静けさの中で始まる創造 — 日本神話「天地開闢」を音楽へ 『古事記』の冒頭では、創造は激しい力ではなく、静かな気配として始まります。最初に現れる神々はみな “ひとり” で生まれ、まだ形を持たない世界の中にそっと立ち上がる存在として描かれます。大地もなく、空もなく、動きもない。ただ、静寂の広がりの中で「存在」が集まり始めるだけです。 こうした初期の神々は、物語らしい行動をほとんど持ちません。語らず、動かず、旅もしない。ただ現れ、わずかな気配を残し、静かに消えていく。まるで宇宙が「存在する」という概念を試しているかのように、形なき世界からそっと姿を立ち上げては、また沈んでいきます。 やがて神世七代…