家に帰ると、Kが「県内の国立大学に出すことにした」と言ってきた。通っている高校で、Kのセンター試験の結果を聞いた担任の先生からも「県内の国立大に出願するのが妥当だな」と言われたらしい。 私はその時からでも申し込みが可能な予備校や塾の直前対策講座を探し回り、まだわずかに空きがあったK予備校の対策講座に申し込んだ。英国数の二次対策講座だ。この時点で、私も妻もKも「その国立大学には受かるんじゃないか」という甘い幻想を抱いていた。 一方、私立大学の出願は、センター試験の前に済ませていた。国立大学が第一志望だったので、なるべく国立の2次試験に向けた勉強に影響がないようにと考えて、数を絞った出…